NX95S/Dだけでなく、富士通のハイエンド地上デジタル対応PCの特徴となっているのが「デジタル放送のダビング機能」だ。録画時に「ダビング」モードで録画することでHDD上に同じ番組を2つのデータとして録画し、片方をDVD-RAMへムーブしたあとも、HDに残ったデータをHD映像として再生できる。ただし、2つのデータとしてHDD上に保管して置けるのは1番組だけなので、DVD-RAMへダビングしないと別の番組を「ダビング」モードで録画できない。これ以外にもDVD-RAMへのムーブはSDクオリティにソフトウェアでダウンコンバート(MPEG2エンコード)しながら処理されるため、相応に時間を要するなど不便な点も多いのだが、現状は民生機(DVDレコーダーなど)でも実現されていない機能であり、恒久的な保存用としてDVD-RAMに残しつつ、視聴用にはHD映像も可能な限りHDDに保管しておくという使いかたは魅力的に思える。
デジタル、アナログ両対応のTV機能に関しては、2つの異なる視聴録画用ソフトを利用する。いや、単に異なるというだけでなく、デジタル放送はピクセラ製、アナログ放送はパナソニック製とベンダーすら違っている。電子番組表や録画番組の管理などは画面レイアウトも操作性もまったく別物になっている。「デジタルしか見ない」「アナログしか見ない」というならともかく、大抵の場合両方のコンテンツを視聴して録画するはずだ。そうなるとどうしても2つの異なるソフトを使い分ける必要がでてしまう。録画番組の検索に関しては「3D Media Surfing」でデジタル、アナログ両放送で録画した番組を検索できるが、それだけでは十分とはいえない。それも場当たり的な対応でしかないのも事実だろう。この点に関しては早急に改善を望みたい。
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