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» 2006年05月29日 12時59分 公開

きょうは「nForce 590 SLI」でうわさの“EPP”を試してみた (1/4)

先日発表されたNVIDIAのSocket AM2対応チップセットではメモリ性能を向上させる「SLI Memory」という言葉が登場する。「メモリのSLIってなんだ?」も含めてfoxconnの搭載マザーでその効果を検証してみた。

[笠原一輝,ITmedia]

 NVIDIAが同社の最新チップセット「nForce 500シリーズ」をリリースした。このシリーズは、同じ日に発表されたAMDのSocket AM対応Athlon 64 FXとAthlon 64 X2用として即日出荷が開始される。また6月には“Intel Edition”として、「Conroe」(開発コード名)こと「Intel Core2 Duo」対応バージョンも登場する予定だ。今回は、NVIDIAのリファレンスプラットフォームとなっているFOXCONN「C51XEM2AA」を使って、nForce 500シリーズの性能に迫っていきたい。

メーカーがバスクロックアップを実現する「LinkBoost」機能

 C51XEM2AAは、nForce 500シリーズの最上位「nForce 590 SLI」を採用している。このチップセットの特徴を一言で表現するとすれば「オーバークロッカー御用達」となる。というのも、nForce 590 SLIにはそうしたオーバークロッカー向けの機能が多数搭載されているのだ。

 その典型的なものが“LinkBoost”と呼ばれる機能だろう。この機能は「メーカー謹製のオーバークロック仕様」のようなもので“ある条件”を満たせば、マザーボード上のバスクロックが定格よりも25%増で動作するのだ。その条件となるのが「GeForce 7900 GTXのNVIDIA SLI」だ。nForce 590 SLIは、nForce 4 SLI X16と同じように、PCI Express X16を2スロット備えており、NVIDIA SLIに対応したグラフィックスカードを利用して3D描画性能を高めることができる。そこで、GeForce 7900 GTXをNVIDIA SLI構成で利用すると、2つのGPUを結ぶバス、具体的にはPCI Express X16とHyper Transportの動作クロックが25%引き上げられるのだ。

LinkBoostの説明。2つのGPUを結ぶHyper Transport、PCI Express X16が25%クロックアップされる

 ただし、NVIDIAは「これはオーバークロックではない」と説明している。「GeForce 7900 GTX、nForce 590 SLIともに、半導体レベルで25%増のクロックでも動作するように設計されている」とNVIDIAのテクニカルマーケティング担当であるトム・ピーターソン氏が説明するように、両方のチップは最初から定格クロックの25%増で動く設計が施されており、NVIDIAはその動作を確認しているという。このことは、それぞれ別々に利用している状態では、出しうる性能から25%引き(または4分の3)の状態で動作している、ということにもなる。

 実際にGeForce 7900 GTXを2枚差したことが認識されると、BIOSのメニューにLinkBoostで動作していることが表示される。PCI Expressはベースクロック100MHzから25%増えた125MHzで、HyperTransportもベースクロック200MHzから25%増えた250MHzで動作することになる。この状態で、PCI ExpressとHyper Transportは上り下りあわせて8Gバイト/秒の帯域幅が上り下り合わせて10Gバイト/秒へ拡張される。

安定動作のためリファレンスデザインには6層基板を採用

nForce 590 SLIマザーボードのリファレンスデザインは6層基板を採用している

 「nForce 590 SLIではこうした高機能を実現するため、信号線のデザインに余裕ができる6層基板を採用している」(ピーターソン氏)とNVIDIAが説明するように、nForce 590 SLIのリファレンスデザインは6層基板で提供される。一般的に、基板の層数が多いほど信号に利用するスペースを増やせるため、より安定したマザーボードを設計できる。ただし、層数を増やすとそれだけ製造コストがかかってしまうため、コストがあまり重視されないワークステーション向けなどの製品で採用されている。nForce 590 SLIではコストをかけてでもより速いマザーボードを実現しようとしているのだ。

 それ以外にも、nForce 590 SLIにはオーバークロッカー向けの標準機能が用意されている。具体的には、「nTune」と呼ばれる設定ツールがバージョンアップされ「nTune v5.0」として提供される。このツールには各種バス(Hyper TransportやPCI Expressなど)の動作クロックをWindows上から動的に変えられるようになっている。また、本来であれば、起動時にBIOSセットアップを呼び出して設定する項目も、Windows上から設定できるようになっている。

 ユニークなのは、こうした設定をプロファイルにして保存することで、ユーザーがワンタッチで切り替えられるようになっているところだ。例えば、3Dゲームをやるときにはちょっとクロックアップ気味の設定に、オフィスアプリケーションを利用するときは定格設定に、それぞれ切り替える使い方も可能になる。

 なお、ユーザーインタフェースもWindowsのコントロールパネルのようなUIに変更された。こうしたUIは、NVIDIA製GPU用ドライバの最新バージョンであるForceWare 90シリーズで採用されているものと同様なので、GPUと共通のインタフェースでマザーボードも設定できることになる。

新しいnTuneのUI。コントロールパネルのような感覚で、各種バスのクロックや今までBIOSでしかできなかった設定が可能になっている
GPUのオーバークロックも可能になっている
ブートドライブなどBIOSセットアップの設定項目もWindowsから設定できる

NVIDIA MONITORを利用すると、PCの状態を確認することができる。半透明表示も可能

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