レビュー
» 2005年11月17日 11時30分 公開

ハイエンドに匹敵する機能と性能を備えたミドルクラスの複合機――PIXUS MP800 (1/4)

キヤノンの「PIXUS MP800」は、最上位モデル「PIXUS MP950」の1つ下に位置する複合機だ。プリントエンジンとCCDのスペックが落ちるものの、機能と性能は肩を並べる。価格面も含めて、今年の売れ筋になりそうな注目度の高いモデルだ。

[林利明(リアクション),ITmedia]

 先に掲載した「PIXUS MP950」のレビューでも述べたように、今年のキヤノンは複合機重視の戦略で、ハイエンドからエントリーまで整然としたラインアップを構成している。今回取り上げる「PIXUS MP800」(以下、MP800)は、ハイエンドのPIXUS MP950(以下、MP950)と比較して見劣りする部分がほとんどなく、機能と性能に軸足を置きつつも、コストパフォーマンスを高めたモデルだ。MP950と比較しながら進めていくが、プリントエンジンとCCDのスペック、筐体デザインを除くと、画質と速度が最大の比較ポイントとなる。機能面はほとんど同じだ。共通する部分については、MP950のレビューを参照してほしい。

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 MP800のプリントエンジンは今年の新型で、最小1ピコリットルと5ピコリットルのインクドロップを使い分ける仕様だ。インクは染料4色(C/M/Y/Bk)と顔料Bkの全5色となり、MP950が持つ染料低濃度インク(フォトC/M)が省かれている。新型の顔料Bkインクは品質が向上しており、黄色と黒の境界などで従来よりにじみにくくなったほか、一般的な蛍光ペンでマーキングしたときの「こすれ」も少なくなった。インクカートリッジも、赤色LEDでインク切れを知らせる新タイプだ。ただ、ノズル数はMP950と同数で、CとMが1024ノズル、それ以外の色が512ノズルだ。

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 イメージセンサーには、MP950と同じくデュアルCCDを搭載する。MP950は光学3200dpiと光学800dpiのCCDだが、MP800は光学2400dpiと光学600dpiのCCDだ。高解像度のCCDはおもにフィルムスキャン、低解像度のCCDはおもに反射原稿スキャンに使われる。光学解像度が低いCCDは感度が高いため、反射原稿スキャンやコピーの速度アップにつながっている。

 対応フィルムと最大連続スキャン数は、35ミリネガ/ポジの6コマスリーブ×1列、またはマウント×4コマだ。スリーブ用とマウント用に2つのフィルムホルダが付属し、両方とも原稿カバーの内部に収納しておける。最大連続スキャン数はMP950より少ないが、それほど大きな問題ではないだろう。

 また、フィルムスキャン時の最大光学解像度は、MP800の2400dpiでも困ることはない。35ミリフィルムを2400dpiでスキャンし、A4サイズまで拡大したとすると、スキャン画像の解像度は約300dpiになる。インクジェットプリンタや複合機で印刷する場合、画像の解像度は300dpi程度あれば十分とされているので、A4サイズまでの印刷なら光学2400dpiでこと足りる。ちなみに、35ミリフィルムをスキャンしてA3サイズで印刷するとき、約300dpiの画像解像度を確保するためには、CCDの光学解像度は3200dpi以上が必要だ。

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