中国巨大市場を群雄割拠するPCメーカー山谷剛史の「アジアン・アイティー」(2/2 ページ)

» 2006年08月08日 11時00分 公開
[山谷剛史,ITmedia]
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「三国志でいえば“南蛮”」なPCメーカーの製品を購入してみる

 PCメーカーの中には、中国の一部の地域でのみ展開しているメーカーもある。日本の感覚でいえば「四国にだけ出荷しているメーカー」といったところか。そのようなPCメーカーの1つ「金利電脳」は中国最果ての雲南省と貴州省、三国志でいえば、まさに「南蛮」の地域に展開している。少数民族が多いことで知られる貴州省と雲南省は、省別GNPで下から5本の指に入る低所得地域でもある。

 しかし、そういう地域にも立派な電脳街がある。そこには金利電脳の販売店が軒を並べる。その数はレノボなどの「全国級」に負けていない。金利電脳はデスクトップPC、ノートブックPCともに複数のモデルがラインアップされている。そのカテゴリーは先ほども紹介したように、「ビジネスPC」「ホームPC」「サーバ用ホームPC」「ネットカフェPC」「ノートPC」に大分される(同社は松下のLet's noteと、サムスンのノートPCの代理店もしている)。なにかの縁、ということでもないのだが、先日、筆者は金利電脳製PCを購入した。

電脳街には様々なPCメーカーの販売店がある
電脳街ではさまざまなブランドのPCが販売されている(写真は重慶の電脳ビル内)

雲南省の省都昆明市の電脳街には金利電脳の広告がいっぱい
雲南省の省都昆明市の電脳街の金利電脳ショップ

 同社のデスクトップPCはいくつかモデルが用意されているが、実はBTOにも対応している。それなのに、同社のWebページではBTOの価格を調べることができない。販売店でデスクトップPCを探していると、PCを使う目的をを聞かれ、その使い方にあったお勧めのスペックを店員から提示される。客は提示されたスペックを微調整して決定した構成で代金を支払うと、数時間後に完成したPCを持ち帰れる。

 筆者はお任せで「お買い得なビジネス向けPC」をオーダーしてみた。金利電脳の販売店で提示してきた構成は、CPUがPentium 4 506(動作クロック2.66GHz)、メモリがキングストン製のDDR 400/512Mバイト、HDDがサムスン「HD160JJ」、マザーボードがインテルのATI Radeon Xpress 200搭載マザー「D101GGC」、ケースが金利電脳オリジナルケース、電源が航嘉というメーカーの250ワットとなった。ちなみに、OSと光学ドライブは「含まれていない」。以上の構成にViewSonic製の17インチ液晶ディスプレイ「VA721」を加えると、価格は4556元(約6万8000円)であった。

我が家にやってきた金利電脳PC
我が家の金利電脳PC正面には金利電脳のロゴ「jinli」が

金利電脳でBTOを試してみた
BTOのための金利電脳が提示する価格表にはWindows XPも中国産Linux「紅旗Linux」も選択可能

ミドルタワーの筐体であるがマザーボードはMicroATX。安いパーツを組み合わせるという意味では確かに有効。大陸的なおおらかさを感じさせる一品だ
マザーボードはインテルのRadeon Xpress 1100搭載マザー「D101GGC」とある意味注目すべき構成

 ところで、購入時には「違法ソフトを入れません」という紙にサインさせられる。中国政府がPCに正規版Windowsをプリインストールすることを決定したその影響からだろうか。OSをBTO時に入れなかったのだが、OSがない場合ハードウェアだけではPCはただの箱だ。「組み合わせたハードウェアだけじゃ動かないよね」とさりげなく質問してみたところ「いや、動作確認でWindows XP入っているから」との回答が返ってきた。帰宅していざ起動してみると、Windowsはおろか、さまざまな「動作確認用」ソフトがインストールされていた。

金利電脳で店が用意したテスト用環境
金利電脳のテスト用WindowsXPは正規版かどうかのチェックでひっかかった

 中国政府が出した「今後Windowsをプリインストールすべき」令だが、ここで紹介したような全国区の中小PCメーカーや地方限定PCメーカーの現状、そして、中国に存在する全メーカー、全モデル、そして全土に展開する販売店の数をチェックする必要があることを考えるに、その施行が物理的に難しいことは容易に想像できるのである。

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