ソニーが満を持して投入したホームサーバ――Liblog Station「HS1」の実力(前編)ただのテラバイト級NASではない(2/3 ページ)

» 2008年05月27日 11時45分 公開
[都築航一,ITmedia]

HS1はテラバイト級のストレージとしても使えるが……

 HS1の設置が完了したら、次に家庭内での利用の実際について見ていこう。

 初めに今回の試用環境を書いておくと、筆者の自宅ではふだん、先に紹介したYahoo! BBのトリオモデム3G Plusを使い、無線LANで2台のノートPCをインターネットに接続している。今回はここにHS1を有線で接続し、さらにテスト用として同じくExtension Line by VAIOに位置づけられる「WA1」と、エントリークラスのノートPC「VAIO type N」(VGN-NR52)を無線LANで追加接続した。なお、ルータなどの機器類は特に追加していない。

今回は、WA1(写真=左)やVAIO type N(写真=右)と組み合わせて試用してみた

 HS1を単なるNASとして利用するのであれば、付属のユーティリティソフトをインストールする必要もなく、前のページで紹介したセットアップの手順で家庭内LANに容量1Tバイトの共有HDDを簡単に追加できる。この場合、複数のPCに散在しているデータを1つにまとめられるのが最大のメリットだが、筆者宅で使用している2台のPCは、筆者と家族がそれぞれ個別に使っているもので、データをやりとりしたり、共有したりすることはほとんどない。

 1人で複数台のPCを利用しているヘビーなPCユーザーの場合は別として、HS1の想定ユーザーであろう多くの一般家庭では、筆者宅と同様に、オフィスアプリケーションなどのデータを、しかもリビングに一元化するメリットは薄いだろう。

 ところが、デジタルカメラで撮影した静止画や、ビデオカメラで撮影した動画、それに音楽といったコンテンツは、視聴機器の多くがリビングにあり、複数人で楽しむ機会も多いことから、家庭内ではリビングに集められるのが自然だし、しかもこれらの視聴機器は、少しずつではあるがDLNA対応のものが増えてきている。

 そこでHS1では、大容量ストレージデバイスを単なるデータ蓄積用のNASの機能にとどまらず、動画、静止画、音楽を保存して配信できるDLNA対応のメディアサーバとしての機能に注力することで、利用シーンを一挙に拡大させている。今回はわずかの期間試用しただけだったが、それでもデジタルコンテンツはHS1に一元化したいという気になったし、リビングの再生機器で手軽に楽しめる便利さも実感できた。

 それに、VAIO(つまりPC本体)をコンテンツサーバとして使う従来のVAIO Mediaのコンセプトと比べて、HS1に一元化したコンテンツ視聴のスタイルのほうが、家族がリビングに集まっているときも別室のPCを立ち上げていなくてよいぶん、ずっと現実的かつスマートだという印象を持った。

動画と写真のデータを手軽にため込める「おまかせコピー」

 ここまでは、DLNA対応のNAS全般について、利用メリットを確認してきたわけだが、ここからはHS1でコンテンツをためる場合の利用法を具体的に見ていこう。

おまかせコピー機能の設定は、WebブラウザからアクセスするHS1の設定ページで決める

 コンテンツをためる機能に関しては、HS1の前面および背面に用意された合計3基のUSBポートと、前面のメモリカードスロットを使い、コンテンツをPCレスでHS1にコピーできる「おまかせコピー」機能がやはり手軽だ。USBポートに同社のデジタルビデオカメラ「ハンディカム」などを接続し、本体のコピーボタンを押すだけで、データのコピーが行える。

 おまかせコピー機能では、動画と写真のデータのみをコピーすることも、それ以外のデータを含む、メディア内のすべてのデータを丸ごとコピーすることも可能だ。HS1搭載のメモリカードスロットは、メモリースティック(PRO対応)、メモリースティックデュオ(PROデュオ対応)、SDメモリーカード(SDHC対応)、CFをサポートする。

 ただし、対応ファイルシステムはFATおよびFAT32に限られるため、NTFSでフォーマットされた外付けHDDなどのデータはおまかせコピーができない。ちなみに、動画と写真のみのデータをおまかせコピーする設定にした場合、自動で取り込めるファイルはDCF、DVD-Video、MPEG-2、AVCHDとなっている。

 ここで注目したいのは、AVCHD形式のビデオカメラに蓄積された映像コンテンツをPCレスで直接HS1に取り込めることだ。これはUSB経由で接続したマスストレージ内のデータをコピーできる機能を利用しているもので、AVCHD形式以外にも、USBマスストレージの機能を備えたビデオカメラであれば、撮影済みデータをHS1へコピーすることが可能だ。

 DLNAに対応する動画のファイル形式はHDV(MPEG-2 TS)、MPEG-2、AVCHDの3種類となっている(静止画と音楽ファイルの対応状況は下表を参照)。miniDVテープなどの映像はPCでいったん取り込んだ後に、HS1へコピーする流れになるが、HDD記録タイプのビデオカメラの場合は、撮影済みのデータを簡単に、しかもPCレスでコピーしておけるため重宝するハズだ。

HS1のDLNA対応ファイル形式
種別 ファイル形式
動画 AVCHD、MPEG-2、HDV(MPEG-2 TS)
静止画 JPEG、BMP、PNG
音楽 WAV、MP3、ATRAC、ATRAC Advanced Lossless、AAC、WMA

 このようにしてためこんだ動画、静止画、音楽のコンテンツは、同社が提唱する「ルームリンク」に対応した液晶TV(BRAVIA)やプレイステーション 3に限らず、他社製DLNA機器にも再生への対応が進んできている。現状でHS1に保存したAVCHDの映像は、DLNA経由でプレイステーション 3から再生できる一方、DLNA経由でBRAVIAからは再生できないなどの制限もあるが、PCやデジタル家電を横断した家庭内コンテンツの一元化もいよいよ普及期にきていることを実感できた。

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