先週、NVIDIAの新GPU「GeForce 8800 GT」を搭載したグラフィックスカードが各社から登場した。多くはリファレンスデザインで製造されており、オーバークロック仕様のモデルもいくつか出回っている。価格を見ると3万1000円〜4万円と、製品によって開きがある。
GeForce 8800 GTは、現行最上位の8800 GTXと8800 GTSの中間にラインアップされるGPUで、製造プロセスが従来の90ナノメートルから65ナノメートルに変更されている。これによって発熱が抑えられ、リファレンスデザインのカードでは1スロットに収まる薄型のクーラーを採用。また、PCI Express 2.0に対応しており、環境がそろえば従来の2倍の帯域でデータを転送することが可能だ。標準の動作クロックは、コアが600MHz、メモリは1.8GHz。512MバイトのDDR3メモリを搭載する(関連レビュー:これぞ真の“ド級”GPU──GeForce 8800 GTで「Crysis」ベンチマークを動かす)。
ラインアップは多いものの各製品の入荷数が少なく、発売日から好調に売れていることもあって、しばらくは品薄が状況が続きそうだ。フェイス パーツ館は「入荷して店頭に並べたら、30分もしないうちに売り切れてしまいます。在庫が保てるか不安ですね」と語る。
この人気の理由を支えているのは、ハイエンド志向のユーザーでも満足できる性能と、コストパフォーマンスの高さにある。BLESS秋葉原本店も「各種のベンチマークでも8800 GTXに匹敵するスコアを出しています。これで4万円以下だから、お買い得感は高いでしょう」と、入荷前からヒットを予想していたとか。
ただ、PCI Express 2.0をサポートする点は一定の評価を得ているものの、多くのショップであまり売れ行きには影響を与えていないようだ。
「PCI Express 2.0対応のX38マザーとセットで購入された方もいますが、まだ少数派でしょう。将来性を加味して購入に踏み切った人は多いと思いますが、多くの人はPCI Express 1.0環境で使っているようです」(某ショップ)とのこと。
特徴の1つである発熱量の低さもそれほど注目されていない様子だ。ある店員さんは「発熱量が低いといっても、しょせんは従来比。実際に動かしてみたけど、1スロットクーラーを無理して採用したとしか思えないほど熱くなるね。小型ケースや低容量電源で使うには危険かも」と手厳しい。
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