きょうはギガバイト「GV-NX78X256V-B」のオーバークロックBIOSでかっ飛ばしてみたグラフィックスカード(2/2 ページ)

» 2005年07月27日 16時31分 公開
[長浜和也,ITmedia]
前のページへ 1|2       

期待どおりの性能向上……だけどね

 オーバークロックBIOSの効果はいかに、ということで、ここはITmedia得意の「Athlon 64 3500+を基幹としたミドルレンジシステム」というケチなことはいわずに、「Athlon 64 FX-57を基幹としたハイエンドシステム」でどぉーんと最速パフォーマンスを測定してみたい。

ベンチマークシステム環境
CPUAthlon 64 FX-57
マザーボードASUS A8N-SLI
メモリPC3200/512MB×2ch
HDDST3160023AS
OSWindows XP Professional +SP2
ForceWare77.72

 ベンチマークの結果は以上のとおり。3DMark05/03の結果は、もうここまで来ると「強烈」としかいいようがなくなる。オーバークロックBIOSを適用した状態でNVIDIA SLI構成にすると、3DMark05は最も負荷が重い条件でも1万台に手が届きそうな勢いだし、3DMark03の最軽負荷状態では、3万台が見えてきている。通常構成の空冷システムでもここまできたか、という思いだ。

 シングル構成における、ノーマルBIOSとオーバークロックBIOSの結果はクロックがアップした分、順当にパフォーマンスもアップしているのが分かる(10パーセントのクロックアップに対し、Futuremark系ベンチマークの結果はおよそ7〜8パーセント)。Aquamark3や市販ゲームを使ったベンチでも重負荷条件の項目ではパフォーマンスが順当に向上している。

 Webページでは述べられていないが、ギガバイトはオーバークロックBIOSを適用した状態でNVIDIA SLI動作を推奨していない。日本ギガバイトは社内で検証した製品のパフォーマンスをWebページで公開しているが、GV-NX78X256V-Bの紹介ページでは通常の検証結果として「SLIモード動作時」「1枚での動作時」のデータを掲載しているのに対し、オーバークロックBIOSの紹介ページにある検証結果には(明記していないが)1枚動作時における検証結果しか掲載していない。

 このあたりの事情を日本ギガバイトは「NVIDIA SLI構成にすると、オーバークロックしただけのパフォーマンスのアップが見られないので」と説明しているが、Futremark系のベンチマークでは、NVIDIA SLI構成でもクロックが速くなった分だけ、結果もオーバークロックBIOS適用後に8%ほど向上している。ただ、さすがに市販ゲームのベンチマークではオーバークロックBIOSを適用してもその結果はほとんど変わらない。

1024×768ドット1600×1200ドット
nonAA、nonAniso4AA、8AnisononAA、nonAniso4AA、8Aniso
3DMark05 Score1.08 1.08 1.09 1.08
3DMark03 Score1.08 1.07 1.08 1.08
AquaMark Score1.02 1.04 1.04 1.07
FarCry(HardwareOC River)1.01 1.41 1.27 1.88
half-life2(HardwareOC d3c171)1.00 1.01 1.01 1.07
DOOM31.01 1.04 1.06 1.07
 定格BIOS適用時のベンチマーク結果を1としたときのオーバークロックBIOS適用時の相対性能(1枚構成)

1024×768ドット1600×1200ドット
nonAA、nonAniso4AA、8AnisononAA、nonAniso4AA、8Aniso
3DMark05 Score1.02 1.03 1.06 1.08
3DMark03 Score1.07 1.07 1.08 1.07
AquaMark Score1.01 1.01 1.02 1.02
FarCry(HardwareOC River)1.01 1.01 1.01 1.02
half-life2(HardwareOC d3c171)1.00 0.99 1.01 1.01
DOOM31.01 1.01 1.02 1.05
 定格BIOS適用時のベンチマーク結果を1としたときのオーバークロックBIOS適用時の相対性能(NVIDIA SLI構成)

 「パフォーマンスで差をつけろ」というオーバークロックBIOSだが、クロックを上げた分だけのパフォーマンスを手にすることができるようだ。BIOSをアップデートする多少の手間と、その作業でBIOSが吹っ飛んでしまうリスクを自分で抱えなければならないが、コストをかけることなく、8パーセントほどのパフォーマンスアップが実現する。

 この「8パーセント」を「ほんの8パーセント」と見るか「なんと8パーセント」と見るかは、意見の分かれるところだが、それでも、絶対数的なパフォーマンスは「最速」では間違いないところなので、これは試してみる価値はあるのではないか、と思う。

 ただ、同じグラフィックスカードベンダーの中には「オーバークロックBIOS」に手を出さないところもあるわけで、その関係者のひとりは「ベンチマークの値は確かに魅力であるけれど、チップに与える負担を考えるとベンダーとして何年も製品を保証することができない」と述べていることも最後に付け加えておきたい。

オーバークロックで動作中、グラフィックスカードのファンは常に最高回転。その音はなかなか強烈であった。恐怖を感じたテスターは急ぎ、USB接続扇風機を出動させた(真面目な話)
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー