低消費電力と高速起動を実現する「ハイブリッドHDD」がWinHECに登場:WinHEC 2006(1/2 ページ)

» 2006年05月25日 00時06分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]

Samsungの「ハイブリッドHDD」とフラッシュ型ドライブ装置「SSD」

 WinHEC 2006の大きなテーマの1つが、メモリやドライブのアクセスにかかる時間の短縮だ。OSだけでなくハードウェアにも改良を加えることで、HDDのシーク動作などの待ち時間を減らしてユーザーにかかるストレスを低減させるのが狙いだ。

 そこで期待されるのがフラッシュメモリを活用したドライブアクセスの高速化である。近年、東芝やSamsungを中心とするNANDメモリ陣営を中心に半導体メーカー各社のフラッシュメモリ市場への参入が相次いでおり、メモリの大容量化や低価格化が急速に進みつつある。HDDほどの大容量化はまだ難しいものの、代替品として活用可能なレベルの一歩手前までは到達している状態だ。フラッシュメモリでは、従来型HDDよりも高速アクセスや低消費電力化が可能である。IntelやMicrosoftなどはこの特性を活用して、PCの起動時間を数秒単位まで縮める装置の開発を進めている。

 フラッシュメモリ市場のけん引役も担っている韓国のSamsungではフラッシュメモリを活用した「ハイブリッドHDD」と「SSD」(Solid State Drive)という2種類のデバイスをWinHECでデモストレーションしていた。SSDの「Solid State」とは「半導体素子」、つまり半導体メモリを活用したドライブ装置のことである。大容量の保存媒体を期待するユーザーには向かないものの、その高速性や低消費電力は、デスクトップPC用のドライブの1つとして搭載することでOSやアプリケーションの高速化を実現したりノートPCやUMPCなどの携帯デバイスに搭載することでバッテリ持続時間を向上させたりと、いろいろなメリットをもたらしてくれそうだ。

 現在のところ高価格で大容量化が難しいというSSDに対し、HDDとフラッシュメモリのメリットをいいとこ取りしたのがハイブリッドHDDだ。主記憶装置としてのHDD以外にフラッシュメモリも搭載しており、このフラッシュメモリは装置全体のキャッシュのように動作する。よく使われるデータはフラッシュメモリ上に格納されることでハイブリッドHDD全体としてみれば、アクセス速度や消費電力効率が格段に向上することが期待できる。

昨年のWinHECの基調講演でも紹介された「ディスク+フラッシュメモリ」のハイブリッドHDDが展示されていた。これはSamsungのもので、80GバイトのHDDに256MバイトのNAND型フラッシュメモリが搭載されている。HDDはプラッタ容量が変更可能なほか、フラッシュメモリの容量も最大512Mバイトまで変更できるようだ。フラッシュメモリがキャッシュ的に動作することでHDDのリード/ライトやシーク速度を高速化し、情報アクセスでの待ち時間を減らすことが可能になる
ハイブリッドHDDで使われているフラッシュメモリを組み込んだ小型モジュール「GigaCube-H」。小型チップの上にフラッシュメモリやコントローラとなるプロセッサが組み込まれている

同じくSamsungブースで紹介されていたフラッシュメモリのみで動作するドライブ装置「SSD」(Solid State Drive)。1.8インチのHDDをそのまま換装可能で、SSDを組み込んだノートPCは低消費電力でより高速動作が可能となる。衝撃への耐久性が高い点もメリットとして挙げられるだろう。従来型HDDとの機能比較デモはWinHECの基調講演でも紹介されており、数倍近い性能を示している
SSDを組み込んだノートPC。UMPCのような小型軽量ノートPCでは、そのサイズや重量上の制約から搭載するバッテリーの容量も小さくなりがちだ。SSDを活用することで高速動作が可能になるだけでなく、バッテリー持続時間の向上も期待できる。SSDの難点はフラッシュメモリの市場価格からくるコストの高さで、同容量のHDDの倍以上の価格が見込まれる。また、いまのところ大容量化がHDDに比べて難しいため、最大容量も32Gバイトまでとなっている

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