MCO-30のマウスドライバ・ユーティリティツールは「SetPoint 2.4」。ある部分ではマイクロソフト製品とは対照的なイメージだ。
インストール時にレガシーなポインティングデバイス(ノートPC内蔵のPS/2接続ポインタ)を検出すると、USB接続されたデバイス(つまり今回導入するようなUSBマウス)に対してだけ有効になる仕組みとなっており、ノートPCの内蔵ポインティングデバイス(厳密にいえばPS/2接続の)と共存できることが前提になっていると思える仕様となっている。これは内蔵ポインティングデバイスの特別機能を無効にすることなく、同製品固有の機能も問題なく利用できるメリットがある。ポインタのスピードなども別々に設定できるため、内蔵ポインティングデバイスと同製品とを最適な設定で使い分けられるのである。
ポインタ速度、加速度、ホイール操作時のスクロール量といった一般的な調整ができることはもちろん、横スクロール速度を左右個別に設定できる機能はおもしろい。たとえば横に長いExcelスプレッドシートなどは左から右に眺めていくのが一般的なので、眺めながら右に移動するときはゆっくり、左に移動するとき(つまり元の表示位置に戻すとき)はすばやく、といった設定ができる。
ボタンカスタマイズは、基本左右ボタンのほかホイールのセンターボタンとチルト操作に対しても任意の機能割り当てが行えるのが特徴だ。チルトホイールにもスクロール以外の機能を割り当てられることがマイクロソフト製マウスユーティリティと大きく異なる点で、それを有効に利用できる。筆者も横スクロールを多用することはあまりないタイプなので、右チルトにブラウザの「進む」、左チルトに「戻る」を割り当てて使用している。とくにもっともよく使うアプリケーションの1つであろうWebブラウザでは直感的に利用できて非常に便利だ。これはInternet Explorerはもちろん、Firefox 1.5でも問題なく利用できた。ただその反面、アプリケーションごとにボタンの機能を割り当てられる機能は搭載されていない。小型ゆえボタン数が少ない傾向のモバイルマウスだからこそ、この機能は欲しいのだけれども……。
ロジクール製品らしいと思わせる機能は、ゲームソフトを自動検出するゲームモードを搭載することだ。ゲームモードでは、ドライバによる各種設定をゲームプレイ時において無効にすることが可能となっている。実際のところこのモデルにおいて、この機能が重宝するというユーザーはそう多くないとは思われる(ゲーマーなら、同社「G」シリーズをおすすめしたい)が、いまどきはネットワークゲームなども無線LANスポットで楽しむ人はいるし、ゲームにおいてはマウスの重要度もかなり高いため、なかなか気の利いた機能とはいえる。
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