そのノートはルビーの輝き――「FMV-BIBLO NF/B70」に触れるFMV秋冬モデルの主力機(1/3 ページ)

» 2008年10月07日 11時15分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

Centrino 2に“準”対応したスタンダードモデル

富士通「FMV-BIBLO NF/B70(FMVNFB70R)」

 「FMV-BIBLO NF/B70」は、8月下旬に秋冬モデルを発売した富士通のA4ノートPC「FMV-BIBLO NF」シリーズのミドルレンジに位置する。3つのカラーバリエーションと最新のCPU/チップセットを採用した高性能かつシンプルなハードウェア構成が特徴だ。今回は4種類の店頭販売モデルから、「ルビーレッド」のカラーを採用するOffice Personal 2007(SP1)付属モデル「FMVNFB70R」を試してみた。

 インテルは新しいモバイルプラットフォームとして、開発コードネーム「Montevina」の名で呼ばれてきた「Centrino 2プロセッサ・テクノロジ」を展開している。Centrino 2の要件は、CPUが45ナノプロセスルール製造のモバイル向け「Core 2」シリーズ、チップセットがモバイル向けの「Intel 4」シリーズ、そして無線LANが「Intel WiFi Link 5000」シリーズとなっている。

 FMVNFB70Rは無線LAN機能がAthelos製のため、その要件を満たさないものの、新型のCore 2 DuoとIntel GM45 Express/ICH9Mチップセットを搭載しており、「Centrino 2“準”対応」といってよいだろう。ちなみに、同社の直販サイト「WEB MART」で販売されているカスタマイズモデルで「IEEE802.11a/b/g/nドラフト対応無線LAN」を選ぶと、正式に「Centrino 2対応」となる。

TDP 25ワットのCore 2 Duo P8400を採用

CPU-Z 1.47でのCPU情報表示画面。45ナノの製造プロセスルール、SSE4.1のサポート、3Mバイトの2次キャッシュ、2.26GHz(FSB 1066MHz)動作などが確認できる

 CPUには、7月から新たにインテルのラインアップに加わった最新のCore 2 Duo P8400(2.66GHz)を採用している。45ナノプロセスルール製造の「Penryn」コアのCore 2 Duoとしては廉価版に位置付けられるモデルで、システムバスは1066MHzに対応し、2次キャッシュは3Mバイトを内蔵する。また、プロセッサナンバが「P」から始まるこのPシリーズは、従来ノートPC向けの主力であったTシリーズに比べて、TDP(熱設計消費電力)が25ワットと10ワット低いことも注目だ。

 チップセットのIntel GM45 Expressは、1066MHzのシステムバスに対応するほか、内蔵グラフィックスコアの「Intel GMA 4500MHD」はDirectX 10に対応し、3D描画性能は先代のIntel GM965 Expressチップセット内蔵のIntel GMA X3100よりも若干アップしている。また、動画再生支援機能としてH.264/VC-1/MPEG-2のハードウェアデコードをサポートし、この再生支援機能に対応したソフトウェアと組み合わせて利用することで、Blu-ray DiscのHDタイトルやAVCHDムービーなどもCPUに負担をかけずに快適に再生できる。

 HDコンテンツのデジタル出力時に必要な著作権保護技術のHDCPに対応しており、HDMI出力も標準装備する。ただ、FMVNFB70Rはスタンダードモデルという位置付けのため、搭載する光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブなので、Blu-ray Discの再生には対応しない。

 Intel GM45 Expressは、対応メモリとしてDDR2 SDRAMとDDR3 SDRAMの両方をサポートしており、どちらを採用するかはPCメーカーの裁量に任されているが、FMVNFB70RではDDR3-1066 SDRAM(PC3-8500)を採用している。現行のノートPC用メモリとしては最も高速であり、高いパフォーマンスが期待できる。また、チップセット内蔵グラフィックスのIntel GMA 4500MHDはメインメモリをグラフィックスメモリに使うため、メインメモリの高速化はグラフィックス性能のアップにも貢献する。

 SO-DIMMメモリスロットは底面に2基用意されており、標準でそれぞれ1Gバイトのモジュール(合計2Gバイト)が装着されている。HDDはSerial ATA対応で容量は250Gバイト(5400rpm)と、このクラスでは標準的な仕様だ。

2基のメモリスロットとHDDはいずれも底面のネジ止めされたカバーを外すだけでアクセスできる(写真=左)。バッテリーパックは背面側ではなく、右パームレストの下に配置されている。ACアダプタの端子はボディの右奥にあり、ACアダプタ側のケーブルは先端がL字型なので後方に配線しやすい(写真=右)

上品な3種類のカラーバリエーション

3色のカラバリの中でもルビーレッドはひときわ目立つ

 ボディのサイズは368(幅)×265(奥行き)×33.5〜40.5(高さ)ミリ、重量は約2.9キロ。大柄でしっかりした作りのノートPCだ。据え置きでの利用を前提として設計されており、底面のバッテリパックは14.4ボルト/2000mAhと小さく、駆動時間も約1.9時間(公称値)と短い。

 ボディカラーは「ランプブラック」「ルビーレッド」「アーバンホワイト」と3種類のバリエーションが用意されている。今回入手したのはルビーレッドのモデルだが、あでやかな光沢をたたえた深みのある濃い赤色が印象的だ。キーボード、液晶フレーム部に採用しているブラックとの相性もよく、上品な仕上がりとなっている。

 端子類はボディの右側面と背面を中心にまとめられており、右側面にはオーディオ端子、2ポートのUSB 2.0のほか、eSATA、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPROが読めるダイレクトメモリスロットも装備。背面にはHDMI出力、アナログRGB出力、有線LANのほか、2ポートのUSB 2.0、IEEE1394(4ピン)を備える。左側面にもDVDスーパーマルチドライブの奥にExpressCard/54スロットとPCカードスロット(TypeII)がある。

 かなり先進的で充実した内容といえるが、端子やスロットの配置は少しクセがあり、特にボディ左側にUSBポートが1つもない点は少々不便に感じた。無線LAN機能はAthelos製「AR5007EG」で提供されている。IEEE802.11b/gに対応し、右側面のスイッチで無線LANのオン/オフを切り替えることが可能だ。

前面には各種インジケータとステレオスピーカーを配置(写真=左)。背面にHDMI出力、アナログRGB出力、USB 2.0×2、4ピンのIEEE1394、1000BASE-Tの有線LANを備えている(写真=右)

左側面にDVD±R DL書き込み対応DVDスーパーマルチドライブとTypeII×1のPCカードスロット、ExpressCard/54スロットを配置(写真=左)。右側面には無線LANのスイッチ、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO対応スロット、ヘッドフォン、マイク、USB 2.0×2、eSATAの端子を敷き詰めている(写真=右)

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