充電5分、6000回以上充放電可能──東芝の新型二次電池「SCiB」、携帯への採用にも期待CEATEC JAPAN 2008

» 2008年10月01日 15時41分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo CEATEC JAPAN 2008 東芝ブース

 東芝は、CEATEC JAPAN 2008で同社の新型二次電池「SCiB」をモバイルノートPC向けサイズに小型化した試作機を公開した。

 SCiB(Super Charge ion Battery)は、従来のリチウムイオンバッテリーと基本構造は同じながら、安全性、長寿命、急速充電、大実効容量、高出力、低温性能を特徴とする新たな二次電池として展開。主にファクトリー系機器や電気自動車、電動アシスト自転車など、やや大型の機器向けの製品として量産が開始された。

 昨今、携帯やPCのリチウムイオンバッテリーに関わる事故が何度も発生しており、特に“安全性”がリチウムイオンバッテリーの最大の課題となっている。SCiBは、破裂や発火に至る原因の1つとなっている負極材料を従来のカーボン系の黒鉛から、熱的に安定したチタン酸リチウムにしたことによって安全性が大きく向上。バッテリーが押しつぶされた際に起こるショート(強制短絡)が発生しても、温度上昇が緩やかで熱暴走を起こさない特徴もあるという。

photophoto 参考展示として公開された、ノートPC用バッテリーサイズのSCiB

 東芝ブースで技術展示されたノートPC向けSCiBは、ノートPC dynabookシリーズ採用する従来のリチウムイオンバッテリーとほぼ同サイズを実現。安全性とともに5分〜10分で90%充電できる急速充電性と約6000回の充放電後もわずかの容量低下しか起こらない長寿命性により、ランニングコストとともに環境負荷の低減に寄与するメリットも挙げる。

 現在量産される、やや大型の機器向けのセル仕様は2.4ボルト/4.2Ahで、最大放電電流は45A。本体サイズは62(高さ)×95(幅)×13(厚さ)ミリ、重量約155グラム。同等サイズ、容量のリチウムイオンバッテリーと比べると現在のコストは約2〜3倍ほどというが、6000回以上の充放電性能(従来のリチウムイオンバッテリーは一般的に数百回の充放電で60%ほどまで放電容量が低下)を想定したランニングコストを勘案するとメリットは多用にあるといえる。

photophoto 当初の製品はやや大型の機器への採用を想定するセルサイズだが、携帯電話やスマートフォン、デジタルカメラといった小型機器用の開発も想定しているという

 同社は、まず約155グラムのセルや約2キロのパック製品を搭載できる機器向けSCiBに注力するとしているが、安全性と急速充電性、充放電を繰り返しても容量低下が起こりにくいなどのメリットは携帯機器にもことさら望まれることと思われる。

photophoto 薄型のダイレクトメタノール型燃料電池搭載ケータイも展示。メタノールカートリッジ口の規格策定議論も順調に進められているという

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