きょうはASUS「A8R32-MVP DELUXE」でRADEON XPRESS 3200の「デュアルX16」を試してみたチップセット(1/2 ページ)

» 2006年03月01日 23時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 ATIが発表したデスクトップPC向けチップセット「RADEON XPRESS 3200」はAMD64プラットフォームに対応したノースブリッジに相当する機能を持つチップで、従来のATI製チップセットと同じくサウスブリッジと「Alink2」バスで接続する。そのため、RADEON XPRESS 3200は、これまでRADEON XPRESS 200シリーズで使われてきた「IPX400」やULiの「M1575」などがそのままサウスブリッジとして利用できる(なお、“for Intel”バージョンの存在や登場時期についてATIは明言を避けている)。

 RADEON XPRESS 3200はATIのマルチGPU技術「CrossFire」に対応するが、RADEON XPRESS 200 CrossFire Editionと異なり、2つのグラフィックスカード用スロットがどちらも「PCI Express X16」レーンとなっている(RADEON XPRESS 200 CrossFire Editionのグラフィックスカード用のPCI Expressスロットは基本的にX16とX8の組み合わせで、マザーボードによってはX16とX12の組み合わせが可能になっていた)。

 マルチGPU技術で使われる2つのグラフィックスカード用PCI Expressスロットがどちらも「X16」であるチップセットとしてNVIDIAのnForce4 SLI X16がすでに出荷されている。どちらも2つのPCI Express X16スロットを持つチップセットであるが、RADEON XPRESS 3200では2つのPCI Express X16を接続する「XPRESS Route」を設けることで2枚差ししたグラフィックスカードの間で効率よくデータの転送ができるようになったと、ATIは説明する。

2つあるPCI Express X16を結びつける「XPRESS Route」によって効率の高いデータ転送を実現したことがRADEON XPRESS 3200の特徴だ

「RADEON XPRESS 3200はデュアルX16を正しく実装している」「nForce4 SLI X16のインプリメンテーションはRADEON XPRESS 3200より非効率」と主張するATIは、その根拠として市販ゲームを使ったベンチマークによる「X16」「X8」の組み合わせと「X16」「X16」の組み合わせとの相対結果を示している。

RADEON XPRESS 3200に実装されたデュアルX16の効率の高さを説明するために、「X16」「X8」で測定したベンチマーク結果を基準とした「X16」「X16」の相対結果をATIは示した。ゲームタイトルによってnForce4 SLI X16の結果は「X16」「X8」より低くなっているが、RADEON XPRESS 3200は総じて高い値である

 ATIのデータでは優れた性能を示しているRADEON XPRESS 3200の「デュアルX16」だが、自分で試してみなければ分からない。というわけで、RADEON XPRESS 3200を載せたマザーボード「A8R32-MVP DELUXE」を使ってXPRESS Routeの効果を調べてみた。

 比較用マザーボードは同じASUSのRADEON XPRESS 200マザー「A8R-MVP」を使った。グラフィックスカードはRADEON X1900 CrossFire EditionにRADEON X1900 XTXを組み合わせている。なお、ドライバはATIのWebページでダウンロードできる最新のCatalyst 6.2を適用した。

RADEON XPRESS 3200を搭載したASUSのA8R32-MVP DELUXE。3月1日から出荷され実売価格は2万6000前後になる予定。サウスブリッジにはULiのM1575を搭載する。オンボードチップでRAID 0、1、0+1、5をサポートし、RealtakのALC882で8チャネルオーディオを、Maevellの88E8053と88E8001でデュアルのギガビットLANをそれぞれ実現する多機能なマザーボードだ。A8R-MVPよりPCI Express X16の間隔が広くなってRADEON X1900を2枚差しても空間ができるようになった。なお、CPUに近いスロットが「マスター」になったのでCrossFireを構成する場合に注意が必要だ
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