11月2日と3日の連休に、秋葉原ダイビル2階の「秋葉原コンベンションホール」で、PCパーツメーカーの新製品などが出展される自作PCイベント「DIY PC Expo 2008 Autumn」が開かれた。20社以上のメーカーがブースを設けており、未発売の製品や参考展示品といった今後の自作市場を盛り上げるパーツがいくつも並んでいた。
特に人気を集めていたのは、リードテックのブースだ。その主役は、Cellプロセッサを応用した東芝の「SpursEngine」を搭載する初の自作PC用カード「WinFast PxVC1100」だ。
SpursEngineは、エンコードや動画のアップコンバートなどを専用に処理するチップで、東芝のQosmio G50などに搭載されている。ブースでは、WinFast PxVC1100と付属ソフトウェア「DVD Movie Writer」を使ったトランスコードのデモを行っていたが、CPU使用率は常に10%以下となっていた。「WinFast PxVC1100がエンコード処理するあいだ、CPUは空いているので、普通にフォトレタッチやブラウジングなどが快適にできるわけです」(リードテック)。
WinFast PxVC1100は11月中旬に店頭に登場する予定。価格は2万9800円前後になる可能性が高い。ちなみに、GPGPUによるエンコード処理も現実味を帯びてきているが、その対抗馬としてWinFast PxVC1100を見た場合、「今のところは高速に処理できるWinFast PxVC1100に価値を見出して頂けると思います。将来については東芝さん次第というところもありますが、好評を得れば新しい機能が増えることも考えられます」(リードテック)という。エンコ職人は要注目だ。
3R SYSTEMのブースに熱視線を送るユーザーも多かった。その主役は、液晶ディスプレイを装着できるL字型のケース「L-2000」。L-2000はATXマザーを横向きに装着する変形ケースで、ドライブ類はフロントに向けて設置できる。「液晶ディスプレイは24型ワイドまで装着可能です。ケースは省スペースですが、GeForce GTX 280カードが装着できるくらいの余裕を持っていますよ」(3R SYSTEM)という。市場想定価格は1万1800円前後で、11月下旬から販売する予定だ。
そのほかにも、魅力的な新製品の情報がいくつも手に入った。Sapphireのブースに並んでいたのは、RADEON HD 4850を2基搭載したオリジナル基板のグラフィックスカード「SAPPHIRE HD 4850 X2」だ。市場想定価格は4万9800円で、「早ければ11月初旬のうちに出回ると思います」(Sapphire)とのこと。また、同じブースに並んでいた「Super LoiLoScope」については「GeForceのCUDAも対応を進めているという話を聞きました。プラットフォームの枠を超えてヒットしそうですね」と語っていた。
サーマルティクは、7月19日の「サーマルキャンプ」で披露していた、コンプレッサを使った冷却システム「XPRESSA」の改良版を展示していた。前回は輸送中の振動が原因で結露を起こすトラブルがあったが、「今回は同じ方法で輸送しましたが、何の不備もなく動いています。製品として完成体に達したと考え、年内には発売したいなあと思っています」(サーマルティク)。販売形態や価格は未定という。
ザルマンは、1月の「DIY PC Expo 2008」でも展示していた32型ワイドの3D液晶ディスプレイ「ZM-M320W」を並べ、再び人気を集めていた。専用メガネをかけると、映像が立体的に見える仕組みで、「今回も好評をいただいたので製品化できたらと思います。22型ワイドのZM-M220Wは店頭に並べることができたので、次につなげたいですね」(ザルマン)と語る。
また、MSIのブースも未発売の新製品を多数展示しており、ユーザーが途切れることはなかった。なかでも注目は、Netbookながらワンタッチのオーバークロック機能を備えた「Wind Netbook U100 Vogue」だ。発売予定は11月8日とのことで、「これまでのWind Netbookは品薄でご迷惑をおかけしましたが、U100 Vogueは初回からある程度潤沢に出回ると思います」(MSI)という。なお、3日の同イベントではIntelの新チップセット「Intel X58 Express」搭載マザーも展示していた。
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