レビュー
» 2008年07月15日 12時07分 公開

6万円台のマルチコア搭載PC:トリプルもクアッドもドンと来い──「HP Pavilion Desktop PC v7460jp/CT」を試す (1/2)

トリプルコアもクアッドコアも搭載できる、メーカー製スリムデスクトップPCの貴重な選択肢「HP Pavilion Desktop PC v7460jp/CT」をチェックした。

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

トリプルコア以上のマルチコアCPUのみ採用した夏モデル

「HP Pavilion Desktop PC v7460jp/CT」

 日本ヒューレット・パッカード(HP)のコンシューマー向けデスクトップPC「HP Pavilion Desktop PC」の夏モデルが登場した。ラインアップは、スリムタワーのパフォーマンスモデルとコンパクトなスタンダードモデルの2系統があり、それぞれインテルとAMD、両方のプラットフォームを採用した製品が用意されている。

 今回取り上げる「HP Pavilion Desktop PC v7460jp/CT」は、AMDプラットフォームを採用したハイパフォーマンスなスリムタワー型PCだ。トリプルコア以上のマルチコアCPUを搭載しているのが特徴で、各種パーツをいくつかの選択肢から選んで構成できる。ここでは、トリプルコアのPhenom X3 8400(2.1GHz)を搭載した評価機を中心に紹介する。

 スリムタワー型のボディを含め、本機の基本部分は春モデルの「v7360jp/CT」から引き継いでいるが、注目はCPUの選択肢だ。春モデルにあったデュアルコアCPUのAthlon 64 X2は姿を消し、すべてトリプルコア以上のマルチコアCPUとなった。トリプルコアのPhenom X3 8400(2.1GHz)のほか、TDPが65ワットと省電力なクアッドコアのPhenom X4 9100e(1.8GHz)、Phenom X4 9500(2.2GHz)の3種類が用意されており、評価機ではトリプルコアCPUのPhenom X3 8400を採用している。なお、マザーボードのチップセットがHyperTransport 3.0に対応していないため、いずれのCPUもシステムバスであるHyperTransportは2.0GHz動作となるが、実質的には大きな影響はないだろう。

 CPUの「コア」とは、内部の計算を行なう部分のことで、トリプルコアCPU/クアッドコアCPUでは、そのコアをそれぞれ3つ/4つ内蔵する。多くのコアを内蔵するメリットは、マルチコアに最適化されたソフトウェアを使う際に最大限に発揮されるが、対応ソフトウェアは動画エンコードやビデオ編集、RAW現像などのクリエイティブ系に多く、Microsoft Office 2007や一部のゲームタイトルもサポートしている。

 また、複数のプロセスが同時に走るマルチタスク環境でもパワーを発揮してくれる。Windows Vistaではスパイウェアやウイルスの侵入を防止するWindows Defenderなど、バックグラウンドで動作するサービスが多いうえ、サイドバーに多数のミニアプリケーションを常駐させられるなど、CPUに高いマルチタスク処理性能が求められる。デュアルコアより1コア多い「余裕」は心強いといえるだろう。

評価機が搭載していた2.1GHzで駆動するPhoenom X3 8400(写真=左)。CPU-Z 1.45の情報表示画面(写真=中央)。B2リビジョンのコア、2.1GHzの動作クロック、512Kバイト×3の2次キャッシュ、2Mバイトの共有3次キャッシュの存在などが確認できる。WMV Advanced Profileでのエンコード中にタスクマネージャのパフォーマンス画面を開いたところ(写真=右)。OSから3つのコアが認識され、同時に利用されていることが分かる

 ちなみに、Phenom X3 8400は同8600とともにOEM向けのみに出荷されているCPUで、TLB周りにエラッタのある「B2」リビジョンのコアを採用している。エラッタはOS(Windows Vista Home Premium Service Pack 1)で回避されているが、そのためにパフォーマンスが若干犠牲になっている。エラッタを改善した「B3」リビジョンのコアを採用した同等品は「Phenom X3 8450」としてリテール向けに販売されており、これと比べると本機の場合は性能面でやや見劣りする。

主要パーツは柔軟な選択が可能

マザーボードにはNVIDIAのGeForce 6150SE/nForce 430aチップセットを採用する

 システムの中核となるマザーボードは、NVIDIAのGeForce 6150 SE/nForce 430aチップセットを搭載したmicroATXフォームファクタの製品で、基板上には「M2N68-LA」とプリントされている。メモリスロットは4基、拡張スロットはPCI Express x16スロットが1基、PCI Express x1が2基、PCIスロットが1基という構成だ。

