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» 2006年08月08日 11時00分 公開

山谷剛史の「アジアン・アイティー」:中国巨大市場を群雄割拠するPCメーカー (1/2)

三国志でいえば「魏」「呉」「蜀」規模の中原の覇者となりうるPCメーカーから、奥地のみで勢力を拡大する「南蛮」のようなPCメーカーまで、中国には多くのPCメーカーが存在する。

[山谷剛史,ITmedia]

デスクトップでシェアを広げる中国PCメーカー

 中国のPCメーカーというと、IBMのPC事業部買収で一躍有名になったレノボこと「聯想」を思い浮かべる人が多いと思う。不動のトップシェアをキープする聯想は、IBMのPC部門買収前からデスクトップPC、ノートPCともに中国におけるトップシェアを維持している。

 その聯想に続くのが方正科技清華同方だ。ノートPCのシェアではデルやHPに負ける両社もデスクトップPCのシェアでは負けていない。中国はノートPCよりも安価なデスクトップPCが主流で、かつ、人口が多いため、中国におけるデスクトップPCのシェアが高いこれら3社の販売台数はアジアパシフィックで見てもランキングトップ10に入る。

 これら、聯想、方正科技、清華同方に加えて電機系メーカーのTCL電脳の4社が、先日Microsoftと「今後は全モデルにWindowsをプリインストールする」と約束した。中国政府もそれとは別に「メーカー製PCに正規版Windowsをバンドルすること」と指示を出している。この「メーカー製PC」に該当する製品を出荷する「中国のPCメーカー」はMicrosoftと約束をした4社だけではない。

 PC系企業では神舟電脳新藍科技長城、家電系ではハイアールアモイなどが中国では名が知られている。以前はもっと多くの企業がPCを出荷していたが、ここ数年で随分淘汰された感がある。神舟電脳と新藍科技は格安な製品をリリースする、中国PCのプライスリーダー的存在だ。

 外資系企業では、台湾のASUS、ACER、米国のHP、デル、日本のソニー、東芝、NEC、富士通、松下、韓国のサムスンなどが中国でPCを販売している。このうちACER、HP、デル、富士通がデスクトップPCとノートPCを出荷し、ほかはノートPCのみ扱っている。

 中国メーカーと外国メーカーがシェアを競う中国市場において、デスクトップPCでは価格優位の聯想、方正科技、清華同方ら中国メーカーが外国メーカーに競り勝っているが、ノートブックでは、トップの聯想を除くと、デル、HP、ASUS、東芝など外国メーカー勢が優位となっている。

 ところで、中国政府が「正規版Windowsプリインストール必須」のお触れを出したと先に述べたが、現在発売中の全モデルでそうなったのだろうか。正規版Windowsがプリインストールされていないモデル(つまりOSなし、DOSモデル、Linuxモデル)を販売しているメーカーは、聯想、清華同方、神舟電脳、新藍科技、ハイアール、アモイ、Acer、ASUS、デル、HPで、逆に正規版Windowsをプリインストールしたモデルだけ販売しているのが、方正科技、東芝、富士通、NEC、ソニー、サムスンであった(TCL電脳は製品の仕様が明らかになっていないため不明)。米国やMicrosoftに対し、中国はメーカー製PC本体にWindowsをプリインストールすると宣言したが、中国メーカーも外資系メーカー(そこには米国企業もいる)もいまだに非Windowsプリインストールモデルを販売している。もっとも、非Windowsプリインストールモデルを販売するメーカーの多くが「Windows XPのインストールをお勧めします」といった文言を製品紹介のWebページなどで書いている。

ASUSは、Windows XPをサポートするとは書いてあってもプリインストールしているとは書いていない
AcerのPCはLinuxを搭載
こちらのAcerのPCはOS未搭載

 中国で人気のあるデスクトップPCにおいて、聯想や方正科技などの大手メーカーは「ホームPC」「企業用PC」「ネットカフェ用PC」とさらにカテゴリーを細分化してラインアップを紹介している。それぞれのカテゴリーの位置づけはノートPCと同列で、メーカーのカタログには「ホームPC」「企業用PC」「ネットカフェ用PC」「ノートPC」といった具合に並んでいる。ある中国の調査会社が発表したリポートでは、「中国のユーザーが求める需用に応えて、ラインアップを細分化することがシェアを握る秘訣」と分析している。

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