Intel、1月の主役は「Napa」と「Viiv」

» 2005年12月14日 14時59分 公開
[IDG Japan]
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 米Intelは、同社のプラットフォーム戦略の中で最も目立つ「Centrino」ブランドと、デジタルホーム構築という最も野心的な取り組みに関わる2つの大型製品を立ち上げる準備をしている。同社幹部が12月13日、明らかにした。

 第3世代のCentrino技術「Napa」は、1月の発表に向けてほぼ準備が整っている。同時期に、IntelとそのパートナーのPCメーカーはエンターテインメントPCプラットフォーム「Viiv」の立ち上げと大規模プロモーションも行う計画だ。どちらの製品も、1月第1週に開かれる2006 International Consumer Electronics Show(CES)でのIntelの発表で中心的な話題になるだろう。

 Intelは既にNapaの詳細情報をかなり明らかにしている。NapaはデュアルコアモバイルCPU「Yonah」と、Intel Mobile 945チップセット、Intel Pro/Wireless 3945ABGを組み合わせたもの。しかし同社モバイルプラットフォーム部門のマーケティングディレクター、キース・クレシン氏はこの日初めてNapaの性能値に触れ、社内テストに基づくと、Napaは現行版のSonomaよりも68%性能が高いはずだと明らかにした。また、Napa搭載ノートPCの消費電力はSonoma搭載機より28%少ないという。

 加えて、NapaベースのノートPCの方がスマートなワイヤレスチップを搭載しているとクレシン氏は言う。例えば、NapaベースノートPCは最も強い信号を発するアクセスポイントを探す代わりに、最も空き帯域があるローカルワイヤレス接続を見つけようとする。信号が強いアクセスポイントは多くのユーザーを抱えているかもしれず、帯域が大きいアクセスポイントの方が、ユーザーは高速にネットワークに接続できる。

 IntelはNapa搭載ノートPCのパートナーや顧客を見つけるのに苦労しないだろう。既に世界中のノートPCメーカーが230種以上のデザインを計画しているとクレシン氏は言う。だが、同社のViiv戦略の道のりはもっと厳しいかもしれない。リビングルームでは、家電、PC、デジタルコンテンツの世界がぶつかり合っている。

 Viivは、PCメーカーにチップ一式を販売し、包括的な広告キャンペーンでプロモーションを支援するCentrino戦略をモデルにしている。マーケティングを支援してもらうためには、PCベンダーはIntel指定のコンポーネントをすべて使わなければならない。Viivの場合は、IntelのデュアルコアCPU、幾つかあるマルチメディアチップセットのうち1つ、ギガビットイーサネットワーキングチップ、MicrosoftのWindows XP Media Center Edition、そのほか高精細オーディオや瞬時のオン・オフを提供するためのコンポーネントを使わなくてはならない。

 Intelは、Viiv対応を意識して設計されたデバイスやアプリケーションに認定を与え、コンシューマーが簡単にホームメディアネットワークを設置できるようにする計画だとViivテクノロジープログラムマネジャー、マーリン・キスター氏は説明する。既にViivプログラムの中でMovielinkやBritish Sky Broadcastingなどの数十のアプリケーション、サービスが認定を受けており、2006年には認定製品はさらに増える見込みだ。

 Viivで使い勝手の良さを実現することは、Intelがリビングルームで成功するのに欠かせないとキスター氏は語る。それと同じくらい重要なのが、コンシューマーが著作物を自由に交換できないことをコンテンツ会社に保証し、その一方でコンシューマーに、手持ちのデバイス間でコンテンツを移動させ、バックアップを取る権利が与えられることを納得させる微妙な綱渡りだと販売・マーケティング部門のデジタルホームブランド担当ディレクター、シャーロット・ランプレヒト氏は話す。

 これまで主要コンテンツ企業は、PCを中心としたデジタルリビングルームを構築し、インターネット経由で有料コンテンツを提供するというIntelとMicrosoftの構想を支持するのに二の足を踏んできた。しかし2006年は、複数のコンテンツ企業が、デジタルコンテンツのダウンロード提供に関する発表を行うとIntelの販売・マーケティング部門上級副社長兼ジェネラルマネジャー、エリック・キム氏は語る。新しいIntelパートナーのApple Computerはこの分野でもっと成功を収めており、ABCやNBCなどの米国のテレビネットワークと、人気テレビ番組をiTunes Music Storeで販売する契約を結んでいる。

 キスター氏によると、IntelはCATVや衛星放送にもViiv PCをコンテンツの配信手段として受け入れてもらおうと考えている。Viiv PCはCATVや衛星放送のフィードを受けるセットトップボックス(STB)からコンテンツを受信できるが、初期のバージョンには、ComcastやDirecTVのプロテクト付きデジタルコンテンツストリームに直接対応するポートがないという。

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