 メモリはPC2-6400 DIMMに対応し、容量は1Gバイト(512Mバイト×2)/2Gバイト(1Gバイト×2)/4Gバイト(1Gバイト×4)の3種類から選べる。HDDはSerial ATAインタフェースの7200rpm製品を採用し、容量は160Gバイト/320Gバイト/500Gバイト/750Gバイトの4種類が用意されている。有線LANはチップセット内蔵の機能(+外部PHY)を利用しているが、対応規格が100BASE-TXにとどまる点は残念だ。オプションでPCIの無線LANカードが追加できるが、こちらもIEEE802.11nは選べず、IEEE802.11b/g対応のみとなる。

 グラフィックス機能としては、GeForce 6150 SEチップセット内蔵機能のほか、追加のグラフィックスカードとして、GeForce 8400 HD搭載カードとGeForce 8500 GT搭載カードから選べる。どちらの追加カードも、HD動画再生機能である第2世代のPureVideo HDに対応しており、Blu-ray DiscなどのHDコンテンツを低いCPU負荷で再生できるほか、HDコンテンツのデジタル出力に必要な著作権保護技術HDCPに対応し、HDMIポートも装備する。ただ、DirectX 9以降に対応した3DゲームをプレイするにはGeForce 8500 GTでもやや力不足だろう。

評価機が搭載していたメモリとCPU(写真=左)。GeForce 8400 HDというGPUはNVIDIAの公式情報に存在しないが、GeForce 8400 GSの上位バージョンのようだ(写真=中央)。GPU-Z 0.2.1で見ると、コア540MHz/メモリ500MHz/シェーダ1300MHzと、8400 GSに比べてクロックが高くなっている(写真=右)

評価機はBlu-rayとHD DVD-ROMの読み出しをサポート(記録は不可)したドライブを搭載

 光学ドライブは、Blu-ray/HD DVDコンボドライブとDVDスーパーマルチドライブで、前者はBlu-rayへの書き込み対応と読み出しのみ対応の2タイプから選べる。Blu-rayへの書き込みの有無で差額は1万2600円となっており、HD動画や大容量データの記録を予定している人は迷わず記録対応ドライブを選びたい。いずれもSerial ATAインタフェースを採用し、ディスクのレーベル面にレーザーを使ってイメージをプリントできる「Light Scribe」に対応している。

 評価機が搭載していたBlu-ray/HD DVDコンボドライブ(日立LGデータストレージ GGC-H20L)は、BD-ROMの読み出しが6倍速、HD DVD-ROMの3倍速読み出しにも対応し、DVDスーパーマルチドライブとしての機能を持つ。なお、HD動画再生機能の関係で、チップセット内蔵グラフィックスを選択した場合にはBlu-ray/HD DVDコンボドライブは選べない。

 ちなみに、GeForce 8400 HD搭載カードを採用した評価機で付属ソフトウェア「HP DVD Play」でBlu-ray Disc(H.264エンコード)の視聴を行なってみたが、当然ながらまったくコマ落ちや音飛びなく、美しい映像で鑑賞することができた。なお、OSにWindows Vista Home PremiumまたはUltimate(いずれもSP1適用済み)を選べば、Windows Media Center対応の赤外線リモコンとUSB接続のレシーバーが付属するので、より快適にコンテンツを楽しめる。

リビングにも違和感なくなじむブラックボディ

内部は工具を使わずにパーツの着脱が行える

 スリムタワー型のボディは、前面のみ光沢のあるピアノブラック、それ以外はツヤ消しブラックで仕上げられ、リビングにも違和感なくなじむ。ただ、スタンドを利用した縦置き専用タイプで、横置きやスタンドを外した状態での動作は保証されていない。また、本体自体のサイズは容積で約14リットルほどだが、スタンドを含めたサイズは152(幅)×397(奥行き)×359(高さ)ミリとなり、容積では約22リットル弱となる。

 ケース前面は上下/左右に4分割されたデザインとなっており、右下カバー内に15種類のメモリカードの読み書きに対応する15in1メディアスロット、左下カバー内に2基のUSB 2.0、6ピンのIEEE1394a、ヘッドフォン、マイク端子を装備する。また、底面手前に青色LEDを利用した電源ランプ(間接照明兼用)があり、光量をダイヤルで調整できるギミックも備えている。

 背面のネジ1本を回すだけで側面のカバーを取り外せるので、ケース内部へは簡単にアクセスできる。また、マザーボードの一部を覆っているドライブベイは外側に開くことができ、スリムタワー型ながら良好なメンテナンス性を確保している。ドライブベイの構成は、5インチ、3.5インチ、3.5インチシャドウベイが各1基ずつとなり出荷状態で空きはない。加えて、使用できる拡張カードはすべてロープロファイル仕様に限られる。

小型なケースだが、天面と底面が丸みを帯びているので使用時は縦置きスタンドの装着が必須となり、設置面積は意外と広くなる。側面のカバーは背面のネジをドライバで外す必要があるが、内部は工具を使わずにアクセスできる。内蔵の電源ユニットは300ワットだ

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう