富士通のFMV-BIBLO LOOX Pシリーズは、コンシューマ向けでは数少ないタブレットPCだ。従来どおり、専用のペンが必要な電磁誘導方式デジタイザを内蔵せず、感圧式のタッチパネルを搭載することで、気軽に指先でオペレーションできるのが最大の特徴だ。
主要なスペックは春モデルから変更はなく、CPUは超低電圧版のPentium M 753(1.20GHz)、チップセットはIntel 915GMS Express、メインメモリは512Mバイト(PC2-3200)、HDDは30Gバイトという構成だ。OSはWindows XP Tablet PC Edition 2005で、液晶ディスプレイには1024×600ドット表示に対応した8.9インチワイドタイプを採用する。標準バッテリー装着時の重量が990グラムと軽量であるのも従来どおりだ。
2006年の春モデルで初めて登場したばかりということもあり、今回の変更点は非常にわずかだ。具体的には、これまでオプションで販売されていた大容量バッテリーの「バッテリパックL」が標準で付属したにとどまる。
このバッテリパックLは、標準バッテリーの2倍にあたる容量10.8ボルト5200mAhのもので、バッテリーの駆動時間も約8時間と標準の4時間を大きく上回る。そのぶん、重量は160グラムほど増え、バッテリー部分がボディから約18ミリ出っ張ってしまう。とはいえ、十分に小型かつ軽量であり、用途に応じてバッテリーを選べるのは朗報と言えるだろう。
キーピッチ16ミリ、キーストローク2ミリの日本語86キーボードや、液晶部にある5つのタブレットボタンと指紋認証センサにも変わりはない。
A5ファイルサイズの小型ボディながら、インタフェースは意外にも豊富に用意されている。左側面にはSDメモリカードスロットやタッチペンの挿入口とUSB端子が、右側面にはCF TypeIIとUSB端子のほか、サウンド端子が並ぶ。さらに背面には100BASE-T対応の有線LANとFAXモデム、アナログRGB出力端子がある。
バッテリパックLを装着すると1キロを超えてしまうが、標準バッテリー搭載時は約990グラムと軽量であり、常に持ち運んでも負担は少ない。企業用途での利用が多いタブレットPCだが、パッケージにはUSB接続のDVD/CD-RWコンボドライブが付属するのに加え、DLNAガイドラインに準拠したMyMediaを使えば、ネットワーク上の動画や音楽、写真ファイルを手軽に楽しめるなど、AV機能も備えており、家庭での利用にも配慮されている。
実売価格は23万円前後と従来モデル登場時を維持しており、これに1万3230円のバッテリパックLが標準で同梱されることを考えると、確実にコストパフォーマンスは上がっているのが分かる。
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