やっぱりLatitudeはVostroと違うね──デル「Latitude D830」ダイレクトPC最前線(1/2 ページ)

» 2007年08月30日 17時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

Latitude D830の意義は「ハイエンド構成」にあり

“SantaRosa”世代のCentrinoを採用したLatitudeシリーズの最上位モデル「Latitude D830」

 デルのノートPCラインアップは、以前なら、オフィス向けの「Latitude」にコンシューマー向けの「Inspiron」と、実にシンプルであったが、ハイエンドユーザー向けのサブブランド「XPS」、そして2007年になって登場したスモールオフィス向けのサブブランド「Vostro」によって、デルのノートPCラインアップはかなり複雑な様相を呈している。

 その中で、Latitudeはこれまでどおり、大規模オフィスにおける導入を想定したモデルとして位置付けられているが、ユーザーの視点からすれば、スモールオフィス向けのVostroブランドとの差別化は、デルが言うほどに明確ではない。

 Vostroのラインアップ構成を見てみると、3モデル用意されたノートPCのうち、ハイエンドのVostro 1500とミドルレンジのVostro 1400は、CPUにCore 2 Duo T7500、同T7300、同T7100を選択でき、液晶ディスプレイはVostro 1500で15.4インチワイドを、Vostro 1400で14.1インチワイドを搭載できる。グラフィックスもVostro 1400こそ、Intel GM965チップセットに統合されたIntel GMA X3100のみとなっているが、Vostro 1500ではディスクリートのGeForce 8600M GT、もしくはGeForce 8400M GSも実装できる。

 「スモールオフィス向け」と聞くと、なぜか「スペックを抑えてコストパフォーマンスを重視したラインアップ」と勝手にイメージしてしまうが、バリュークラスのVostro 1000は別にしても、Vostro 1500は競合他社のビジネスノートPCと比較しても十分にハイエンドと呼べるだけのスペックを有している。また、デルが「大企業向け」と考えているLatitudeのラインアップと比べても、例えば、Vostro 1500と同じインテルプラットフォームを採用するLatitude D830と、さほど遜色のないBTO構成が選べる。

 Vostroとは逆に、「大規模オフィス向け」と聞くと、なぜか「価格は高いがパフォーマンスも最高である」というイメージをLatitudeに抱いてしまうのだが、実際、Latitude D830のBTOリストを見てみると、CPUの選択肢としてVostro 1500では選べないCore 2 Duo T7700やワークステーションノートPC向けGPUのQuadro NVS 140M、もしくはQuadro NVS 135Mが用意されるなど、Vostro 1500とは異なるハイエンドパーツが存在する。OSでも、Vostro 1500では選択できないWindows Vista Ultimateが選べる。

 液晶ディスプレイは、サイズこそVostro 1500と同じ15.4インチワイドであるが、Vostro 1500のBTOで用意されている最大解像度が1440×900ドットだったのに対して、Latitude D830は、その上のクラスになる1680×1050ドット、そして1920×1200ドットまで選べる。

 HDDでは、容量がVostro 1500で最大160Gバイトのドライブが選べるのに対して、Latitude D830では最大で120Gバイトとなっているが、BTOには、32GバイトのSSD(120GバイトHDD選択時から9万8700円のコストアップ)や、キャッシュ用のフラッシュメモリを内蔵したハイブリッドHDD(容量は120Gバイト、コストアップは2100円)が用意されるなど、ここでも、最新技術を利用したいユーザーを意識した差別化が図られている。

 このように、最上位クラスのパーツ構成を選択したいと思うユーザーには、Latitude D830Vostro 1500に明確な違いが存在することになる。Latitude D830では、開発現場やグラフィックス製作現場といったユーザーにも対応できるスペックがBTOで用意されているのだ(ただし、デルのノートPCラインアップにはワークステーションユーザーを想定した「Precision」シリーズも存在する)。そういう意味では、小規模オフィスであったとしても、例えば、グラフィックデザイン事務所では、Vostro 1500よりLatitude D830が適しているということになる。

15.4インチワイド液晶ディスプレイの解像度は、評価機の1680×1050ドットのほかに、1280×800ドット、そして1920×1200ドットが選択できる
メモリはDDR2-667MHzを最大4Gバイト実装可能。メモリスロットは2つ用意されている。HDDは5400rpmのSerial ATA以外に、32GバイトのSSDとハイブリッドHDDがBTOで選べる

従来モデルから引き継がれたインタフェース

 Latitude D830の筐体は、その前に登場していたLatitude D820をそのまま引き継いでいる。361(幅)×262.6(奥行き)×35.5(厚さ)ミリの筐体には、右側面に光学ドライブとUSB 2.0が設けられたほかは、ほとんどのインタフェースが左側面と背面に集中している。

 このうち、PCカードスロット、Expressカードスロット、IEEE 1394、ヘッドフォン、マイク端子、無線LANのスイッチといった、頻繁にアクセスするものを左側面に集中させる一方で、机に置いて使っている限りは抜き差しがほとんどないと思われる、有線LAN、USB 2.0、シリアル、アナログRGB、電源などは、背面に設けられている(USBは右側面にも用意されているが、これはUSBメモリの利用を考えれば、妥当な配置と思われる)。

 また、これはLatitude D830に限らず、Latitude D630にもいえることだが、ピッチ18ミリと余裕を持ったキーボードに組み合わされるポインティングデバイスとして、多くのノートPCで採用されているタッチパッドとともに、スティックデバイスを採用していることは、採用する製品が少なくなってしまった今となっては、注目に値する。ただし、実際に使ってみると、スティックのキャップに使われているゴムの形状とすべり止めの突起が指にあまり馴染まないなど、長時間の操作にあまり向いていないように感じられた。もっとも、マウスカーソルの移動速度や感度をやや軽めに設定すれば操作感はかなり違ってくるので、それほど致命的な欠点とはならない。

キーボードは従来モデルのLatitude D820と同じものを搭載する。ポインティングデバイスとしてタッチパッドとスティックデバイスを実装し、設定で併用も片方のみの利用も可能だ
評価機の内蔵ドライブは2層書き込み対応のDVD±RWだが、BTOではDVDスーパーマルチドライブやセカンドHDD、トラベルライトモジュールなどが用意されている

正面に端子類はなく、背面に有線LAN、S-Video、USB、モデム、シリアル、アナログRGB出力端子が並ぶ

左側面にはIEEE 1394、Expressカードスロット(中央下段)、無線LANの電源スイッチ、TypeII対応PCカードスロットを、右側面には内蔵光学ドライブと2つのUSB 2.0端子を搭載する

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