“P”に入ったのはワンセグだけじゃない──富士通「FMV-BIBLO LOOX P70T/V」(1/2 ページ)

» 2006年09月13日 11時50分 公開
[寺崎基生,ITmedia]

CPUとプラットフォームが新世代に進化した「P」

FMV-BIBLO LOOX P70T/Vの見た目は従来モデルとあまり変わらないが、内部プラットフォーム、ワンセグチューナーの内蔵、インタフェースの位置など、その使い勝手は大きく変化した

 今回のモデルチェンジで、最も大きく変わったのが、組み込まれているプラットフォームである。夏モデルまでは、Intel 915 GMSとPentium Mの組み合わせだったが、LOOX P70T/VではCPUにCore Soloを採用。チップセットもIntel 945GMに変更されている。Core Soloは、操作クロック1.20GHzのCore Solo U1400で、90ナノメートルプロセスルールで製造されたDothanコアのPentium M 753から、60ナノプロセスで製造されているYonahコアへと進化している(ただし、動作クロックはPentium M 753と同じ)。両者とも超低電圧モデルであり、Thermal Design Powerは5.5ワットと変化していない。しかし、バッテリー駆動時間はカタログ値で従来モデルが2.3時間だったのがLOOX P70T/Vでは4.4時間と大幅に改善されている。

 モバイルPCとしては、パワフルなCPUで電池を消耗してしまうより、パワーは抑え気味にして電池が長持ちするほうが使いやすい。LOOX P70T/Vの搭載するCore Solo U1400もそういったCPUであり、例えば、同梱されている外付けドライブを接続してDVDビデオを再生すると、CPU使用率は30〜40%のとなる。コマ落ちすることもなく普通に見られるためパワーとしては十分だが、バックグラウンドでエンコードするといった使い方には向いていない。

ディスプレイサイズは8.9インチで最大解像度は1280×768ドットとこちらのスペックも従来モデルから向上している

 液晶ディスプレイの解像度も従来モデルの1024×600ドットから1280×768ドットへと増えてい。画面サイズは8.9インチと変更されていないため、表示される文字は小さめであり、筆者のように目の良くない人にとっては少し見づらく感じられる。ただし、表示される画質はきれいでくっきりとしている。LOOX Pの特徴でもあるTablet PC時に使う縦方向の表示でも横幅が768ドットになるため、Webブラウザも利用しやすい。液晶ディスプレイの脇にあるボタンで画面が90度ずつ回転する仕掛けも従来通り搭載されている。

 画面が高解像度になるとアイコンなどが相対的に小さくなってタップしにくくなると思ったが、実際にやってみるとペン入力に問題は感じない。画面のタッチパネルは感圧式で、ペンを使わずに指でタッチしてもいい。電車の中で立って使いたいときなどは非常に使いやすい。

 LOOX Pシリーズは、A5サイズという小型の筐体でありながら、インタフェースが充実しているのも特徴だ。PCカードスロット(TypeII対応)を1基装備し、USB 2.0が2つ、VGA、SDメモリーカードスロットまで装備している。LOOX P70T/Vでは、インタフェースの位置が従来モデルから変更されている。前モデルでは、左右に分かれていたUSBポートが右側に集められ、左側はPCカードスロットと主電源スイッチだけとなっている。ヘッドフォンやUSB、電源ケーブルなど、ケーブルが接続されるコネクタ類を片方向に集めることにより、使いやすさが向上しているのだ。

正面はバッテリーパックのみ、背面にVGA、FAXモデル、LANのコネクタを設けている

左側面は無線LANのオンオフスイッチとPCカードスロットとシンプル。主要インタフェースは右側面に集中し、USB、サウンド系端子、メモリカードスロットが用意されている

キーピッチは16ミリでストロークは2ミリ。ポインティングデバイスにスティック状の「スティックポイント」を採用する
標準でついてくるバッテリーパックは10.8ボルト2600ミリアンペア時、オプションのバッテリーパックLは10.8ボルト5200ミリアンペア時。バッテリーパックLを取り付けるとこのように手前にはみ出す形状になる
ワンスピンドルのLOOX Pであるが、標準でUSB接続のDVD-ROM/CD-RWコンボドライブが用意されている
底面からメモリスロットとHDDベイにアクセス可能
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