9色の「iPod nano」はすべて「やらずにいられない色」アップルインタビュー(中編)(2/2 ページ)

» 2008年09月14日 11時29分 公開
[林信行,ITmedia]
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iPod shuffleとnanoとカラーバリエーションの話

photo 新iPod nanoでは新たに「maze」というゲームをプリインストール。加速度センサーを使って傾けて遊ぶ

――「App Store」ばかりが注目されますが、最近ではiPod nanoやClassicで動くiPod Gamesもかなり増えてきています。ああいったソフトは、新旧両方の世代のiPod nanoで動くんでしょうか?

エリス:はい、どちらでも動きます。

――1人で新旧のiPod nanoを両方持っていれば、どちらでも利用できてしまうんですか?

エリス:そういうことになりますね。

――それはお得ですね。

エリス:そうですね(笑)。そういえば新しいiPod nanoでは搭載しているゲームも少し変わっています。ソリテアゲームの「Klondike」とブロック崩しの「Vortex」は、これまで通りですが、新iPod nanoでは新たに「maze」というゲームが加わっています。これは新iPod nanoの特徴である加速度センサー機能に対応した作りになっていて、本体を傾けて遊びます。

――iPod shuffleについても少し聞かせてください

エリス:iPod shuffleは、1Gバイトと2Gバイトという2つの容量オプションとシルバーモデルを残しつつ、4つの新しい色を加えました。このうち赤いモデルは「PRODUCT RED」のシリーズで、iPod nanoにも同様のものが用意されています。売り上げの一部はPRODUCT REDの寄付プログラムに回されます。

photo 従来からのシルバーに4つの新色を加えた「iPod shuffle」

――これはiPod nanoにも関係する質問ですが、新しいiPod shuffleの一部の色は、過去にほかの製品でもあった色に見えます。昔あった似た色でも、実際には少しずつ違うのでしょうか?

エリス:iPod nanoで使われたイエローは、これまでのアップル製品になかった色使いですが、それ以外のパープルやブルーについては、過去に似た色を使った製品を見たことがあるかもしれません。ただし、われわれは“色”はデザインの一部だと考えており、社内でコミュニケートするときも「第2世代のグリーン」「第3世代のグリーン」といった形で製品の世代と組み合わせて表現しています。

――パントーンカラーなどを使って表しているわけではないのですね。

エリス:われわれがどのようなカラーシステムを使っているのか興味を持たれている方が多いのは分かりますが、公にしてはいません(笑)

――スティーブ・ジョブズ氏は講演の中で、新しい製品を作る度に膨大な数のカラーバリエーションを検証する、と明かしていました。実際、どれくらいのバリエーションを試すのでしょう? ファッショントレンドなどの影響も受けるのですか?

エリス:ファッショントレンドなどはあまり関係ありません。とにかく、具体的な数はいえませんが、膨大な数を試します(笑)。ただ、今回の製品のデザインと組み合わせた場合、この9色は「どうあっても、やらずにいられない色」だったので、それでは9色すべてを製品化してしまおう、という流れになりました。

photophotophoto 9色すべて「やらずにいられない色」だったという

 今回の色を見るにあたっては、包括的な視点が必要です。このデザインがあってこそ、これらの色があるのです。今回、これだけのカラーバリエーションを用意したことで、われわれはすべてのユーザーにマッチするiPodを提供できる、といえるかもしれません。

――10年前、「iMac」のカラーバリエーションが出た時には、流通に5色単位でしか卸していないことなどが話題になりました。色のバリエーションが増えると、それだけ在庫の管理も大変になると思いますが、そのあたりはどうしているのでしょうか?

エリス:残念ながら私は10年前のことを知りませんのでお答えできませんが、われわれのチャネルパートナーの方々は今回のカラーバリエーションの豊富さを喜んでくれると思いますよ。私はプロダクトマーケティングの人間で、そのあたりは専門外ですが、われわれはどの色がどれくらい売れたといったことが瞬時に分かる流通管理のプログラムを利用していますので、そうした数値を役立てて、無駄な在庫がでないように計画を練ることは可能でしょう。

次回は「iPod touch」と新しいヘッドフォンについて話を聞いていこう。

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