従来のVAIO type U、例えばVGN-U71Pの重さは550グラム。対するVGN-UX50の重さは520グラムでその差はわずか30グラムにすぎない。だが、VGN-UX50を持った感じは従来のVAIO type Uよりはるかに軽い。筆者が「VGN-U50」を最初に持ったとき、(当時としては)コンパクトな見かけにもかかわらず、その「ズシッ」とした重さのインパクトは大きかった。
VGN-UX50は従来のVAIO type Uよりも縦横の長さがコンパクトになった(横方向は約17ミリ、縦方向は約13ミリ短くなっている)が筐体の厚みが増して(VGN-U71Pの厚さが26.4ミリであるのに対してVGN-UX50は最厚部38ミリに達する)いるために、いささか「ずんぐり」した格好に見えるが、手にしたときに「おっ、意外と軽い」と驚く。
従来のVAIO type Uと同じようにVGN-UX50も画面表示を90度回転させて縦長に持った状態で使うこともできる。もちろん筐体の回転にあわせて操作ボタンの機能が自動で切り替わる。この状態でユーザーは片手でVGN-UX50を持つことになるが、さすがにこの状態で使いつづけるのは普段運動で鍛えていない筆者にはしんどい。
しかし、両手で持つ分にはわずか20グラムしか軽くなっていないのにずいぶんと楽に使えるようになった。その理由の1つが「ずんぐり」に見えるVGN-UX50の形態にある。ある程度厚みがあるので手で握って持ちやすいのだ。さらに、VGN-UX50には筐体の左右を前面に跳ね上げることで(筐体断面がU字のようになる)よりグリップしやすい形状にしている。
筐体のボタンは両手で持った状態で操作しやすい位置に配置されている。液晶ディスプレイの右側にスティックポインターを設けて左側にクリックボタンがあるのは従来のVAIO type Uと同様。しかし、従来モデルでスティックの形状をしていて細かい位置合わせや長時間の操作が困難だったポインティングボタンはVGN-UX50では大きいゴムカバーが取り付けられたことで使用感は格段に向上した。ゴムカバーの表面も凹凸のモールドが刻まれていて指の腹にしっかりグリップするので指の動きにたいする追従性も良好だ。細かいポイントにカーソルを合わせたいときでもストレスはたまらない。
クリックボタンも従来モデルで横に並んでいたクリック、サブクリックボタンが指の動きにあった縦方向に並んでいる。クリックボタンが一番上に配置されたことでこちらも操作性が向上している。また、スティックポインターとクリックボタンが配置されている部分が曲面になって盛り上がっているため、筐体を「握った」手の形のまま自然に親指がボタンを押せる。
ポインティングデバイスの追従性にやや難があった従来のVAIO type Uではスタイラスペンが必須であったが、VGN-UX50はスティックポインターの追従性が良好であることやポインティングボタンとクリックボタンが自然に押せる筐体形状のおかげでスタイラスペンを必要と感じることがほとんどなかった。実際、評価作業においても多くの時間をポインティングボタンで済ませている。ポインティングデバイスの操作からキー入力まで「両手で握ったまま」の姿勢で行えるわけで、地味ながらこのことがVGN-UX50をとても使いやすいデバイスにしてくれているのだ。
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