このテストではTMPGEnc3 XPressを利用して、8MbpsのMPEG-2ファイルを3MbpsのWMVファイルに1パスでトランスコードする時間を計測し、その時間でフレーム数を割ってフレームレートを求めている。
この結果もAthlon 64 FX-60がPentium XE 965を上回っている。現時点のTMPGEnc3 XPressでWMVへの変換において4スレッドの割り当てがうまく行われていないことにこの原因があるようだ。テスト中のCPU負荷率を見ていてもPentium XE 965ではCPU負荷率が100%にならない。このあたりを改善するには、今後アプリケーション側で4スレッドへの最適化が行われる必要があるだろう。
MAXON ComputerのCINEBENCH 2003は、3Dの画面をレンダリングすることでCPUの性能を計測するベンチマークプログラムだ。レンダリングはシングルCPU時とマルチCPU時の両方が計測される。
ここでマルチCPU時の性能をチェックすると、Pentium XE 965はAthlon 64 FX-60を上回る結果を示している。こうしたレンダリング系のソフトウェアはCPUの性能がダイレクトに発揮されることになるが、4つの論理CPUというPentium XEの特徴が最も表れやすいソフトウェアといえるだろう。それゆえに、このテストでPentium XE 965がAthlon 64 FX-60を超える結果を出したと考えることができる。
Futuremarkの3DMark03は、3DゲームのベンチマークでDirect X 9に対応した最初のゲームベンチとして長らく使用されている。3DMark03の総合スコアである3DMarkでは、若干の差はでるものの基本的にどのCPUでも大きな差はない。3DMarkはGPUのウェイトが重くCPUの違いであまり結果の差が出ないためだ。
3DMark03を利用してCPUの性能を見るには、3DMark03 CPU Scoreを参照すればよい。ここではAthlon 64系がPentium系を大きく上回っている。
Futuremarkの3DMark05は3Dゲームベンチマークの定番で、シェーダモデル3.0という最新のプログラミングモデルに対応している。こちらも総合スコアである3DMarkで大きな差は出ていないが、CPU ScoreではPentium XE系がX2を含むAthlon 64系を大きく上回っている。3DMark05のCPUテストにはマルチスレッド系の処理が含まれている。これが結果に大きな影響を与えているといえるだろう。
DOOM3とFarCryはいずれも定番、かつ“重い”と言われている3Dゲームだ。だが、いずれの結果でもあまり差はでていない。これらのゲームでもGPUへの負荷が重すぎてCPUはほとんど仕事をしていない状況になっているためだ。従って、この結果は参考程度と見ていいだろう。
Final Fantasy XI Official Benchmark 3 Version 1.0は、スクウェア・エニックスの定番MMORPGであるFinal Fantasy XI向けのベンチマークプログラムで、Final Fantasy XIをやる場合にいかに快適にできるかを示している。
このテストの場合、デュアルコアかシングルコアかはあまり結果に影響せず、同じアーキテクチャである場合は動作クロックが結果に影響する。このテストでは全体的にAthlon 64系が優れた性能を発揮している。
Athlon 64 FX-60とPentium XE 965は、SYSmark2004 SE Office Productivity、CINEBENCH 2003、3DMark05 CPU ScoreでAthlon 64 FX-60を上回り、逆にSYSmark2004 SE Internet Content Creation、TMPGEnc、3DMark03 CPU Score、Final Fantasy XI Official Benchmark 3で下回った。従来のようにAthlon 64 FX-60が圧倒的に勝利するといった状況から、ほぼ互角、もしくはややAthlon 64 FX-60が有利という状況に形勢が動いたと見ることができるだろう。
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