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» 2005年12月08日 00時08分 公開

「RADEON X1000シリーズのDNAを継承」Mobility Radeon X1600発表

デスクトップ向けGPUがほどなくノート向けGPUとして登場するのがATIの定番。そしてやっぱり、新世代GPUの「Mobility」バージョンが投入された。その第一弾はミドルレンジの「X1600」である。

[小林哲雄,ITmedia]

ノートでは70%以上のシェア

 12月5日の米国発表にあわせて、12月7日に日本でもMobility Radeon X1600の発表会が行われた。ATIテクノロジーズジャパン代表取締役社長の森下正敏氏はモバイル市場の動向について「ATIは直近の10四半期で連続首位となる70%以上のシェアを占め、モバイル市場はデスクトップの3倍以上の伸び率」とATIが高い地位にあり、2カ月前にTOP-to-BOTTOMで発表したRADEON X1000ファミリーも好調であると述べた。

冒頭で挨拶とATIの状況を説明する森下社長

2003年第2四半期以降、70%を超えるシェアであることを強調

ノートPC市場の伸びは18%と高い

デスクトップのX1000シリーズをそのままモバイルに

 引き続きATIテクノロジーズジャパン マーケティング部 部長の信垣育司氏がMobility Radeon X1600の概要を説明した。Mobility Radeon X1600は次世代Mobility Radeonのトップバッターととなる「デスクトップX1000シリーズのDNAをそのままモバイルに持ってきた」(信垣氏)製品。ワット当たりのパフォーマンスが高いことが特徴であると信垣氏はアピールしている。

Mobility Radeon X1600の概要を説明する信垣 育司氏

Mobility Radeon X1600は次世代モバイルチップの第1弾であるが、発表会で示されたロードマップから判断すると、追加発表の時期も近いのではないだろうか

 Mobility Radeon X1600は90ナノメートルプロセスで作られておりトランジスタ数は1億5700万個、コアクロック475MHzと従来のMOBILITY RADEON(0.13マイクロプロセル)よりも2割近くクロック速度が向上している。しかし、低いコア電圧と高い歩留まり、そしてダイの底面積の削減によって低コストが実現できたとATIでは説明している。

 処理能力も競合他社の製品を凌駕し「一昔前のデスクトップ向けGPU並み」(信垣氏)となっている。また、AVIVOテクノロジーをサポートしており、2D画質も向上している。

Mobility Radeon X1600の構成。12本のPixelShaderパイプラインはデスクトップ用のRADEON X1600と同じ。ビデオメモリインタフェースは128ビット幅となっている

説明会で示されたパフォーマンス比較。ATIの資料によるとベンチマークPCの構成はIntel 915PM、Pentium M 770、DDR2-533MHz/512Mバイト×2ch。3DMark05は1280×1024ドット、4xAA 8xAnisoで測定している

 省電力機構「PowerPlay」もVer.6となった。このバージョンでは「DLCS」「Back Bias」と名づけられた機能が加わった。DLCSはAC動作時とバッテリー動作時でPCI Expressのレーン数をx16からx1まで落とすもので「これだけで1〜2ワットほど消費電力の差が出る」(信垣氏)という。クロックゲーティングも従来より細かなブロックに分けられている。

 Back Biasは微細プロセスで問題となっている「漏れ電流」による消費電力増を解決するための機能。低電圧、低電流をダイに印加することで漏れ電流を減らし消費電力を下げる。ATIのデータではおおよそ20%の消費電力軽減に繋がったという。ただし、この技術はパフォーマンスにも影響を与えるためMobility Radeon X1600のようなミッドレンジ製品のみ有効。そのため、上位/下位モデルには使われない、とATIは説明している

搭載ノートPCは「次世代プラットフォーム」で本格採用

 気になるMobility Radeon X1600搭載ノートPCは、まずASUSから「A7G」が登場する。17インチワイド液晶を備える大型ノートだが、残念ながら日本で発売される予定はない。その他のメーカーも対応製品を出す予定となっているが、その登場時期は近日中に発表される「新プラットフォーム」ノートPCになるそうで、発表会で具体的な製品の紹介はなかった。日本市場ではMobility Radeon X1600を搭載した製品は「春モデル」で姿を見せるのかもしれない。

 なお、発表会にはATI本社のPCビジネスユニット上級副社長であるリック・バーグマン氏が登壇し、来年のトレンドについて「viivや次世代DVDドライブの登場でPCと家電の融合が加速する」「Windows VistaやDirect X 10の登場によって新たな需要を生み出すだろう」と述べた。

発表会の途中で会場に持ち込まれたA7G。残念ながら日本未発売のモデルで欧州に出荷されるとのこと

ちなみに3DMark03は1024×768ドット、nonAA、nonAnisoの条件で「7100」超、1024×768ドット、4xAA、8xAnisoの条件でも「3200」超(CPUは2.0GHzのPentium M)

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