OSDメニューの操作ボタン類は右側面に縦一列で並ぶ。上から順に、D-Sub接続時の自動画面調整を行う「AUTO」ボタン、OSDを呼び出す「MEMU」ボタン、OSDのメニューを操作する上/下ボタン、設定を決める「ENTER」ボタンだ。OSDメニューを開いていないとき、上ボタンは内蔵スピーカーのボリューム調整、下ボタンは画質モードの選択、ENTERボタンは入力系統の切り替えというショートカットで機能する。
画質モード(メニュー内の表記は「画像モード」)は、標準、sRGB、写真、ダイナミクス、動画の5通りを用意。用途に応じて、ボタン1つで切り替えられる。画質関連の調整項目は、輝度、コントラスト、鋭さ(シャープネス)、カラー設定(色温度)、ダイナミックコントラスト、AMAといった構成だ。
ただし、画質モードによっては固定となる項目もある。例えば、標準モードやsRGBモードを選択した場合、ダイナミックコントラストは常に無効だ。また、写真/ダイナミクス/動画モードでダイナミックコントラストを有効にすると、輝度とコントラスト比が調整できなくなる。カラー設定(色温度)の選択肢は、薄青、薄赤、標準、ユーザー(RGBバランスの個別調整)で、ケルビン値での設定は用意されない。
さて、低価格でハードウェアスペックに注力しているなら、コストダウンのしわ寄せは機能面に向かってくる。どれも致命的なものではないが、使い勝手を阻害している部分がいくつか目に付いた。
1つは1920×1080ドットのパネル解像度と異なる解像度を表示する場合のスケーリング機能だ。アスペクト比を無視したフルスクリーン拡大モードに加えて、アスペクト比固定拡大のモードが選べるのはいいが、ドットバイドットの表示ができないのは惜しい。ただし、グラフィックスカードにNVIDIAのGeFoeceシリーズかAMD(ATI)のRadeonシリーズを導入すれば、グラフィックスドライバ側の機能によってドットバイドット表示を実現できるだろう。
アスペクト比固定拡大の表示モードは、ほとんどの解像度できちんと機能した。HDMI接続について補足しておくと、プレイステーション 3で検証したところ、720pの拡大表示はスムーズで違和感がない。HDMI接続時はOSDメニューで画面の端をカットするオーバースキャンの有無を設定できるので、HDDレコーダーなどの映像機器をつないだときに役立つだろう。また、PCをHDMIで接続しても問題なく画面が表示された。
もう1つ気になったのは、3系統の入力で輝度やコントラスト、画質モード、ダイナミックコントラストとAMAの有効/無効といった設定が共通になることだ。3つの入力系統をそれなりの頻度で切り替えて使っていると、好みの設定をその都度やり直さなければならず、面倒に感じる。
そこで、5種類の画質モードを自分なりに調整しておき、下ボタンによる画質モードの切り替えだけでユーザーによる調整値を復帰できるようにしておくとよいだろう。
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