スイートパッケージも復活したジャストシステムの2007年向け新製品(2/2 ページ)

» 2006年12月12日 22時26分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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変換エンジンと入力支援機能が強化された「ATOK 2007」

 その登場から20代めのバージョンとなるATOK 2007では、新しい日本語変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」を実装して、変換辞書の語彙の拡張や同音語の訳し分け、文脈を考慮したより自然な文節判断と精度の高い漢字変換などを実現している。また、単語の前後関係から判断して変換候補の掲載順を動的に変化させる機能の実装や、Windows Vistaでサポートされる「JIS X 0213:2004」に対応して表外漢字字体が変換候補として選択できるようになった。さらに、手書き文字入力や辞書ツールを使えば第3・第4水準漢字も認識する。

 フロンドエンドプロセッサとして重要な入力支援機能も強化された。ATOK 2006で実装された日付け入力作業は「年」「月」「曜日」にも対応したほか、カレンダーから日付けをクリックすれば日付けの文字入力ができる「日付け入力パレット」も追加。このほか、辞書・辞典コンテンツとしてジョルダンの「乗り換え案内 駅名変換辞書 for ATOK」と東洋経済新報の「会社四季報 企業名変換辞書 for ATOK」、日経BPの「説得できる英文 Eメール200の鉄則文例」を収録した。駅名変換辞書 for ATOKでは、変換候補に駅の詳細情報が表示され周辺地図へのリンクも用意。企業名変換辞書 for ATOKでも変換候補に企業情報と会社Webサイトへのリンクが表示される。

 ATOK 2007には、通常モデルの「ATOK 2007」に加えてATOK初の上位モデルとして「ATOK 2007 プレミアム」が登場する。両者の違いは収録される辞書・辞典コンテンツの種類で、ATOK 2007 プレミアムには「乗り換え案内 駅名変換辞書 for ATOK」「会社四季報 企業名変換辞書 for ATOK」「説得できる英文 Eメール200の鉄則文例」「明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典 /R.2」が収録されるが、ATOK 2007には「乗り換え案内 駅名変換辞書 for ATOK」だけが収録される。

ATOK 2007もWindows Vistaに合わせてデザインが変更された
ATOK 2007では環境依存の字体を使うと変換候補選択時に警告が出る
[内蔵|内臓]のように用法を間違えやすい場合は同音語の候補を並べてくれる

日付け入力支援ではカレンダーから日付けを選択して入力するパレットが用意された
新たに収録された辞書コンテンツ「乗り換え案内 駅名変換辞書 for ATOK」では、駅名変換のほかに駅の詳細情報や周辺地図へのリンクが表示される
同じく「会社四季報 企業名変換辞書 for ATOK」では変換候補で選択すると、四季報に掲載されている会社情報とその会社のWebページへのリンクが表示される

初のプレゼンソフト「Agree 2007」に文字作業が楽になった「花子 2007」

 新しくジャストシステムのソフトウェアラインアップに加わったプレゼンテーションソフト「Agree 2007」は、韓国のハンソフトが開発した「Hannsoft Slide 2007」を日本語化したものだ。ただし、ユーザーインタフェースをジャストシステム製ソフトと統一したり、収録されているフォントやイメージデータを日本向けに変更するなど、単なるローカライズにとどまらない。ジャストシステムが製品説明で「文字の編集にこだわりを」と述べているように、多彩な文字表現機能を搭載し、文字枠内のカラーリングや取消ライン、字間の調整機能などの多彩な文字表現機能に、サイドにスライドのサムネイルを表示して必要なスライドにすぐジャンプできる機能、グラフィックスの透過機能などを備える。

 花子 2007はドローイングソフトの弱点であった「文字入力」を簡単に行える「文字入力ウインドウ」を新たに用意した。従来の花子では、ページに配置されたテキストボックスを選択して、そのなかでテキストを編集していたが、花子 2007は、レイアウトに配置されたテキストだけが表示される文字入力ウインドウでテキストの編集が一括して行える。レイアウト画面でテキストが貼り付けられたオブジェクトの位置が動くと、テキストも文字入力ウインドウのなかで移動する。

 表計算ソフトの三四郎 2007では、選択したセルの計算を自動で行う「オートカルク機能」と、数式が参照しているセルを表示する機能が新たに追加された。このほか、セルを区切る背景線の非表示対応やグラフ表示の標準色を見やすい中間色にするなど、従来から用意されている機能の改善も多数行われている。

プレゼンソフト「Agree 2007」は韓国メーカーが開発しているが日本版のローカライズにおいて、日本でよく使われるイラスト、フォント、テンプレートを新たに収録している
花子 2007では、文字データを一括して表示する「文字入力ウインドウ」が用意されて文字の編集と確認作業が容易になった
三四郎 2007では、範囲を指定して計算を自動で行う「オートカルク機能」の実装や、グラフデザインで標準色が見やすい中間色になるなど、使い勝手を向上させる改善が施された

 今回発表された新製品の出荷は2007年2月9日を予定している。各パッケージとも通常版、特別優待版、アカデミック版などが用意されて価格にバリエーションがある。それぞれのパッケージとバージョンごとの価格は以下のとおり。このほか、2006年12月15日から2007年2月9日の期間に「一太郎2006&花子2006 スペシャルパック」を購入したユーザーは5000円で、「一太郎 2006」または「花子 2006」を購入したユーザーは8000円で、JUST Suite 2007にバージョンアップできる。

通常版特別優待版特別バージョンアップ版アカデミック版
JUST Suite 20072万6250円1万8900円1万5750円1万5750円

通常版特別優待版特別優待版 ダウンロード版特別バージョンアップ版アカデミック版
一太郎 20072万1000円1万0290円7770円8400円8400円

通常版通常版 ダウンロード版AAA優待版
ATOK 20078400円6615円5250円
ATOK 2007 プレミアム1万1550円9450円8400円

通常版通常版 ダウンロード版優待版アカデミック版
三四郎 20075250円3675円3150円3150円

書籍セットATOK 2007セット優待版アカデミック版
花子 20071万0290円1万0290円7350円7350円

通常版通常版 ダウンロード版ATOK 2007セット優待版アカデミック版
Agree 20078190円6300円1万0290円5775円5775円

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