オッテリーニ氏は、YouTubeなどに見られる昨今のインターネット上におけるビデオストリーミングの広がりなどを例に「少し前まで、CPUのパフォーマンスはこれ以上要らないとまでいわれていたが、その状況は変化し、再びパフォーマンスの需要が増えつつある」と、CPUのパフォーマンスに対する要求が依然として顕在であることを訴えた。そうした状況下でリリースされた新型デュアルコアのCore2 Duoは大ヒットとなり、最初の製品リリースから60日を経たずして500万個の出荷を達成したという。壇上にはApple Computerワールドワイド製品マーケティング担当バイスプレジデントのフィリップ・シラー氏が招待され、IBMのPowerPCから1年弱をかけてすべての製品ラインをCore Duoアーキテクチャベースへと移行したことを報告した。
Core 2 Duo後の次なるステップは、アーキテクチャの拡張だ。オッテリーニ氏は次なる目標としてCPUのクァッドコア化を掲げ、同社ならびにコンシューマ向けCPUとしては初となるクアッドコアCPU「Core 2 Quad Extreme」シリーズの製品が今年11月にリリースされると述べた。Core 2 Quad Extremeはゲームユーザーやプロフェッショナルなど、いわゆる「PC Enthusiasts」(熱狂的PCユーザー)を対象にした製品であり、ベンチマークのSPECintの値で従来比70%以上の性能を出せるとしている。壇上では米レメディのゲームデモが紹介され、画面がスムーズに動くだけでなく、水面の波紋や流れる雲、雨、光の照明効果など、クアッドコアCPUの使用がさまざまな特殊効果を余すことなく実現することを示した。
Core 2 Quad Extremeを皮切りに、インテルからは次々とクアッドコアCPUが登場することになる。まずデスクトップPC向けには、通常のCore 2 Duo製品の4コア拡張版となる「Core 2 Quad」が2007年第1四半期にリリースされる。また2way以下のDPサーバ向けには「Xeon 5300」がCore 2 Quad Extremeと同時期の11月に、最大40%消費電力を最大40%に押さえた50ワットで動作する「低電圧版」(LV)Xeonが2007年第1四半期に登場する。Core2 Duoと同じアーキテクチャを採用した現行のデュアルコア「Xeon 5100」シリーズと比較して、Xeon 5300では50%以上の性能向上が望めるという。
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