レビュー
» 2007年11月21日 17時30分 公開

“自作PCの理想”をサイコムの「GZ」に見た (1/2)

1度でもPCを自作したことがある人なら、サイコムの高性能ミドルタワーPC「GZ 1000P35」を見て、「ああ、こんなPCが欲しかったんだよね」と思わずうなってしまうかも。

[兼子忍,ITmedia]

 オンラインBTOメーカーのサイコムが発売する「GZ 1000P35」は、静音ミドルタワーケースを新採用したCore 2 Duo/Quad搭載モデルだ。CPUをはじめとする基本スペックはもちろん、マザーボードや電源ユニットに至るまで、ほぼすべてのパーツを好みや予算に応じて変更できるのが魅力で、最小構成価格も7万4800円からとハードルが低い。

 まずは、今回のレビューに用いた評価機のパーツ構成を紹介しておこう。この記事ではWindows Vistaが快適に動作するだけでなく、負荷の高い3Dゲームなどの用途も想定して、最小構成から大幅に仕様を強化している。特にCPUは、最小構成のCore 2 Duo E4500(2.2GHz/FSB800MHz)から、クアッドコアのCore 2 Quad Q6600(2.4GHz/FSB1066MHz)に変更した。

 また、メモリは512Mバイトから2Gバイト、HDDは80Gバイトから日立GST製の250Gバイトにそれぞれ強化したほか、最小構成時に選択されるGeForce 7200GS搭載カードも、DirectX 10対応のGeForce 8600 GTS搭載モデルにアップグレードしている。光学ドライブはDVD-ROMドライブではなく、パイオニア製のDVDスーパーマルチドライブだ。

 マザーボードはIntel P35 Expressチップセットを搭載した4種類から選択できるが、今回はASUS製P5Kを採用した。最小構成モデルの弱点であるメモリとHDDの容量不足、光学ドライブの弱さを補いつつ、高性能なCPUと最新3Dゲームもプレイできるグラフィックス性能を実装した構成で、ビデオ編集やデジタルカメラで撮影したRAWファイルの現像、ゲーム用途に至るまで、あらゆる作業をソツなくこなせる内容と言えるだろう。

評価機はCore 2 Quad Q6600とGeForce 8600 GTSのハイパフォーマンスな構成。CPUファンはSUNTRASTのNAGINATA(+3390円)だった。ちなみにマザーボードは、Intel P35 Express+ICH9を組み合わせたASUSTeK製「P5K」だ

幅広いBTOメニューはメーカー指定でのパーツ選択も可能

HDDは容量や回転数、メーカー別に13種類を用意する。性能重視でシステムドライブを10000rpmモデルにする、といったニーズにも対応できる

 本機の特徴の1つは、フルBTOのさらに上を行く、メーカー指定でのパーツ選択が可能な点だ。先ほどマザーボードを4種類から選べると書いたが、実際にIntel P35 Express搭載マザーをASUSTeKとGIGABYTEの2社から、サウスブリッジの組み合わせで選択できる。また、HDDはシーゲイト、日立GST、ウエスタンデジタルのパーツがリストアップされ、同じ容量、同じ回転数のドライブでさえ複数の選択肢が用意されているのだ。同社のサイトでBTOメニューを眺めていると、まるで自作PCを組み立てるときのような気持ちになる。

 もちろん、FSBクロック1333MHz対応のCore 2 Duoや、10000rpmの高速HDDといった性能面からスペックを決めることもできるし、電源ユニットを700ワットの大容量タイプに変更したり、静音性を向上する騒音・振動吸収シートを装着したりと、性能、拡張性、快適さにこだわってパーツを選ぶこともできる。買い物カゴに自分の好きなパーツを入れていき、最後の組み立て工程だけをプロにまかせる、という感覚に近い。

 さらにケースまでもが、GZシリーズの標準モデルだけでなく、Antecやクーラーマスター製のものに変更可能だ。ただし、標準で用意されているケースのできがかなりいいので、ここは変更する必要がないかもしれない。このケース、自作マニア心をくすぐる仕上がりなのだ。

