インターネットや電話による直販スタイルをとるエプソンダイレクトのPC。それらPCのショールームを兼ねる実店舗「エプソンダイレクトプラザ」が東京・秋葉原にある。一見すると企業顧客向けの展示・商談スペースか、あるいは製品修理のための拠点店舗かと思うユーザーもいるかもしれないが、同店はPCおよびエプソングループ製品の一部(同社製リアプロTV「LIVINGSTATION」など)を展示する、一般のユーザーが気軽に入れるショールームとして機能している。
エプソンダイレクトが運営する実店舗は、普段利用する同社のWeb直販サイトとどこが違うのか、どのようなメリットがあるのだろうか。
ショールーム内は明るく空間にゆとりがあり、アキバのディープなPCショップと異なるフレンドリーさを持つのが特徴だ。壁側のテーブルや中央の展示コーナーには同社が現在販売するPCの全シリーズが並ぶ。目当ての製品がどのくらいの大きさなのか、どのくらいの重量なのか、客観的に眺めるとどのような印象なのかなど、Webやカタログの写真、スペックでは判別しにくい事柄も実際に触れてみることで確認できる。なおデスクトップモデルの展示機はケース側面のパネルがクリアカバーに代えられ、PC内部のチェックも容易に行えるようになっている。
ショールーム奥にはPCのほかに、同社製の液晶リアプロジェクションテレビ「LIVINGSTATION」シリーズのデモ展示も行われ、実際に視聴できる。このLIVINGSTATIONも同社では直販スタイルで販売する製品だが、CPUやメモリなど、スペックが分かれば(使い勝手や速さなど)ある程度のことは想像しやすいPCと比べ、家庭用AV機器の場合はとくに映像品質などをWebサイトやカタログだけで伝えるのは難しい。このような場所があればと思っていたユーザーは多いのではないだろうか。同店では55V型フルHD対応の「LIVINGSTATION ELS-55GL1」などLIVINGSTATIONを画面サイズ/シリーズ別に3台、そして実際に所持するソフトを持参して同機でチェックできるよう、DVDプレーヤーのほかHD出力対応のゲーム機(Xbox 360)も用意するスペースが設けられている。
セイコーエプソングループの総合ショールームとしては、東京・青山に「VISION in Aoyama」がある。VISION in Aoyamaは同グループ内、例えばLIVINGSTATIONやプリンタ「Colorio」シリーズ、プロジェクタ「ドリーミオ」シリーズ、レンジファインダーデジカメ「R-D1s」、そしてエプソンダイレクトのPC「Endeavor」シリーズを、使用テーマ別のデモルームとともに展示している。しかしその製品群の多さから、さすがに“全シリーズ”は展示されていない。
対してエプソンダイレクトプラザは「直販スタイルで販売する製品に特化した店舗なので、エプソンダイレクトPCの全シリーズを用意し、実際に見て触れることができます。もちろんその場で注文することもできます」(同店マネージャー 本橋宏実氏、以下同)という違いがある。
同店を訪れるユーザーは「幅広い層が来店してくれるが、やはり年配層が多い」傾向がある。Webサイトや一般的なPC量販店と異なり、専門ショールームであればゆっくり、じっくり相談でき、比較検討できることを大きな特徴としている。
自分が納得した上で購入できるという安心感は、このような層にとってはとくに重要だ。“BTO”という目的に合わせて自らパーツを選ぶスタイルは「敷居が高いというイメージがまだある」と思うユーザーも多く、店内スタッフとマンツーマンで相談できることで、互いに納得して購入してもらえる。「漠然でも“このようなことがやりたい”や“いくらぐらいで”という要望があれば、ハイスペックからロースペックまで、適切な構成を選ぶお手伝いができます」と同店スタッフは胸を張る。
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