使用済みインクカートリッジは郵便局へ――“里帰りプロジェクト”始動メーカー6社が環境保全で団結

» 2008年04月08日 20時30分 公開
[前橋豪,ITmedia]

ライバルが垣根を越えて環境保全に取り組む

郵便局に設置されるインクカートリッジ回収箱。独自のイメージキャラクターで認知度アップを図る

 プリンタメーカー6社は日本郵政グループと協力し、郵便局にて家庭用プリンタの使用済みインクカートリッジを共同で回収する「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」を4月8日より開始した。共同回収の参画企業は、ブラザー工業/ブラザー販売、キヤノン/キヤノンマーケティングジャパン、デル、セイコーエプソン/エプソン販売、日本ヒューレット・パッカード、レックスマークインターナショナルの各プリンタメーカーと、日本郵政グループ(郵便事業/郵便局)だ。

 使用済みインクカートリッジの回収や再資源化は、これまでプリンタメーカー各社が独自に取り組んできたが、年間で約2億個のインクカートリッジが使用されているのに対し、使用済みインクカートリッジの回収率は10%程度にとどまっているという。家電量販店などで見かける回収箱を利用するユーザーは少数で、使用済みインクカートリッジの大半は、家庭で一般ゴミとして捨てられているのが現状だ。

 今回のプロジェクトはこうした現状を打破すべく、国内の主要なプリンタメーカー6社が共同で実施するもので、全国の郵便局3638局に6社の使用済みインクカートリッジをまとめて集められる回収箱を設置し、効率的な回収スキームの構築や回収率の向上に注力していく。回収率の目標は、開始後に郵便局の回収だけで10%程度、以後は20〜25%を目指すという。

 同日行われた記者会見では、キヤノンマーケティングジャパン代表取締役の村瀬治男氏が登壇し、今回の共同回収プロジェクトについて概要を説明した。インクカートリッジ回収の流れは、郵便局の回収箱で使用済みカートリッジを収集し、ゆうパックで仕分け作業所(長野県諏訪市のミズベ作業所)に送った後、仕分け作業所にて各社別に仕分けされ、送付されるというものだ。最終的には、各社がそれぞれの方法でインクカートリッジの再資源化を行う。

 共同回収の役割分担については、郵便局が「回収箱の局内設置」、郵便事業が「資材の物流とゆうパック発送」、ミズベ作業所が「メーカー別の仕分け作業」、プリンタメーカー6社が「再資源化処理と告知活動」を行う。共同回収にかかる費用は、回収量の比率などに応じて各メーカーが負担するという。

 「日ごろはプリンタ市場でしのぎを削っているライバル同士が、垣根を越えて手を取り合い、使用済みインクカートリッジの共同回収を実現できたことをうれしく思う。環境問題は世界的に重要テーマ。今回の共同回収を日本発のよい事例として発信し、大きく育てていきたい」(村瀬氏)。

使用済みインクカートリッジ共同回収の参画企業(写真=左)。回収箱が設置される全国の郵便局の内訳(写真=中央)。使用済みインクカートリッジ共同回収の流れ(写真=右)。回収箱を設置している郵便局は集配機能を持つ局で、今後順次増やしていく予定だ

 記者会見では、関係各社からの出席者が自社の環境対策をアピールするとともに、共同回収の実施による使用済みインクカートリッジの再資源化、環境保全施策の促進に期待を寄せた。

発表会でコメントした各社の代表。後列左から、ブラザー販売代表取締役社長の片山俊介氏、デル ノースアジア マーケティング&オペレーションズ ディレクターのジェームス・リー氏、日本ヒューレット・パッカード取締役専務執行役員の吉田雅彦氏、レックスマークインターナショナル代表取締役社長の中西伸行氏。前列左から、キヤノンマーケティングジャパン代表取締役の村瀬治男氏、郵政事業代表取締役会長の北村憲雄氏、郵便局代表取締役会長の川茂夫氏、エプソン販売代表取締役社長の平野精一氏

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