CEATEC JAPAN 2008に出展中の東芝は、「デジタルネットワークステージ」(1〜5ホール)と「電子部品・デバイス&装置ステージ」(5〜8ホール)の両方にブースをかまえている。CEATECの主役はやはり1〜3ホールに集中する大型テレビ群だが、その中で東芝は話題のNetbook「NB100」をはじめ、Qosmio/dynabookブランドの製品にも大きくスペースを割き、PC関連の展示にも力を入れている。2008年秋冬モデルのラインアップをほぼ網羅する内容で、同社ノートPC製品の特徴を知るにはいい機会だろう。実際、多くの来場者がNB100を手に取ってキーボードの打ち心地を試したり、SpursEngineを搭載したQosmioの画質などを確かめていた。
電子部品関連のブース(8K15)には、SSDやSpursEngine、SCiB(Super Charge ion Battery)などが展示されており、PC USERの読者にとっても見どころの多い内容となっている。特に注目は、台湾Leadtek Research(以下、リードテック)の「WinFast PxVC1100」と、トムソン・カノープスが参考出品していたSpursEngine搭載カードだ。
東芝のフラッグシップノートPCにも搭載されているSpursEngineは、SPE(Synergistic Processor Element)4基とMPEG-2/MPEG4-AVC/H.264のハードウェアエンコーダ/デコーダを1パッケージにしたチップで、映像処理を高速に行えるのが特徴。SpursEngineを搭載するQosmioには、ハイビジョン放送をH.264にリアルタイム圧縮したり、DVDタイトルの映像をフルHD解像度にアップコンバートする機能などが搭載されている。リードテックはロープロファイルサイズのWinFast PxVC1100をキューブ型PCに組み込み、フルHDの非圧縮AVIをH.264(16Mbps)にエンコードするデモを行っていた。WindowsタスクマネージャでCPU使用率を見ると、非常に重い処理をしているにも関わらず20〜30%にとどまっており、音声処理以外の負荷がかかっていないのが分かる。なお、WinFast PxVC1100は10月末に発売予定で、価格は3万円前後になる見込みだという。
一方、トムソン・カノープスもSpursEngine搭載カードを使ってMPEG-2 TSをH.264に変換するデモを行っており、「実時間の半分くらいでいけますね。環境にもよりますがソフトウェア処理に比べて5〜10倍くらい速い。エンコ職人に最適でしょう」(説明員)と語っていた。ちなみにリードテックはSpursEngine対応ソフトとしてDVD MovieWriterをバンドルしているが、カノープスは自社のEDIUSシリーズをバンドルする予定。このため価格は「だいたい4〜5万くらいになると思います。ソフト込みで」とやや高くなりそうだ。出荷開始は11月末から年内を目標にしているという。
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