3Dゲームからモバイルまでこなせるスリムノート――エプソンダイレクト「Endeavor NA801」妥協なきモバイルへ前進(2/3 ページ)

» 2008年05月14日 18時24分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

最新アーキテクチャに移行し、外付けグラフィックスも装備

主要なパーツは底面からアクセスできる

 コアコンポーネントも更新された。チップセットはモバイル向けとしては最新世代にあたるIntel PM965 Expressとなり、CPUにはCore 2 Duo T8100(2.1GHz)を採用。さらにグラフィックス機能には、NVIDIAがノートPC向けGPUでパフォーマンスクラスの上位に位置づける、GeForce 8600M GTを搭載した。NA702のGeForce Go 7300に比べ、単に世代が更新されただけでなく、明らかに3Dゲーム用途も意識した強化だ。

 メインメモリはSO-DIMMスロットを2つ装備してデュアルチャネルをサポートし、BTOで最大3Gバイトまで搭載可能。HDD容量は最大250Gバイトまで選択できるほか、7200rpmの高パフォーマンスタイプも用意されている。DVDスーパーマルチドライブは標準構成だ。ちなみに、有線LANがギガビット対応なのは従来からだが、無線LANはIEEE802.11n(ドラフト)に対応したモジュールを内蔵可能になった。また、BluetoothもV2.0+EDRを標準搭載している。

使い勝手を重視したコンセプトはそのまま、インタフェースを最新仕様に

BIOSレベルでのキーボード入れ替え機能は健在

 同社製品全般のポリシーである、使い勝手重視の設計は、NA801でももちろん貫かれている。キーボードは一見、NA702から変更がないようにも見えるが、大きく打ちやすいEnterキーなどはそのままに、右側にもFnキーを追加し、BackSpaceキーを拡大している。右側のFnキーを装備することにより、方向キーにアサインされたPgUp/PgDn/Home/Endキーは確実に使いやすくなった印象だ。左のFnキーとCTRLキー、右のALTキーとアプリケーションキーがBIOSで入れ替え可能な点はもちろん継承している。

 キーレイアウトの変更にあわせて、キーピッチが18.5ミリとフルピッチ(19ミリ)からわずかに詰められているが、デスクトップPCのフルピッチキーボードと併用しても、まず違和感はない程度の差だ。また、NA702ではやや小ぶりといえたタッチパッドは、ワイド画面にあわせて幅広のタイプとなり大型化された。指紋センサもクリックボタンのあいだに配置することで、デザイン的にもスマートになった。

 このほかキーボード奥には、インジケータも兼ねるタッチセンサが新たに採用された。無線LANやBluetooth、タッチパッドのオン/オフなどがより直感的に操作できるようになり、音量調整もFnキーを併用する必要がなくなった。DVDスーパーマルチドライブのイジェクトもタッチセンサとして装備している。この手のギミックは他社製品でも採用例が増えているが、ユーザーインタフェースとしては非常に合理的で分かりやすい。

 また、ワイドアスペクトとノーマルアスペクト表示のワンタッチ切り替えも、タッチセンサ式ボタンの1つとして搭載されている。1280×800ドット表示を1024×768ドット表示にワンタッチで切り替えられるため、ワイド表示に対応していないゲームをフルスクリーン表示する場合などに重宝するはずだ。

 USBポートはトータルで3つと数は減ってしまったが、左右へ分散したレイアウトや水平配置(厚みのあるコネクタを挿すときでも、空きのポートをふさいでしまうことがない)は継承している。DVDスーパーマルチドライブはスロットインタイプとなり、メディアの出し入れ時に必要なスペースが小さくなったほか、何より見た目がすっきりとした。SD/MMC/メモリースティックに対応したメモリカードスロットも健在で、SDHCにも対応している。

本体前面/背面/左側面/背面

 IOインタフェースの変更でまず目につくのは、カードスロットがExpressカードスロットになった点だ。通信カードの利用ではPCカードスロットのほうがまだまだ都合はよく(少なくとも国内では)、賛否両論はあるだろう。ただし、USBタイプの通信モジュールが主流になりつつあるのも事実で、eSATAインタフェースカードなど、Expressカードのほうが高パフォーマンスを発揮できる製品も増えつつある。比較的保守派と言える同社だが、そろそろ流れには逆らえないといったところか。

 外部ディスプレイ接続で新たにHDMIに対応しつつ、アナログRGBも残したところは同社らしい部分と言える。ビジネスユースのプロジェクターでは、高解像度はRGBとコンポーネント入力のみという製品もまだまだ多いからだ。HDMIでもフルHD出力(1920×1080ドット)に対応し、音声出力にも対応している。このためHDMIケーブル1本で大型TVに接続して、本機をメディアプレーヤー的に使用することもできる。今回はフルHDパネルを装備した東芝の「REGZA ZH500」と組み合わせてみたが、HDMIケーブルで接続するだけで1920×1080ドットでのドットバイドット表示ができ、音声も問題なく再生が可能だった。

背面の右端にHDMI端子を搭載する。REGZA ZH500にHDMI接続してセカンダリディスプレイとして利用してみた。初回接続時にクローンか拡張デスクトップかを選択するだけでクリアに表示が行えた

 ただし、HDMI経由で音声を出力するには、内蔵スピーカー出力を無効にする必要があり少々面倒だ。この点はほかのHDMI出力対応のノートPCでもよく見られるが、是非ユーティリティなどで映像と音声を同時にHDMI出力に切り替えを行えるようにしてほしい。

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