高性能に高級感を加味した“XPSスタンダードノート”――「XPS M1530」の実力は?XPS M1330に兄貴分登場(1/2 ページ)

» 2007年11月28日 16時45分 公開
[兼子忍,ITmedia]

BTOでSSDやBlu-ray Discを選択可能なスリムノート

デル「XPS M1530」

 デルの「XPS」シリーズは、パフォーマンス重視の個人向けPCラインだ。その中で11月28日に発売された15.4インチワイド液晶搭載ノートPC「XPS M1530」は、スタンダードモデルの役割を担う。現在、日本のコンシューマーPC市場では15.4インチワイド液晶搭載ノートPCが主流になっており、各メーカーがしのぎを削っている。デルは年末に向けて、デザインへのこだわりと豊富なBTOで多目的に使えるXPS M1530を投入することで、この激戦区でのシェアアップを狙う。

 XPS M1530の特徴としてまず挙げられるのが、この手のワイドノートとしては最高級のパフォーマンスを発揮することが可能なBTOメニューだ。CPUはFSB 800MHz対応のCore 2 Duoを採用し、T7250(2.0GHz)から同T7800(2.6GHz)までの4種類から選べる。メインメモリはPC2-5300で、最大4Gバイト(2Gバイト×2)まで搭載できる。ただし、OSはWindows Vista Ultimate/Home Premium(32ビット)なので、OSで認識されるメモリ容量は4Gバイト未満だ。なお、メモリ1Gバイト選択時に限り、+5250円で1GバイトのIntel Turbo Memoryを加えられる。

 HDDは2.5インチのSerial ATAタイプで、最小構成は160Gバイト(5400rpm)。シングルドライブ構成ながら、320Gバイト(5400rpm)や200Gバイト(7200rpm)といった大容量かつ高性能なドライブも選択可能だ。さらに、64GバイトのSSDを選べるのはユニーク。160GバイトHDDとの差額は+13万9650円にもなるため、一般的なユーザーにはおすすめしないが、記録容量を犠牲にしてでも、パフォーマンスを優先したい人には見逃せないBTOメニューといえる。

 チップセットはグラフィックスコアを統合していないIntel PM965 Expressを採用。グラフィックス機能はNVIDIA GeForce 8400M GS(メモリ128Mバイト)もしくはGeForce 8600M GT(メモリ256Mバイト)からの選択となる。どちらもノートPC用グラフィックスチップとしては高い3D描画性能を持つが、後者を選べばより本格的なゲーミングPCとして活用できるだろう。15.4インチワイド液晶ディスプレイは、標準で1280×800ドット(WXGA)表示となる。対応時期は未定ながら、1440×900ドット(WXGA+)と1680×1050ドット(WSXGA+)の液晶パネルも選択可能になる見込みだ。

光学ドライブはスロットイン式でBlu-ray Discドライブも選択可能

 光学ドライブは、DVD±RWドライブ(DVD+R DL記録対応)に加え、2倍速記録対応のBlu-ray Discドライブも選択可能だ。DVD±RWドライブとの差額は発売時で+7万2450円と高価だが、XPS M1530はHDMI 1.2出力端子も備えており、これと組み合わせてコンパクトなBlu-ray Disc再生環境を構築できる点で、注目度の高いBTOメニューといえる。

 無線LAN機能は標準でIEEE802.11a/g/b準拠のIntel PRO/Wireless 3945ABGを内蔵。さらに+9450円でNext-Gen製のIEEE802.11n/a/g/b(11nはドラフト仕様)モジュールを搭載可能だ。ドラフト11n準拠の無線LANルータなどと組み合わせて高速なワイヤレス通信環境を構築したいなら、Next-Gen製モジュールの導入も検討してほしい。

こだわりのデザインにHDMIなど充実した拡張性を確保

サファイアブラックの天板

 高い基本スペックと並んでポイントとなるのが、洗練されたボディデザインだ。モバイルノート「XPS M1330」を大型化したような外観で、全体が緩やかなカーブを描く流線型のフォルムや、液晶ヒンジ部両脇のロゴ刻印、タッチセンサ式ボタンと青色に光るインジケータ、パームレスト部にヘアライン加工を採用するなど、高級感を演出する要素が多い。書斎などのプライベートな空間でインテリアとの親和性を考えて導入しても問題ない仕上がりといえる。

 天板のメインカラーは、ルビーレッド、アルパインホワイト、サファイアブラックの3色を用意している。17インチワイド液晶を搭載したXPS最上位ノート「XPS 1730」のように各部を光らせるといった派手な演出はないが、メインカラーとシルバーの2色を組み合わせることで、落ち着いた雰囲気を打ち出している。

 今回入手した試作機は、サファイアブラックのカラーを採用していたが、天板はマイクロサテン処理の塗装で手触りが実に滑らかだった。マグネシウム合金をベースに艶消しアルミニウムを用いたボディ全体の質感もなかなかのものだ。本体サイズは357(幅)×263(奥行き)×23.7〜35.1(高さ)ミリ、重量は最小構成で約2.62キロとなっており、15.4インチワイド液晶搭載のノートPCとしてはスリムに仕上がっている。

メモリモジュールやHDDの着脱は容易だ。3基のMini PCI Expressカードスロットを持つ。ACアダプターはケーブルを巻き取りやすい構造になっている

 メインメモリのSO-DIMMスロットは底面に搭載されており、ネジ止めされたカバーを取り外すだけで簡単にたどり着ける。左側面に用意された2.5インチHDDベイは、底面4カ所のネジを外し、ドライブを装着したマウントごと横から引き抜くことで取り外せる仕組みだ。メモリやHDDの交換作業に手間取ることはない。

 拡張端子には、USB 2.0を合計3基搭載するほか、IEEE1394(4ピン)、ExpressCard/54スロットを用意する。本体サイズを考慮すると、3基というUSB 2.0の数は多くないものの、プリンタと外部HDDを常時接続しても、USBメモリや携帯音楽プレーヤーの装着用として1基を残しておけることから、必要最小限の拡張性は満たす。前面にはSDメモリーカード(SDHC対応)/MMC/メモリースティック(PRO対応)/xDピクチャカードを利用可能なカードスロットも搭載しており、デジタルカメラで撮影した写真などを手軽に取り込むことが可能だ。

 映像出力端子には、一般的なアナログRGB出力とS-Video出力のほか、前述の通りHDMI 1.2出力を備えている。HDMIを利用すれば、リビングルームの大画面TVにハイビジョン映像をデジタル出力することも可能だ。外部映像出力の端子は充実している。

 そのほか、右側面には無線LAN機能の電源スイッチに加え、無線LAN探索ツール「Wi-Fi Catcher」を起動するためのワンタッチボタンが搭載され、周囲の無線アクセスポイントを手軽に発見して接続することが可能だ。

前面には、2人同時で音楽を楽しめる2基のヘッドフォン出力、ノイズキャンセリング機能付きマイク入力、メモリカードスロットが並ぶ(写真=左)。液晶ディスプレイ部はラッチレス構造で、開閉しやすいように突起が設けられている。背面には、リチウムイオンバッテリと排気口が用意されている(写真=右)

左側面には、ACアダプター用のDC入力、アナログRGB出力、100BASE-TXの有線LAN、2基のUSB 2.0、HDMI 1.2出力、4ピンのIEEE1394が配置されている(写真=左)。右側面には、スロットインタイプの光学ドライブ、USB 2.0、S-Video出力、ExpressCard/54スロット、無線LANスイッチなどが並ぶ(写真=右)

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