グラフィックスカードの売れ筋は、6月末までRADEON HD 4850カードだったが、7月第一週には上位GPU「RADEON HD 4870」を搭載する製品が比較的潤沢に入荷されるようになり、トップが入れ替わった。
これまでに、SapphireやMSI、FORCE 3D、玄人志向などの各メーカーからRADEON HD 4870カードが登場しているが、どれも1〜2日の間に売り切れて再入荷を待つというサイクルが続く。調査した7月4日には、PowerColorの「AX4870 512MD5-H」が多数のショップに並んでいたが、「週明けまで残っているか微妙ですね。今は目を皿にして街中を探している人がいますから」(クレバリー1号店)という。価格は3万6000円前後。
RADEON HD 4870はシングルコアのRADEON HD 4000シリーズで最上位に位置付けられるGPUで、同4850にくらべて演算能力が約1.2倍になる。リファレンスデザインのカードは2段占有型の大型クーラーを備え、コアとシェーダクロックがともに750MHz。メモリは512Mバイトで、クロックは900MHzだ。
新世代GPUのハイエンドクラスながら4万円以下という高いコストパフォーマンスで、大ヒットしているのは上記のとおり。さらに、TSUKUMO eX.が「2枚まとめて購入する人が半数以上いるので、いくら在庫があってもすぐなくなりますよ」と語っており、CorssFireを構築するために2枚買いするユーザーも多いようだ。
下位モデルの4850搭載カードやNVIDIAのハイエンドカード「GeForce GTX 280」は、ともに好調に売れているものの、1枚買いが基本という。その違いをパソコンショップ・アークが解説する。「ハイエンドクラスを求める人は、グラフィックスカードに8〜10万円くらい用意しているものです。GeForce GTX 280なら1枚分ちょっとの予算ですが、RADEON HD 4870なら余裕で2枚買えます。単体でも速いと評判なのにCrossFireを構築すれば、当分は買い換える必要がないほどの性能になりますから、奮発する人が多いのでしょう」とのことだ。
RADEON HD 4870は、早くて7月中旬に潤沢になるという予想が多かったが、2枚買いの流れはしばらく続くかも。
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