家庭用液晶TVに迫る表現力を備えた、欲張り“パソテレ”──「Mebius PC-XG60K」(1/3 ページ)

» 2005年10月26日 08時55分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

 昨今のデスクトップPC市場、とくにメーカー製モデルの場合は多くがいわゆる“テレパソ”機となっている。もちろんノートPCであってもテレパソだからすごいということは決してなく、さらなる魅力がテレパソ機の違いの決め手になるといえるだろう。

 シャープMebius XGシリーズ2005年秋冬モデルとなる「Mebius PC-XG60K」は筆者の感覚ではTV付きのPC=テレパソというよりも、むしろPCが付いたTV=“パソテレ”という印象を受けるモデルであり、その部分において魅力を追求した製品に仕上がっている。

photo シャープ「Mebius PC-XG60K」。実売価格は17万円前後(ITmedia +D Shoppingで最安値をチェックする)

高輝度液晶+特化されたAV系機能が魅力

 Mebius XGシリーズは従来上位/下位の2モデル構成だったが、この秋冬モデルでは単独モデル構成で発売される。PCの基本機能を前モデル「Mebius PC-XG70J(レビュー参照)と比較すると、メモリ容量/無線LANは同じ512Mバイトメモリ/IEEE802.11b/g対応で、CPUが低電圧モバイルSempron 2800+に、HDDは80Gバイト1基のみにとなっている。

 マザーには、統合チップセットとなるATI RADEON Express 200Mを採用し、そのほかのハードウェアもほとんど前モデルを継承している。液晶ディスプレイは、輝度630カンデラ/平方メートルの高精彩表示が可能な15インチXGA液晶ディスプレイを搭載する。反面、現在15インチ液晶搭載ノートモデルでは1280×1024ドット(SXGA)表示対応機種が増えているが、1024×768ドット(XGA)表示対応となっている。

 秋冬モデルでグレードアップした本機の魅力は、液晶表示能力だ。

 二灯式で最大630カンデラ/平方メートルの高輝度となるASVブラックTFT液晶や、動画応答性を高めるQuickShoot技術の採用など、高輝度液晶パネルと高画質化技術を融合したデュアルファインテクノロジーの搭載が従来からMebius XGシリーズの魅力となっている。加えて今回のMebius PC-XG60Kには、独立γ補正回路による「鮮やかエンジン」が加わった。

photo 最大630カンデラ/平方メートルという、家庭用液晶TV並みの高輝度液晶ディスプレイを搭載する

 鮮やかエンジンは、中間調の補正を行うことにより、単なる静止画表示でも中間色(たとえば肌の色など)の表現力がアップし、PCの静止画表示でも効果が感じられる高画質化のための機能だ。輝度は8段階に切り替えられ、最高輝度へは本体の「ブライトブースト」ボタンを押すことにより切り替えることができる。

 シャープといえば「液晶のシャープ」と言われることもあり、表示品質の高さがメーカー色を強く打ち出せるセールスポイントともなっている。本機も例外ではなく、非常に鮮やかな表示を実現していることがやはり大きなポイントだ。別途使用している古い液晶ディスプレイの表示と見比べると、よくあるPC用TVキャプチャーカードによるTV視聴と、普通の家庭用TVでの視聴を比べたときに感じる差のように、はっきり違う・これはきれいだと感じられる。

 TV視聴も、感度の高いCANチューナーの採用により低レベルの入力信号でもざらつきの少ない画像が得られる。もちろんゴーストリダクションや輝度/色信号のノイズリダクション回路も搭載されている。

 もう1つはオーディオ機能。ヤマハ製デジタルアンプとウッドスピーカーを採用する。よくあるノートPCに搭載される、出力が小さく、ちょっと離れると中音域(人の声など)くらいしか聞こえなくなるスピーカー出力とはひと味違う音響システムを備えている。

photo ヤマハ製デジタルアンプとウッドスピーカーを採用する

キーボードを隠すと、まさに家庭用液晶TVといったデザイン

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー