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» 2008年04月15日 20時14分 公開

“パソコンの次”を発明?:自宅のPCをポケットに入れて持ち歩く――NEC「Lui」発表会 (2/2)

[後藤治,ITmedia]
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自宅に設置したハイスペックなPCを持ち運ぶ「Lui RN」「Lui RP」

4月26日から放映されるCMでは、自宅のサーバを小型端末で操作するイメージを打ち出している

 家庭内のデジタル機器にコンテンツを配信する「コンテンツオンデマンド」に加えて、外出先から小型の専用端末でサーバPCを遠隔操作する「PCオンデマンド」もLuiのキーコンセプトの1つだ。

 PCリモーターと呼ばれる専用端末には、ノートPC型「Lui RN」とポケット型の「Lui RP」が用意される。サーバPCの遠隔操作は、サーバ側で圧縮・転送したPC画面をクライアント側でデコードする「リモートスクリーンテクノロジ」で実現しており、サーバPCを操作するための入出力デバイス(ディスプレイとキーボード)だけを持ち運ぶようなイメージだ(ただし、最初に接続したクライアントが優先され、クライアント側から接続要求の優先順位を指定できない、サーバ側のドライブに光学メディアが入っている時はサーバに接続できない、当然ながらリモートスクリーンでハイビジョン放送の録画コンテンツを視聴することはできない、といった制限はある)。

 Lui RN700/1Cは、10.6インチワイド液晶(1280×768ドット表示)を搭載した端末で、17ミリピッチ/2.5ミリストロークのキーボードなど、ノートPCの操作感を踏襲するボディデザインが特徴。HDDを搭載しないため、本体重量は640グラム、厚さ15.8ミリと非常に薄いが、面耐圧性能は約190kgfとなっており、栗山氏は「軽く薄くしたにもかかわらずこれだけの堅牢性を確保した」と自信を見せる。また、バッテリー駆動時間は最大約4.6時間(公称値)で、「例えば115グラムの別売バッテリーを2つ持ち歩けば、総重量800グラム台という、最軽量クラスのPCと同じ重さで、約14.5時間の駆動も可能だ」(同氏)と、モバイル性能の高さをアピールした。価格は8万9880円。

PCリモーターの1つ「Lui RP」は一見ノートPCのように見えるが、入出力以外をざっくりと省いたWindows CE(5.0)機だ(写真=左)。キーボード部の厚さが10ミリしかない非常に薄いボディが目を引く。HDDは搭載していないが、2基のUSB 2.0とSDメモリーカードスロット、CFカードスロットを側面に備えており、自宅のPC内にあるデータが今すぐ欲しい、といった場合はメモリカードにダウンロードできる。ネットワーク機能は有線LANとIEEE802.11g/b準拠の無線LAN(写真=中央)。キーボード奧側に基板をレイアウトしているためパームレストがなく、タッチパッドの代わりにスティックポインタを採用している

 一方、Lui RP500/1Cは、ペン入力に対応した4.1インチワイド液晶(800×480ドット表示)を搭載したポケット型の端末だ。スライド式キーボードを閉じたときのサイズは、142(幅)×80(奥行き)×22(高さ)ミリ、重量は約249グラム。左側面のグリップ部にはすべりどめのシボ加工が施されており、親指の位置にカーソルスティックを配置するなど、立ったままでもコンテンツの閲覧などができるデザインとなっている。

 ディスプレイの解像度は800×480ドットとやや狭いが、自宅のPC画面を表示する際に全体表示と部分表示をワンタッチで切り替える専用ボタンを備える。また、「FIT」ボタン(Fn+画面切り替え)を押すことで、アプリケーションのアクティブウィンドウにあわせて画面サイズを調整する機能もある。

 主なインタフェースは、USB 2.0、SDメモリーカードスロット、CFカードスロット。ネットワーク機能は、11g/b準拠の無線LANのみで有線LANポートは搭載していない。バッテリー駆動時間は公称値で約5.4時間だ。価格は4万9980円。

ポケットサイズの「Lui RP500/1C」(写真=左)。QWERTY配列の59キーボードを搭載。キーピッチは10.8ミリだ(写真=中央)。FNと画面切り替えの同時押しで画面表示がアクティブウィンドウのサイズになる(写真=右)

