ええ加減にせぇや〜! と威嚇する機密管理ツール「FILSAFER PC-CARD」プロフェッサーJOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと」!(2/4 ページ)

» 2006年05月09日 20時39分 公開
[竹村譲,ITmedia]

 数年前まではオプションとしてPCカードの形状で提供されていた拡張機能の多くが、PCの機能戦争の結果、それら多くの機能がPCの基本機能として本体に含まれ、PCカードで拡張しなければならない機能は、ごく特殊な例を除いて思い浮かばない。しかし、多くのモバイルPCにはPCカードスロットは装備されており、使う当てのないスロットは放置されているのが実際だ。セキュリティ論争華やかな現在、モバイルPCの空きスロットは、「FILSAFER PC-CARD」のためにあると思っても良いかも知れない。

photo 昨今のモバイルPCにもTypeIIスロットは付いているが、今や使う当てがないケースが多い。「FILSAFER PC-CARD」のためにあるような感じすら受ける
photo TypeIIのPCカードとして提供され、機密管理機能の自信の程が、標準添付のステッカーにも現れている!?

 どちらかと言えば、昨今では珍しいPCMCIA TypeIIカードの形状で提供される「FILSAFER PC-CARD」は、内部に「加速度センサーチップ」と「小型スピーカー」、「小型充電池」とそれらを制御・管理する「論理機構」が一体となった「パソコン盗難防止センサーPCカード」だ。構造的には、空港などのターミナルでの「置き引き防止」を前提に作られたラゲッジ専用の盗難防止装置と同じジャンルだが、遙かにハイテクノロジーな確実さと、使って楽しい仕掛けが盛り込まれている。

 モバイルPCの電源がオンの時もオフの時も有効でなければならないので、PCカードは、モバイルPC本体のPCカードスロットから適時電源供給を受け、カード内部の充電池に蓄電して動作する仕組みだ。

photo モバイルPCからの電源供給なしに、カード単体でも動作し、内部に充電池、内蔵スピーカー、モーションセンサー、そして、それらを統合管理する論理回路が内蔵されている。モバイルPCの盗難時には、丸い3つの穴から大音響が響き渡る
photo 「FILSAFER PC-CARD」内蔵の充電池は、モバイルPCのPCカードスロットに挿入されている間に充電され、充電状態をアプリケーションからモニター可能だ

 「FILSAFER PC-CARD」を取り付け、持ち主により「監視モード」に設定されたモバイルPCが第三者に移動、もしくは窃盗された場合、「FILSAFER PC-CARD」内の加速度センサーが移動による振動を関知し、最初は「警告音」を発するが、振動があらかじめ指定した「境界値」を超えて連続的に関知されると、持ち主により設定された110デシベルもしくは85デシベルの大きな警報音を発して、システムを自動的にシャットダウンしてしまう。

photo 盗難時のアラーム音を110デシベルと85デシベルの2種類から選択できる。インパクトのあるのはもちろん110デシベルであり、筆者の場合は躊躇は無かった

 警告音を止めるには、事前に持ち主が設定した16桁の緊急パスワードを入力する必要があり、もちろん、「FILSAFER PC-CARD」を抜き取っても警告音は止まず、モバイルPCから緊急パスワードすら入力出来なくなってしまう。モバイルPCをまんまと盗んだ人間が、内部のハードファイルにアクセスするには、もはや16桁の緊急パスワードを入力する以外に解決する方法は用意されていないのだ。

 16桁の緊急パスワードを入力するというシチュエーションは、持ち主にとってもなかなかクリティカルな状況だ。緊急パスワードの入力を2度間違うと、今度は、インストール時に決めた「復元用の質問と回答」を入力する画面になってしまう。これ自身は、パスワードなどのリカバリー時によくある「ペットの名前を入力する」とか「母方の姓を入力する」と言ったポピュラーなモノではあるが、無事通過しても再初期設定が必要となる。もちろん、このリカバリーにも失敗すると、警報音も止まらずモバイルPCの再起動も不可能となる。

 「FILSAFER PC-CARD」をPCカードスロットに挿入し、何も指示しない限り、「平常モード」という非武装状態となる。そして、通常、モバイルPCを図書館の机やWiFiの使えるスタバのカウンターテーブルに置き去りにして席を外す時には、持ち主が「監視モード」と呼ばれるArmed(武装)に設定をする。設定変更は、起動中で、作業中のモバイルPCであれば、タスクトレー上のアイコンをクリックしてモード切り替えが可能だ。

photo 「FILSAFER PC-CARD」は、Secure Digital Storage Deviceとして認識される
photo 監視モードに入る状況設定をユーザーが、初期指定できる
photo カード内部のモーションセンサーのセンシティビティの設定を行う。しきい値を低くすれば、ちょっとした移動や傾きでもセンサーが感知し、アラームを鳴らす

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