ブレイク直前のSSD事情古田雄介のアキバPickUp!(1/4 ページ)

» 2008年09月16日 11時55分 公開
[古田雄介&ITmedia アキバ取材班,ITmedia]

「インテルがかなり本気でSSD化を狙ってるっぽい」

フェイス PC館に展示されているX25-M Mainstream SATA SSD搭載機

 アキバで複数のショップがインテル製SSD「X25-M Mainstream SATA SSD」を搭載したデモ機を展示し始めた。X25-M Mainstream SATA SSDは、2.5インチ型の80GバイトSSDで、リード時の最高速度が250Mバイト/秒と、SSDのなかでも高速なのが特徴だ。各ショップでは9月中の発売を予定しているが、現在のところ予価は出ていない。

 X25-M Mainstream SATA SSDのデモ機は、フェイス PC館やBLESS秋葉原本店、TSUKUMO eX.など多数のショップで見られ、それぞれのショップで高速ぶりを示すベンチマークが行われている。

 T-ZONE.PC DIY SHOPでは、2台でRAID 0を構築し、最速で500Mバイト/秒のスコアを出したという。この状況に、あるベテラン店員は「発売前にこれだけ多数のサンプルを出荷するというのは、インテルが本気でSSDを普及させようとしている証拠でしょう。実際、X25-M Mainstream SATA SSDは安価なMLCタイプながら、高価なSLCをしのぐ速度を実現していますから、ビジネス的にも相当な自信作のはず。インテルは比較的入手しやすい価格設定にして、一気にシェアを獲得しようと考えているのでは」と語る。

 現在のSSD市場について、複数のショップは「ブレイク直前の状態」と読んでいる。TSUKUMO eX.は「今ならMLCタイプのSSDが60Gバイト前後なら3万円前後で買えますからね。ハイエンド志向でなくても、“ブートドライブはSSDで”と考えている人は多いです」と話していた。また、フェイス PC館も「印象としてはBlu-ray Discドライブよりも、ハイペースで普及しています。何より値下がりのペースが非常に速いですから」と率直な印象を語った。

 一方、多数のメーカーが参入しやすい環境をSSDのヒットに結びつける声もあった。ある店長は「HDD市場は、すでに勝ち組メーカーが確立されており、新規参入が難しい状況。でもSSDならほぼ同じスタートラインから始められる。インテルが製品を投入するのが端的な例でしょう。今後もいろいろなメーカーの製品が登場し、淘汰を続けていくと見ています」という。

 それを裏付けるように、先週も新モデルが多数登場した。複数のショップで注目を集めていたのは、サムスン初のMLCチップ搭載SSDだ。64Gバイトの「MMCRE64G5MPP-0VA」が5万円弱で、128Gバイトの「MMDOE28G5MPP-0VA」は10万円弱。ともにSerial ATA接続を採用しており、転送速度はリードが最大90Mバイト/秒で、ライトは70Mバイト/秒という。また、1.8型の80Gバイトモデル「HS080HA」も10万円弱で登場していた。こちらはZIFコネクタを採用している。

インテル「X25-M Mainstream SATA SSD」(写真=左)。サムスン「MMDOE28G5MPP-0VA」(写真=中央)。サムスン「HS080HA」(写真=右)

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