電子海図と“AIS”で夜の御前崎を突破せよ!:勝手に連載「海で使うIT」(1/3 ページ)

» 2006年07月05日 21時52分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 前回はゼロスピンドル“U”ことVAIO type U<ゼロスピンドル>モデルとBluetooth GPS「VGP-BGU1」で電子海図ナビゲーションを行うための試行錯誤を紹介した。あの記事は「小豆島岡崎造船から紀伊勝浦港」までの第1レグが終わった時点で書いていたが、回航そのものはすでに「紀伊勝浦港から遠州灘を経て西伊豆は安良里港」の第2レグまで無事終了している。あわせて290海里49時間に渡る航海で常時電子海図ナビゲーションを運用(とくに第2レグはゼロスピンドル“U”をメインで)して判明したことをいくつか捕捉しておきたい。

 まず、画面が4.7インチワイドと小さいゼロスピンドル“U”で電子海図ナビゲーションソフト(今回の航海ではピーシースタジオ・アルファの「アルファマップ2 プロ」を使っている)のシンボルやテキストが実用的な大きさで表示されのか?は私も実際に使うまで最も気になるところであった。しかし、1024×600ドットと解像度が高くディスプレイのドットピッチが細かいこともあって、海図のテキストやシンボルはくっきりと表示されて航海中視認性で問題を感じることはなかった。

ゼロスピンドル“U”のディスプレイに表示されるアルファマップ2プロの画面。海図に表示されるシンボルや灯質などのテキスト、そして画面右に表示される各種データの値はくっきりとして容易に認識できるのが分かる

 また、露天のコックピットでゼロスピンドル“U”を運用する場合、明るい空の下で液晶ディスプレイの表示が認識されるかも実際の運用においては重要になる。ノートPCの画面が晴天の下で著しく見えにくくなるのは多くのユーザーも経験していることと思う。しかし、この点においてもゼロスピンドル“U”は問題ない。さすがに輝度を下げると画面は真っ黒になってしまうが、最高輝度に上げると晴れた午前直の露天甲板でも表示内容をはっきりと識別できた。

(なお、この記事の初出時にGPSのVGP-BGU1が充電中でもGPSとして動作したと書いたが、ソニーから「製品の仕様として充電中はGPSとして使えない」と情報が寄せられた。VGP-BGU1を接続したワンスピンドル“U”を電子海図ナビゲーションとして24時間を超える航海で運用し、その航跡データも保存しているが、それはさておいても、とにかく「仕様として充電中は使えない」ということなので、ここで改めて訂正しておきたい)

 バッテリーといえば、船でPCを使う場合もその電源はバッテリーの直流12ボルトをインバータで交流100ボルトに変換してノートPCに供給することになる。ゼロスピンドル“U”を甲板で使うときは当然バッテリーで運用することになるが、今回の航海は小豆島から紀伊勝浦港のレグも紀伊勝浦港から西伊豆安良里港のレグもオーバーナイトを含めた連続24時間を超える航海である。いくら「大容量バッテリーで8時間使えます」といったところでこれでは間に合わない。そこで考えたのが複数のバッテリーを使って常に片方を充電しつつ片方をPCで使う方法だ。しかし、何たることかソニーは「バッテリー専用の充電器は予定していません」といっている。たしかにこの記事で紹介しているような使い方は「とってもまれなケース」ではあるが、しかし、街で使うユーザーでも「複数のバッテリーを持ち歩く」需要はそれなりに多いと思われる。ここは「専用バッテリー充電器」の登場を「強く強く」望みたい。

電子海図ナビゲーションで運用中のLet's note T4とゼロスピンドル“U”。Let's noteはコンパニオンハッチから撮影している。このようにチャートテーブルにPCを設置すると航海中はちょうどこのような感じで見下ろすことになる
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