モバイルもタブレットもOK!なニクイやつ――日本HP「HP Compaq 2710p Notebook PC」二刀流の切れ味は?(1/2 ページ)

» 2007年11月21日 11時21分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

ペン操作が可能なデジタイザを内蔵したモバイルPC

「HP Compaq 2710p Notebook PC」

 「HP Compaq 2710p Notebook PC」は、日本ヒューレッド・パッカードのビジネス向けノートPC「HP Compaq」シリーズに新たに加わった、タブレット機能を内蔵した1スピンドルのモバイルPCだ。ジャストA4サイズのボディに回転式の12.1インチワイド液晶ディスプレイを搭載しており、通常のノートPCスタイルのほか、中央のヒンジ部分でディスプレイを180度反転させて折りたたんだタブレットPCスタイルでも使えるのが特徴だ。

 メモリやHDD容量、オフィススイートの有無で全3モデル用意されているが、今回はWindows Vista Businessプリインストールの「GP148PA#ABJ」を評価した。なお、OSは初回起動時に64ビット/32ビットを選択できるが、今回は32ビット版を導入している。

HP Compaq 2710p Notebook PCシリーズのラインアップ
型番 GP148PA#ABJ GP147PA#ABJ GT559PA#ABJ
CPU 超低電圧版Core 2 Duo U7500(1.06GHz)
メモリ 1024Mバイト 512Mバイト
チップセット Intel GM965 Express
HDD 80Gバイト 120Gバイト
グラフィックスチップ チップセット内蔵
液晶ディスプレイ デジタイザ内蔵12.1インチワイド(非光沢)
画面解像度 1280×800ドット
OS Windows Vista Business Windows XP Tablet PC Edition 2005
オフィススイート Office Personal Edition 2007
HP Directplus価格 26万2500円 25万2000円 28万3500円

超低電圧版Core 2 Duoを筆頭に省電力重視のハードウェア

底面のネジを6本外してカバーを取り除くとメモリスロットやHDDベイにアクセスできる。Mini PCI Expressスロットには空きがある

 まずは基本的なスペックから見ていこう。CPUには超低電圧版のCore 2 Duo U7500(1.06GHz)を採用し、グラフィックスコアを内蔵したチップセットのIntel GM965 Express、IEEE802.11n/a/g/b準拠の無線LANモジュール「Intel Wireless WiFi Link 4965AGN」と、ギガビット対応の有線LANコントローラチップ「Intel 82566MM・ギガビット・ネットワーク・コネクション」を標準で搭載し、インテルのプラットフォームブランド「Centrino Pro プロセッサー・テクノロジー」の要件を満たしている。

 メインメモリはPC2-5300対応のSO-DIMMを1Gバイト(512Mバイト×2)搭載する。最大搭載容量は4Gバイトだが、出荷時に本体底面の2基あるスロットが埋まっているため、メモリを増量するには装着済みのモジュールを取り外す必要がある。

 HDDは1.8インチ/4200rpmで、インタフェースはUltra ATA/100となる。保護機能としては、HDD本体を衝撃吸収素材で包み込むとともに3Dモーションセンサを備えることで、落下や振動を検知するとヘッドをセーフティゾーンに退避させてヘッドクラッシュを防ぐ「HP 3D ドライブガード」を内蔵している。

 グラフィックス機能は、Intel GM965 Expressチップセット内蔵のグラフィックスコア「Intel GMA X3100」を利用する。GMA X3100はチップセット内蔵グラフィックスコアとしては比較的高い性能を持っており、本格的な3Dゲームのプレイには向かないものの、Windows Aeroの動作に不安はない。通信機能としては、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応の有線LAN、ドラフト11n(1.02対応/W56は非対応)準拠の無線LAN、Bluetooth 2.0+EDR、56KbpsのFAXモデムを標準で内蔵。無線LANのオン/オフを切り替えるボタンが左側面にある。

