では、新たに追加された機能である、mAgicTV5での使用感をチェックしてみよう。
同社キャプチャー製品のユーザーであれば、まったく同じ感覚で使用できるのがメリットの1つとなろう。録画予約を行う「mAgicガイド」にてADAMS-EPG+から取得した番組表の閲覧や録画予約が行え、キーワードやジャンルなどを設定し、関連する番組をすべて録画できる「おまかせ録画」にも対応する。同機はダブルチューナー仕様であるため、同一時間に別々のチャンネルを同時録画することもできる。画質設定も、もちろんmAgicTV5上から行える。録画・視聴時のビットレートや、ゴーストリダクションの有効/無効、3次元Y/C分離、ノイズリダクションの効かせ具合などの調整も可能だ。
さて今までの接続形態とは異なるLAN接続タイプの製品であるいうことで、チャンネル切り替えや録画開始といった操作時のレスポンスが気になるところだ。
チャンネルが切り替わるまでのタイムラグは、有線LAN(100BASE-TX)接続時で1、2秒程度。家庭用TVほどのレスポンスではないが、PCI接続でのTVキャプチャーカードと比べると大きく差はない。いっぽう、手動操作による録画開始までの時間は10秒程度で、こちらはちょっと長めではある。ただし多くは予約録画にて操作するだろうから大きく気にすることはないだろう。予約録画時はほぼぴったりの時間から録画が開始される。総じて、とくに気になる不満は感じなかった。
さて、予想に反してなかなか快適な操作感ではあったが、注意すべきところは、mAgicTV5で本機を利用できるPCは1台だけだということである。複数のPCにmAgicTV5をインストールしても、それらPCからはLinkTunerをデバイスとして認識できないため、視聴も録画も行えない。これは該当PCのmAgicTV5を終了しても、電源をオフにしても、もちろんLANから切り離しても同じだ。mAgicTV5を利用するPCを変更したい場合には、LinkTuner本体をハードリセットする必要がある。リセット後、最初にアクセスしてきたPCのみがmAgicTV5での利用を許されることになるわけだ。
この部分は困惑の原因となりえるし、やや不便な部分かなと思う。家庭内のPCいずれでも、使いやすくレスポンスもよいmAgicTV5で活用したい。今後、ソフトウェアやファームウェア類、あるいは仕組みの改善を期待したいところだ。
mAgicTV5を利用した番組視聴や録画は、1台のPCからしか利用できない。複数のPCでTV視聴を行う場合には、付属するDLNAクライアントソフト「DiXiM Media Client」を利用する。なお同社製ネットワークメディアプレーヤー「AVLP2/DVDG-2」などのDLNAクライアント対応機器でも利用が可能だ。TVチューナーを搭載しないノートPCで活用したり、アンテナ端子のない部屋でもTV機能を追加する利用方法が考えられる。
視聴時の画質設定やチャンネル切り替えなどは、付属ソフト「AVLTFinder」からブラウザ操作によるWebツールを使用してを行う。ビットレートは2Mbpsから15Mbpsまで、0.1Mbps単位で設定できる。こちらはチャンネルごと/すべて一括どちらでも設定可能だ。画面解像度は、720×480ドットのFull D1と、352×480ドットのHalf D1の2種類から選べる。有線LAN(100BASE-TX以上)で使用する場合には、Full D1/12Mbpsといった高いビットレート設定であっても、コマ落ちするようなこともなく快適に利用できる。
ただし、DiXiM Media Clientの使用感はというと「かなりストレスがたまるほど」である。mAgicTV5利用時と比べると、明らかに遅い。チャンネル切り替えには10秒近い時間を要し、ザッピングしながら見たい番組を探すときなどはかなり煩わしい。PCで使用するならば、TV番組表サイトなどであらかじめ見たい番組をチェックしておいてからDiXiM Media Clientで視聴するなど、ちょっとした工夫を必要とする。
もう1つ残念な部分として、DiXiM Media ClientおよびAVLTFinderは、Windows XPのみの対応であるということだ。筆者の所持するWindows 2000搭載ノートPCでは利用できなかった。同機を活用すれば使用しなくなったノートPCをパーソナルTVとして生かす方法も大いに想定できるので、できればWindows 2000対応のクライアントソフトを用意してくれるとありがたい。
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