中国でFounderの「インテル入ってる」UMPCを買ってしまいました(後編)山谷剛史の「アジアン・アイティー」(1/3 ページ)

» 2006年05月12日 08時00分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

中国らしい手書き入力ソフト群

初期状態で導入されているプログラムの一覧

 まずはプリインストールされているソフトを見ていこう。その種類は少なくUMPCらしいソフトといえばラウンチャ−ソフトと手書き入力ソフトくらいだ。あとはBluetoothやドライバ付属のユーティリティ程度。残念ながら、内蔵するデバイス(例えばBluetooth)のドライバに付属するユーティリティはあっても、実用アプリがない状況だ。Mininoteの筐体に用意された各ボタンにユーザーが機能をアサインするユーティリティすらない。

 プリインストールされているソフトはDivX PlayerとAcrobat reader、それにラウンチャーソフトから起動できる(スタートメニューやデスクトップにアイコンがない)ゲーム3本で、オフィスソフトなどのアプリケーションは入っていない。「味気ない」とも「HDDが空いていて万歳」とも捉えることができる。

 手書き入力ソフトは中国でこの手のシステムを主に扱っている蒙恬科技(M.T.Digital)の「蒙恬筆」が入っている。この蒙恬筆は複数の手書きソフトがセットになったパッケージになっているが、蒙恬科技としては彼らが用意した複数の手書きソフトからユーザーが使いやすいものを自分で選んで使ってください、ということなのだろう。

本体の「P」ボタンで起動する手書きソフト。文字入力先のソフトをタッチしてそのあと画面全体を使って文字を書く
四角の枠内に文字を手書き入力するソフト。何文字か入力したら上カーソルボタンを押して入力先のソフトに貼り付ける

こちらは画面の半分を半透明のパッドにした手書きソフト。漢字、アルファベット大文字、同小文字、数字、記号ごとに入力するエリアが異なる。なんとひらがなとカタカナも認識するのだが、日本語漢字は認識しない
唯一のソフトウェアキーボード。キーピッチは3.5ミリと後ほど紹介する日本語化のために導入した日本語版Windows付属でMininoteの画面に表示されるソフトウェアキーボード(5ミリ)よりも小さい

 ほかにも、任意の手書き文字と文書ファイルを関連づけるツール(例えば「〆」と手書きで書くと「Hello」に置き換わるように登録できる)や、Microsoft OfficeのWord、Excel、PowerPointで作ったファイルに手書きで書き込めるソフトや、付箋紙ソフト、書いた文字を朗読するソフト、いくつか準備されたはがきのデザインに手書きで書き込むソフトが付属する。

 Mininoteに用意された入力ソフトは、ソフトウェアキーボードを除けばすべて手書き入力となっている。意外にも中国では入力デバイスとしてタブレットが一般的なのである。Mininoteはハードウェアもさることながら(ハードウェアは前編参照)、ソフトウェアも中国人向けになっているといえるのだ。

 ラウンチャーソフトはメーカーオリジナルの「方正Joylink」が入っている。方正Joylinkのメニューでは、ゲーム・音楽・ビデオ・静止画・電子ブック・インターネットが用意されている。各コンテンツプレーヤーソフトが対応しているフォルダにコンテンツデータを保存しておけば、インターネットならInternet Explorerが起動し、音楽やビデオならMediaPlayerが起動し、電子ブックなら方正独自のApabiReaderが起動し、各コンテンツを利用できる。

 ゲームは、中国らしく「五目並べ」に昔なつかしい「倉庫番」、中国で大人気のトランプゲーム「トラクター」に、ぷよぷよ風パズルゲームの4本が入っている。最後のパズルゲームはマウスの操作よりも、ペンタッチによる操作のほうが快適。落ち物でないパズルゲームはUMPCに向いていると実感した。

ラウンチャーソフト「方正Joylink」を起動すると全画面にラウンチャーのUIが表示され、「ゲーム」「音楽」「ビデオ」「静止画」などのアイコンをタップすると登録されているコンテンツデータやゲームタイトル、WebサイトのURLが表示される。そこから目的のデータを選ぶとプレーヤーソフトやWebブラウザが起動して選択したコンテンツを利用できるようになる。コンテンツを登録するには方正Joylinkをインストールしたフォルダの下にできるサブフォルダ「Ebook」「Internet」「Games」「Movies」「Music」「Photo」にデータを収録しておく必要がある

Mininoteに用意されている中国で人気のトランプゲーム「トラクター」とぷよぷよ風パズルゲーム

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