各種インタフェースは本体上面に集中している(写真=左)。左側面はグリップしやすいシボ加工が施されており、高級感も演出している(写真=中央)。右側面にはタッチペンを収納するホルダがある(写真=右)

 両モデルともに、サーバとの接続は(事前の設定さえ済んでいれば)クライアント上のホームメニューにある接続ボタンを押し、パスワードを入力するだけと、非常に簡単に行える。また、接続先として複数のプロファイルを保持することもできる。

 クライアント側に表示されるサーバPCの画面は、操作レスポンスの速いPCモードと、動画などをなめらかに再生するMovieモードの2種類から選択できる。これは転送されてくる画面のバッファリングを行うかどうかの違いで、実際比べてみると、前者ではマウスポインタなどがきちんと動く半面、差分表示のできない動画などを表示する際は画面がカクつき、後者では動画などが比較的なめらかに動く半面、マウスポインタの追従性が極端に落ちる。このほか、画質とレスポンスのどちらを優先するかで、5段階まで調節することも可能だ。

 なお、専用端末にメディアプレーヤー機能などはなく、ほぼ完全にシンクライアントとして動作するが、唯一ソリティアだけは遊べるようになっていた。

試しにYouTubeを再生してみた。Webブラウズ程度なら1Mbps、動画再生でも6Mbps程度あればストレスなく表示されるようだ(写真=左)。サーバPCを遠隔操作するリモートスクリーンのほか、サーバ上のデータをクライアント側のメモリカードなどに転送する機能もある(写真=中央)。唯一スタンドアロンで動作するのがソリティア。つまりネットのないところではソリティア専用端末になる(写真=右)

画質とレスポンス(動き)のバランスを5段階で調整できる。左が画質優先、右が動き優先だ(写真=左/中央)。動き優先でもマウスカーソル付近だけ精細に表示されているのが分かる(写真=右)

VALUESTAR RのLuiモデル(写真=左)。

 このほか、従来のVALUESTAR Lシリーズをベースにした、PCオンデマンド機能を実現するLuiモデル「VALUESTAR R」が用意された。上位モデルの「VR970/MG」は、CPUにCore 2 Quad Q6600(2.4GHz)、メモリ容量2Gバイト、HDD容量500Gバイト、NVIDIA GeForce 8400GS、Blu-ray Discドライブを搭載し、19インチワイド液晶ディスプレイ(1440×900ドット表示)が付属する。下位の「VR500/MG」は、CPUがCore 2 Duo E4500(2.2GHz)、HDD容量が320Gバイト、光学ドライブがDVDスーパーマルチとなり、そのほかの仕様はVR970/MGと共通だ。

 同製品はリモートスクリーンエンジンを搭載した専用ボード(PCリモーターサーバボード)を従来モデルに追加しただけで、本体デザインなどに変更はない。また、PCリモーターは別売になる。なお、NEC Directでは、各パーツの構成を変更できるBTOにも対応しており、価格は最小構成で21万3528円からとなっている。

「ユビキタス時代になってもPCが主流の世界を作っていく」

パートナーと連携して“Luiワールド”の拡大をめざす

 最後に栗山氏は「Luiの発売にあたって、多くの賛同と自社サービスへの対応表明をいただいた。(Luiの製品コンセプトは)言葉は違えども多くの先進的な企業がめざしているものと一致しているのだろう」と述べ、Luiが提案する「新しいライフスタイル」の実現には、パートナー企業との連携が重要だと強調した。

 また、PCリモーターサーバボードのOEM供給(もしくは協業)を行っていく方針も明らかにし、実際に商品化を予定しているメーカーを紹介した。「競合メーカーにもソリューションを提供していく。パートナー各社と連携してユビキタス時代になってもPCが主流の世界を作っていきたい」(同氏)。

対応予定の周辺機器など紹介

会場にはパートナー企業各社の製品が参考出品されていた。PCリモーターサーバボードを搭載した製品はマウスコンピューターとKOUZIROから販売される予定

発表会場にはLuiのCMキャラクターに起用された玉木宏さんも登場し、トークセッションを行った

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