一方、内藤氏はThinkPad X60/T60の開発ポイントや新ThinkPadに採用されたテクノロジを解説。社内では1999年までのThinkPadを第1世代、2000年から2005年までを第2世代と呼び、今回のX60とT60を含めZ60以降を第3世代と規定しているとのエピソードを披露した。
第3世代のメッセージは第一に「スピード」と述べ、デュアルコアをはじめとした高速なCPUや高速グラフィックス機能の搭載、PCI Expressの採用といった例を挙げた。同時に堅牢性と冷却性能の向上にも触れ、具体的にはT60でThinkPad Roll Cageと呼ばれるマグネシウム合金製のフレーム構造を導入し、強度のアップと基板へのストレス減少を実現。T60ではボディの剛性が約20から50%向上し、マザーボードへの負荷が約40%減少したという。
逆にX60ではThinkPad Roll Cageを用いず、本体底面のマグネシウム合金カバーをX41シリーズよりも0.1ミリ薄い0.7ミリ厚にしながら、Hoverデザインの導入で強度を高めた。これはマザーボードをボディ底面中央付近でネジどめせず、四隅で固定することにより、外部からの衝撃を直に基板に伝えないのがポイントだ。
冷却面では、T60で背面のパラレルポートを省いて排気口とし、あわせて冷却ファンの形状に手を加えることで、静音性を維持しながら排気性能の向上を達成した。
X60ではマザーボードのデザインを一新して、面積比で25%もの削減に成功。これにより、冷却システム(ファンとヒートシンク)の大型化(=冷却性能の向上)が可能となった。
なお、本モデルからドッキングステーションやポートリプリケータなどがPCI Express接続の新タイプに変更され、これらの面でも世代交代が進んでいることを強調した。
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