ソニーが満を持して投入したホームサーバ――Liblog Station「HS1」の実力(前編)ただのテラバイト級NASではない(3/3 ページ)

» 2008年05月27日 11時45分 公開
[都築航一,ITmedia]
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PCからのデータアップロードもおまかせ

付属CD-ROMにはHS1の設定やデータのアップロードなどを行なうユーティリティソフト「PC Link」と、HS1内のコンテンツをPCで視聴するプレーヤーソフト「VAIO Media」が収録されている。VAIO Mediaという名前だが、ソニー製PCでなくても動作環境を満たしていれば利用可能だ

 PC経由でコンテンツをHS1に蓄積する場合は、やはり付属のユーティリティソフト「PC Link」をPCにインストールしておくべきだろう。PC Linkを使うことで、PCからHS1の設定やデータのアップロードが行えるようになる。外出先から家庭内のHS1にインターネット経由で接続する「ホームアクセス機能」を利用する際も、クライアントPCへのインストールは必須だ。

 なお、PC LinkはMicrosoft .NET Framework 2.0を利用するソフトで、インストール時にあわせてインストールされるが、試用した限りでは、PCにあらかじめ.NET Framework 2.0のSP1が導入済みの環境ではインストールが進まない現象があった。

 PC Linkの操作はやはり簡単、というよりも、初期設定を済ませてしまえば、その後はあまり意識する必要がない。というのも、PC LinkにはPC内の特定のフォルダを指定しておくことで、フォルダ内のデータを自動的にHS1にコピーする「自動アップロード」機能が用意されているからだ。

 アップロード作業を行なう間隔も設定でき、ふだんコンテンツを蓄積するフォルダを指定しておけば、ユーザーが何もしなくてもHS1にデータをコピーしていくことができる。これはコンテンツサーバとしてHS1を使うだけでなく、データのバックアップドライブとして使う場合も有効な機能だろう。

PC Linkをインストールすると、同一ネットワーク上のHS1が自動検出され(写真=左)、続いて自動アップロード機能を有効にするフォルダを指定する(写真=右)

 HS1の設定はWebブラウザから行なう仕様だ。HS1の前面の液晶モニタに表示されるIPアドレスを直接ブラウザに入力すれば設定ページにアクセスできる。トップページで「ホームサーバ設定ページ」ボタンを押して、各種設定やHS1のメンテナンスを行なえばよい。

 なお、HS1に蓄積されたデータ自体を別のストレージにバックアップしたい場合は、基本的にUSB接続で行うことになるが、1Tバイトもの大容量ストレージのバックアップをUSB経由で行うのは少々骨が折れる。HS1では操作の簡便さを重視し、2台のHDDを使ってRAIDを組む機能やプリンタサーバの機能なども用意されておらず、この辺りはネットワークやストレージの知識があるユーザーにとっては物足りないかもしれない。

本体の前面には有機ELディスプレイが用意され、おまかせコピーの進行状況、IPアドレス、HDDの使用状況と空き容量、ファームウェアのバージョン、アップデータの状況、エラーメッセージなどの情報が表示できる(写真=左)。前面の有機ELディスプレイに表示できるIPアドレスをWebブラウザに入力すると、設定画面にアクセスできる(写真=右)。「VAIO Picture Lab」ボタンは後編で紹介する

 後編では、蓄積したコンテンツの楽しみ方や、ほかのExtension Line by VAIOとの連携、遠隔地とのデータ共有など、さらにHS1の機能を掘り下げていく。

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