デルからオフィス向けプロジェクタ「MP」シリーズの新製品となる、「Dell 2400MP」が発売された。
本機は、DLPを採用するDell 2300MPの後継モデルにあたるマルチパーパスプロジェクタだ。解像度1024×768ドット(圧縮時は最大1600x1200ドットもサポート)、コントラスト比2100:1、明るさ3000ANSIルーメンを実現し、F 2.4〜2.7/焦点距離:28〜33.6ミリの1.2倍マニュアルズームレンズを搭載する。どちらかといえばデータプロジェクタ寄りの仕様となるが、その表示品質はホームシアター用としても活用できる。この高画質さ実現するのが、Brilliant Colorに対応したチップセット「DDP 3020」だ。
本体背面はミニD-sub15ピン入出力×各1、S-Video入力×1、コンポジット入力×1、コントロール端子×1(RS-232/mini-DIN)、音声端子入力×1(ステレオミニジャック/RCA)、USB×1(リモコンによるページ操作機能用)を装備する
本体にはPCと接続するアナログRGBケーブルのほか、ミニD-Sub−コンポーネント変換端子、RCA音声左右−ステレオミニジャック変換端子なども付属する。本体にはスピーカーも内蔵されるため、PCと音声ケーブルを接続ことにより本体から音声を出すこともできるテキサス・インスツルメント(TI)が2005年夏に発表したBrilliant Color技術は、6セグメントのカラーフィルターと新開発のイメージングASIC(Application Specific Integrated Circuit/特定用途向け集積回路)で構成される。Brilliant Colorが登場する以前にもカラーフィルターに補色を加えた製品は存在したが、これらはあくまでも特定の色を置き換える役割りしかない。Brilliant Colorは、イメージングASICによってあらかじめ補色フィルターを考慮した内部変換を行うため、より高い色再現性が得られるメリットがある。
なお上記では便宜的に6セグメントのカラーフィルターと記したが、実際には4色から6色の間で選択できる。また、追加するカラーはCMYに限らず、RGB×2という構成でも構わない。この場合もイメージングASICで画像処理を行うため、通常のRGB×2に比べて色再現性は向上するという。画質向上とともに、パーツの共有化も行えるのがこのシステムのメリットだ。インパクトのあるうたい文句なので「RGB+CYMによる色再現性の向上」としているが(むろん、これも大きなメリットだが)、Brilliant Colorの本質はメーカーに設計の柔軟性を持たせたことにあるといってよい。とはいえ、2400MPに採用されたカラーフィルターはリファレンス通りのRGB+CMYという構成だ。マルチパーパスのプロジェクタであるため、下手にひねるよりは素直な設計にするのがよいと考えたためと思われる。
その表示は、DLPらしく締まった黒色の印象がよい。それでいてDLPでよく見られる色が際立ち過ぎたところはない。このあたりはBrilliant Colorの効能と見るべきか。彩度をアップしてもピークだけが際立ち過ぎるとげとげしさはなく、柔らか味のある表示が行えた。
カラーバランスもとくに転んだところがなく、まずまず整っている。調整機能はひと通り揃っているので、不満を感じるならば手動で調整を行うとよいだろう。プリセットされているモードはPC、映画、sRGB、ゲームの4種類が用意される。ほかにユーザーモードを1つ用意し、各モードのパラメータを基に調整できる。欲をいえば、本機のように多様な環境での使用が想定される製品ならば、もう2、3つはユーザーモードを用意してくれるとうれしかった。
また、Brilliant Colorにはカラーブレイキングノイズを低減する効果もある。カラーホイールの回転速度は2倍速だが、フィルタのセグメントが増えるから、当然といえば当然だ。実際に投影してみたところ、若干目に付くことはあるものの煩わしさを感じるほどではない。マルチパーパス機でこれだけ低減できていれば不満はないといえる。
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