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レビュー
» 2007年02月08日 04時00分 公開

オフィスで“程よい”堅牢ノート──デル「Latitude ATG D620」(1/2 ページ)

時代が求めるのはどこでも頼れる「タフネス」なPCだ。でも、デルが投入するATGシリーズはこれまでの「マッチョ」とはちょっと違うようだ。

[長浜和也,ITmedia]

「ATG」がクリアする「MIL-STD-810F」とは?

デル初のタフネスノートとなる「Latitude ATG D620」

 デルは2月7日に堅牢性を高めたノートPCの新しい「ATG」ノートPCシリーズを発表した。これは、すでに米国で登場している「Latitude ATG NoteBook」を日本向けに出荷するもので、そのスペックはほぼ同じとなっている。

 「ATG」=All Terrain Gradeとはそのまま訳せば「すべての地形に対応できる」となるが、そこから「全天候型」という意味を持つとデルはアピールしている。今回登場するデルの全天候型ノートはLatitude D620をベースにして部分的に補強を施すことで堅牢性を実現している。デルの資料によると「ホコリへの耐性はMIL-810FのMethod 501.4のProcedures Iに準拠」(150マイクロメートル未満のホコリに耐える)「振動への耐性は同514のProcedures I、カテゴリー20と同24に準拠」という性能をATG D620は有しているという。

 ここでいう「MIL(-STD)-810F」とは米国防省が定める工業製品の環境耐性評価試験に関する規格(ENVIRONMENTAL ENGINEERING CONSIDERATIONS AND LABORATORY TESTS)をまとめたもので、米軍が調達する物品は、使用目的によってここで定める試験をクリアしなければならない(記事執筆時点において、MIL-STD-810のドキュメントはここからアクセスできる。最新のエディションは2000年に制定されたRevision Fで、その追記がいくつか用意されている)。

ベースとなるLatitude D620の筐体天面に装着されたプロテクターには傷がつきにくい「ゴツゴツとした」塗装が施されている
オプションで用意されている耐衝撃HDDパックは2.5インチドライブを収納できるパックに緩衝材のラバーを充填して1.8インチHDDを搭載する。このオプションは2万4150円で選択できる

裏面からメモリスロットにアクセス可能。左側面からはHDDパックが取り出せ右側面から光学ドライブが取り出せる。ATG D620がMIL-STD-810FのMethod 501.4のProcedures Iをクリアするには光学ドライブを搭載しないことが条件となることに注意

 デルの資料では、振動とホコリ以外にも湿度(MIL-STD-810FのMethod 507.4)と高度(同じくMethod 500.4のProcedures I&IIに準拠)に耐えることになっている。なお、デルが「100ミリリットルの水をこぼしても大丈夫」とアピールするキーボードの防滴性能に関しては、MIL、もしくは日本で知られているIPX等級などの規格に準拠しているわけでない。

 「米国防総省が定めたMILに準拠しています」と聞くと、かなり「タフネス」な印象をもつが、ホコリに対するプロテクションについては注意が必要になる。

 まず、ATG D620の制限としてMIL-STD-810FのMetohd 501.4 Procedures Iに準拠するためには「光学ドライブを搭載しない状態」(セカンドHDDやセカンドバッテリーパック、トラベルモジュールを装着した状態になる)でなければならない。さらに、Procedures Iは150マイクロメートル未満の「細かいチリ」が漂う部屋における防塵性能をテストするものであるため、サイズの大きい砂埃や傷をつける可能性のある硬いシャープな粒が直接かかったり吹き付けたりするような状況には耐えられない可能性がある。

 ATG D620にの筐体背面にはインタフェースコネクタを覆うカバーが取り付けられているが、そのカバーは筐体に穴をあけている冷却用の通気スリットを塞がない。ATG D620がクリアしている防塵環境の想定は「砂漠の戦場に設営したテントの中で保管しても大丈夫」というレベルなので、工事現場で泥まみれになるのは無論として、海風が強く吹く夏の砂浜でむき出しの状態で使って砂まみれというのも、「MIL-MIL-STD-810FのMetohd 510.4 Procedures I」は配慮していないことをユーザーは認識しておきたい。

前面にバッテリーパックを装着する。評価機は9セルの大容量バッテリーパックを搭載していた。デルの検証では、この状態でATG D620は約5時間駆動したという
背面にはLAN、モデム、USB 2.0×2、シリアル、VGAと主要なインタフェースが集中する。右に見えるのはクーラーユニットのフィン
樹脂製のポートカバーを装着するとこのようにコネクタ部が密閉されてる。しかし、クーラーユニットのために空いている開口部はカバーされないのに注意したい

左側面にはスマートカードスロット、HDDパック、TypeII対応PCカードスロットが並ぶ
右側面には光学ドライブベイとUSB 2.0×2が用意されている
USB 2.0のポートは防塵性能をクリアするためにラバーカバーで覆われている。このように取り外しできるので紛失しないようにしたい

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