表示性能でもう1つ特筆すべきは、その明るさだ。
従来のラインアップの傾向では、“2000”番台のモデルは小規模の会議室やホームユース向けという位置付けだったが、本機に限っては当てはまらないかもしれない。なにしろ公称で3000ANSIルーメンもの輝度がある。
今回は14、5人程度を収容できる広さの会議室で投影したが、この規模の部屋ならば照明を落とさずともほぼ問題なく表示できた。遮光してしまうと眩しすぎるので、ランプパワーをかなり絞ったほどだ。これほどの明るさならば、体育館や公会堂などでも運用が可能だろう。投射距離を12メートルとることで最大で対角292.5インチ(4:3)の表示が行える。
本体は3000ANSIルーメンものパワーを持ったプロジェクタとは思えないほどに小さい。小型のボディはDLP機に共通する特徴だが、ここまでサイズを絞り込んだ機種も珍しい。重量は2.4キロ。ケーブル類を合わせて、持ち運び時重量は3キロ弱である。よくあるA4サイズのノートPCほどと考えるとイメージしやすいだろうか。常時携帯できるほどの軽量さとまではいかないだろうが、中規模クラスのプロジェクタをさほど無理なく持ち運べるため、運用の幅も大きく広がるはずだ。なお、パッケージには標準でキャリングバッグが付属するので、運搬時の煩わしさもかなり軽減できる。このバッグにはリモコンやケーブル類もまとめて収納できるため、未使用時に紛失するようなリスクも少ないだろう。
上記の通り小柄なボディではあるが操作性はもちろん犠牲にしていない。本体上面にはズームレバーとレンズにフォーカスリング、フロントに昇降脚のロックボタン、OSD用の操作ボタンなど多数の調整機構を装備する。OSDボタンは十字配列であり、迷いなく調整しやすい。また使用頻繁の高い入力切り替えやキーストーン補正などの項目には、メニューへのショートカット機能を設けるといった配慮もある。
なお、ポータブル機としての可搬性や設置性を求めるユーザーには、価格を重視した下位モデルとなる1200MP(価格:8万8000円)という選択肢もある。こちらは光束2000ANSIルーメンのSVGA機だが、主用途が小規模な会議室での運用ならば用は足りる。
Dell 2400MPは2300MPの後継モデルとして登場したものの、性能にはかなりの違いがあると感じた。しかも、価格は5万円近く引き下げられたのだから非常にコストパフォーマンスがよいと評価できる。その性能は大抵のニーズに応えるが、やはり3000ANSIルーメンという明るさが必要な環境にこそ相応しいだろう。
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