吉田和正インテル代表取締役共同社長は、2007年後半登場予定の45ナノメートルプロセスルール採用CPU「Penryn」(開発コード名)について、「大容量L2キャッシュの搭載」「SSE4をはじめとする47個の新命令の導入」「3GHzを超える高い動作クロックと少ない消費電力」といった特徴を紹介するとともに、45ナノプロセス採用CPUの立ち上がりでは、オレゴンのD1D、アリゾナのFab 32、イスラエルのFab 28、ニューメキシコのFab 11xといった生産ラインを2007年の後半から2008年の前半に稼動させ、2008年の第3四半期には65ナノプロセス採用CPUを上回る出荷比率を実現するという見通しを述べた。
吉田氏は、45ナノプロセス採用CPUについて小型デバイスへの展開にも言及し、MID( Mobile Internet Device)のコンセプトモデルを手に持ちながら、そのサイズイメージをアピールした。吉田氏は、MIDのイメージについて、「液晶サイズが4〜8インチ」「電子辞書相当サイズの筐体に通常のノートPCと同等の性能を実装させたデバイス」と述べ、会場に登場したコンセプトモデルではスレートタイプの液晶ディスプレイがスライドしてキーボードが現れるギミックを採用したモデルも紹介された。
MIDのコンセプトと利用シーンについて吉田氏は、通常のノートPCのように、何ら制約を受けることなくインターネットを利用できる性能を持ったデバイスを小型化したものと説明し、このような小型で高性能のデバイスが可能になる要因として45ナノプロセスという微細化技術が貢献していると語った。
また、通常のPCとの高い互換性と高い性能によるコンテンツ再生機能といったUMPCのメリットを紹介した上で、UMPCの有用なワイヤレスネットワークオプションの1つとなるWiMAXの動きについて、総務省に対するインテルの働きかけとして「2.5GHz帯の周波数を使用する特定基地局の開設に関する指針案」に賛同する旨を示した意見書を総務省に提出したことを紹介した。「WiMAXをどの事業者が免許の交付を受けるにしても、インテルがWiMAXの目標とすることは、ユーザーに対してオープンインターネットの世界をより身近にすることと、そのための新しいサービスやアプリケーションを展開していくことだ」(吉田氏)
土岐英秋インテル技術本部技術部長は、COMPUTEX TAIPEI 2007で発表された新世代チップセットのラインアップ「Intel 3シリーズ」、SSE4などこれから追加される新しい命令セットに対応したコンパイラ製品、2007年5月にローンチした“Santa Rosa”Centrinoの紹介に続いて、1999年から設けられている「つくばモバイル・ラボ」の概要を説明した。
つくばモバイル・ラボは、日本国内のノートPCメーカーのサポート拠点として開設され、これまで、回路設計、BIOS、放熱設計などのサポート、要素技術の研究開発支援を行っている。 土岐氏は、ラボで行われている具体的な活動にも触れ、パワーマネジメントやActive Management Technology、Intel Turbo MemoryのキーとなるBIOSや基板が小さいために困難になる実装技術に関する開発サポート、シャーシを設計する前にどのように放熱が行われるかシミュレーションで示してデザインをアドバイスする活動、音量以外にも最近問われるようになってきた音質まで配慮したファンの開発などが紹介された。
江田麻季子インテルマーケティング本部長は、インテルCM新シリーズや、TSUTAYA Onlineとの共同で6月23日から7月8日に渋谷のQ-FRONT 6階「Wired Cafe」で行われる「Viiv搭載PCタッチ&トライコーナー」の説明に続いて、巣鴨で7月26日から7月29日に行われる「すがもパソコン茶屋」(東京都豊島区巣鴨3-16-12)プロモーションを紹介。そこで、開催期間中のそれぞれ先着100名に配られる「インテルオリジナル Core 2 Duoドラ焼き」が披露された。
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