拡張性、静音性、冷却性能のすべてで高い完成度を誇る

 前述したように、GZシリーズのミドルタワーケース「SY-J624 Silent460」は、本機の大きな魅力の1つになっており、従来のGXシリーズから変わった部分でもある。一見するとシンプルなデザインだが、その内部は“自作PCの理想”を追求したかのような数々の配慮が見てとれる。

本体背面(写真=左)/左側面(写真=中央)/前面(写真=右)。※写真では拡張カードがレバーで固定される構造になっていますが、実際はネジどめになります

 たとえば静音性の面では、ドライブとファンの振動を抑えるABSラバーレールや制振ラバーを各所に配置しているほか、ケース前面側の吸気用スリットをフロントマスクの両端に入れることで、内部の音もれの影響を小さくしている。

拡張ベイにはABSラバーレールで振動を抑えている(写真=左)。使用していない3.5/5インチのラバーレールは、5インチベイに格納しておける(写真=中央)。サイドカバーの吸気口にはホコリを防ぐフィルターが装着されている(写真=右)

 もちろん、排熱設計も万全だ。本機はケース前後に12センチファンを搭載しているが、さらに冷却性能を向上させるオプションとしてサイドファン冷却ユニットを追加することができる。サイドファン冷却ユニットは、ケース左側面に2基の横向き冷却ファンを追加するもので、発熱の高いグラフィックスカードを搭載しても余裕を持たせられるのがメリットだ。

 この冷却ユニットはケース下部を覆ってしまうほどの大きさだが、前方のスライドストッパーを開放し、後方のツメを押し下げれば外側に倒すことができるので、拡張カードの着脱やHDDの換装といったメンテナンスを行う際にも作業のじゃまにならない。また、ケース前面側に近いほうの1基は、90度回転させてケース内部のエアフローにそう形でも利用できる。このギミックには、思わず「おお」と声を上げてしまった。

オプションのサイドファン冷却ユニット(+1980円)は、ケースの下3分1を覆うくらい大きいが、ストッパーとツメだけで外側に開くことが可能だ。また、前面側のファンはエアフロー(前面吸気から背面排気)と同じ方向に、立てて利用することもできる(写真=左/中央)。前面と背面のケースファンは、四隅に制振ラバーを装着しているほか、前面ファンにはフィルタも付く(写真=右)

 なお、サイドファン冷却ユニットを外した状態での騒音レベルは公称で最大25デシベル以下となっているが、今回サイドファン冷却ユニットを追加した評価機で騒音をチェックしたところ、ベンチマークテストの計測中はもちろん、ゲームソフト起動中やCPUに負担のかかるビデオファイルの変換中でも、アイドリング中に比べ目立って騒音が増大することはなく、常に高いレベルで静音性を保っていた。

 拡張性は、5インチベイを4基、3.5インチベイ2基、HDD専用ベイ5基を用意し、ミドルタワーケースの中でも豊富と言える。BTOで搭載可能なHDDは2基までだが、購入後にHDDを数多く増設する余裕があるのはうれしい。また、評価機が搭載するマザーボードは、PCI Express x16スロットを2基、PCI Express x1スロットを1基、PCIスロットを3基搭載しており、拡張カードを追加する余地も十分に用意されている。

 なお、ケース両側のサイドパネルは2カ所のストッパーを指で外すだけで簡単に開放できるほか、ドライブ類の固定もレールを装着したドライブをベイに差し込むだけで済むツールフリー構造が採用されており、機能の増設やトラブルの際の機器交換を簡単に行える。PC関係のパーツは、技術の進歩とともに比較的早く陳腐化してしまう傾向にあるが、このケースであれば性能に不満のあるパーツだけを少しずつアップグレードして、長く使うことができるだろう。

シャドウベイはユニット全体が回転する構造になっており、前面ケースファンもツールレスで着脱できる。フィルタを掃除する時に便利だ

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