神奈川・横浜で2月24日より、「エレクトリカル・ファンタジスタ 2006」が開催されている。IT時代のライフスタイルに磨きをかける芸術家=ファンタジスタらにより、五感で実感できる作品・ヒップテクノロジーをアートに昇華させたアートエキシビジョンイベントとなっている。
主催はクリエイティブクラスター。後援に横浜市とCG-ARTS協会、そして協力としてソリッドアライアンス、PBJ、情報工房、BankART1929(会場)らが名を連ねる。
芸術文化都市を目指す横浜市では現在、経済産業省とともに、アートとデザインによる新たなIT家電や機器について、同市内の“ものづくり企業”と“ファンタジスタ”らとのコラボレーションを実現する「Y'イノベーション」というプロジェクトが進められている。
アヒル、スシ、えびふりゃあUSBメモリやお化け探知機などをリリースするソリッドアライアンスも横浜市を本拠地とする企業だ。この「Y'イノベーション」により、今後どのような製品が生まれてくるのか・想像されているのかをかいま見ることができる。
会場は、Positive Living(ZONE 1)/Game is Life(ZONE 2)/Electrical Lounge(ZONE 3)/Flash Fantasista(ZONE 4)と、計4つのゾーンに分けられ、各々の展示が行われている。
まずは「tabby」。SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)のメディアデザイン・ユビキタス研究をフィードバックし、かたちにする研究者・メディアデザイナーである植木淳朗氏による、生き物のようなオブジェのようなITインテリアだ。
周りの様子を察知するセンサーを搭載し、人が近づくと呼吸するかのように膨らんだり、反応するかのように色が変わる。内部にセンサーのほか、それに連動するファンやLEDが内蔵されている。USB接続によるPC周辺機器化も想定されているという。
次は「PARO」。ロボットによる癒しやメンタルな効果を研究する、産業技術総合研究所研究員 柴田崇徳氏による製品だ。アザラシを模したその愛らしい「PARO」はすでに介護の現場を中心に実用化されており、その癒しの力はロボットの新たな領域として注目されている。柴田氏の故郷である富山県の企業間で連携してつくられた「知能システム社」により手作り生産され、全国の主要百貨店などにて販売もされている。価格は30万円前後。
「Fuwa Pica」は、視覚と触覚との相乗効果による心地よさと美しさを追求するデザイナー 八木澤優記氏と先端デバイス技術をメディアアートに昇華させる松山真也氏により生まれたアートプロダクト製品群である。
握ることで電源が入るインテリアライトや、座ると内部が点灯するいすが展示される。これらには特許技術となる空気圧センサーが採用されている。ライトなどは小型化させたPC周辺機器ほか、アート的雰囲気を持つ実用製品としてリリースされる可能性も高い。
「hanahana」は、光と陰によるインタラクティブアート作品を生み出すmimim++氏、筧康明氏らによるplaplax社が創造した、においを視覚化できる機器だ。
香りを葉っぱを模した紙に吹き付けて本機にセットすると、その香りに合わせた映像があでやかに投影される仕組みとなっている。本機にはにおい感知センサーが搭載され、PCにて制御されていた。
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