9月16日にオープンした「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」。同店は既報の通り、開店前からかなりの行列ができ、当日開店後も入場規制が敷かれるなど、かなりの盛況ぶりで存在感を見せつけた。その後の3連休でも客足は衰えず、オープンから4日で100万人の来場者を記録したという。
開店直前、アキバユーザー100人へ「ヨドバシカメラ開店によって、アキバ(電気街)に来る層は変わると思うか」と問いたところ、「変わらない」という意見が67%を占めた。開店当日も、それほど変わらないよ・関係ないよと高笑いするパーツショップもあったほど。
しかしヨドバシ開店から数週間が経過し、すでに街の様子が少しずつ変化しているという声が聞こえてきている。
ヨドバシオープンから、いわゆる“反対側”となる中央通りにもヨドバシカメラの紙袋を提げた人がたくさん見られるようになり、あるPCパーツショップ店員氏は「失礼ながら“場慣れ”していないお客さんが多く来るようになった“ように感じる”」と述べる。
ほかのショップでも、16日以降の微妙な変化を感じている店員氏は多い。ただし「ヨドバシに来た人がその帰りにせっかくだからと、“こちら側”にも来られているようですね。これは喜ばしいことです」(某ショップ)、としながらも「ただ、紙袋を持っている人が多いことからすでに“お買い物後”……ですよね。つまりはウインドウショッピングの人が多いようなので、残念ながら、売り上げそのものにはあまり影響ないようです。これは末締めに集計してはっきり数値化されるでしょうが」と客が多くなったことはなんとなく感じるが、肝心の売り上げにはさほど貢献していないことを示唆した。
さてヨドバシ開店直近で象徴的だったのは、旧日通ビル脇にある「おでん缶自販機」に人だかりができていたことである。
おそらくはヨドバシ開店に関するテレビ局による全国放送ニュースや、アキバ系をフィーチャーした番組の影響によるものと思われるが、それをケータイで撮影したり、2、3本をまとめ買いする姿も見られた。アキバでは珍しく、女性の姿が多かったのはほほえましい(?)光景だ。
「おでん缶」といえば結構昔からアキバ名物の1つではあるが、人だかりができるほどの光景を見たことはなかった。これは初めて、またはごく久しぶりにアキバに来た人が(一時的にでも)増えたことの表れともいえる。
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