 なお、光学ドライブは内蔵していないが、オプションのドッキングステーション(スリム拡張ベース)が用意される。これには7ミリ厚のDVDスーパーマルチドライブを内蔵するほか、4基のUSB 2.0、アナログRGB出力、S-Video出力、有線LAN端子などを装備している。

厚さ7ミリのDVDスーパーマルチドライブを内蔵した別売のスリム拡張ベース(直販価格3万9900円/写真=左)。背面に豊富な拡張端子を用意している。ドッキング時は本体の厚さが約38ミリ、重量が約2.4キロになる。右の写真はスリム拡張ベース(上)とスリム・バッテリー(直販価格1万5750円/左下)、および標準バッテリー(右下)。ACアダプタはサイズが46(幅)×108(奥行き)×29.5(高さ)ミリ、重量が約415グラムある

ボディはやや厚めだが高級感と剛性感のあるタイトな仕上がり

セキュリティ関連の統合ツール「HP ProtectTools Security Manager」の画面。Windows上からBIOSのセットアップも行える

 ボディサイズは、290(幅)×228(奥行き)×28.2(厚さ)ミリとほぼA4サイズに収まっており、金属の質感を生かした明るいシルバーを中心に、底面はラバーコーティングされたマットブラックと、見ためも持った印象も高級感が感じられる。デジタイザを内蔵した液晶部分が約11ミリと厚いためモバイルPCながらスリムではないが、逆にボディの剛性感は高く、持ち運びに不安を感じない。また、以前レビューした「HP Compaq 8510w Mobile Workstation」 と同様、セキュリティチップと指紋センサを内蔵することでセキュリティ機能や安全性の面でも不満はない。

 重量は標準バッテリー込みで約1.7キロだ。オプションで底面に装着する座布団型の「スリム・バッテリー」が用意されているが、これも取り付けると約2.25キロとなる。駆動時間は標準バッテリー(容量は11.1ボルト 4400mAh)装着時で約6時間、スリム・バッテリー(容量は10.8ボルト 4600mAh)も装着すると約12時間(ともに公称値)の駆動が可能になる。実際に標準バッテリー装着時に利用してみたところ、Webブラウズメイン(無線LANを使用)の利用で約3時間経過後に残量メーターは残り30%弱を示していた。スリム・バッテリーを装着するとボディの厚さは約35ミリとなるが、長時間駆動の選択肢が用意されているのは魅力だ。

本体底面に装着できる「スリム・バッテリー」を装着したままの状態で、、スリム拡張ベースにドッキング可能だ(写真=左)。標準バッテリーとあわせて約12時間の駆動に対応するが、本体の厚みは約45ミリとなり、重量は約2.95キロに増える。液晶ディスプレイは12.1インチワイドで、解像度は1280×800ドットになる(写真=右)。タブレット用の保護板があるため鮮明度はやや落ちるが、視野角は広めなので視認性は悪くない。ヒンジの左側に周辺光センサを内蔵している

 ワイド液晶ディスプレイのサイズは12.1インチで、解像度は1280×800ドットだ。消費電力の低いLEDバックライトを採用しており、「周辺光センサ」の内蔵によって、周囲の明るさに応じて自動的に明るさを調整してくれる(オフにすることも可能)。最高にしても輝度がそれほど高いわけではないが(輝度は10段階調節)、視野角は上下/左右方向とも割と広く、実用には十分な視認性を備えている。プレゼンテーションに使ったり、多人数で本機の画面をのぞき込んだりする場面でも問題なく利用可能だ

 ノートPCスタイル/タブレットPCスタイルの変更を行うには、液晶ディスプレイを時計回りに180度回転する必要がある。液晶ディスプレイは中央の小さなヒンジ部分で支えられているが、この部分の剛性は高く、ノートPCスタイル時にぐらついたり後ろに倒れてしまいそうになるとか、回転させるときにひっかかりを感じたりといった不安はまったく感じない。

液晶ディスプレイ部分は時計回りに180度回転可能だ(写真=左と中央)。液晶天面はマットなシルバーで、パームレストは光沢調になっている(写真=右)

 次のページではタブレット機能の使い心地を見ていこう。

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