東芝のNetbookはなにが違う?──「NB100」ちょっとちょっとレビュー

» 2008年09月29日 18時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]

携帯利用を考慮した8.9型ワイド液晶搭載Netbook

東芝が投入するNetbookの「NB100」は、8.9型ワイド液晶ディスプレイ、重さ1050グラムとそのスペックはデルのInspiron Mini 9に近い

 「日本発」「(大手PCメーカーでは)日本初」のNetbookとなるNB100だが、その内部構成は先行する台湾ベンダーの製品とそれほど変わらない。CPUにAtom N270を搭載し、チップセットはIntel 945GSE Expressを採用する。最近のNetbookは、Eee PC(ASUS)やInspiron Mini 9(デル)のように比較的小型の液晶ディスプレイを搭載する系列と、WindNetbook U100(MSI)や、先日、国内PCメーカーから初めて発表されたオンキヨーの「C1」のように、比較的大型の液晶ディスプレイを搭載し、キーピッチもある程度確保して使い勝手を重視した系列に分かれている。

 NB100は、8.9型ワイド液晶ディスプレイを搭載してボディサイズを抑え、そのかわり、キーピッチが15.9ミリとやや狭くなっているなど、Inspiron Mini 9のように小型軽量を優先したバランスになっている。

 本体サイズは、225(幅)×190.5(奥行き)×29.5〜33(厚さ)ミリで、重さは1050グラムと、デルが発表している8.9型ワイド液晶ディスプレイを搭載したNetbook「Inspiron Mini 9」とほぼ同じサイズと重さ(Inspiron Mini 9のサイズは232(幅)×172(奥行き)×27.2〜31.7(厚さ)ミリ、重さは1060グラム)だ。

 ちなみに、10型ワイド液晶ディスプレイを搭載したWindNetbook U100のボディサイズは260(幅)×180(奥行き)×19〜31.5(厚さ)ミリ、重さ1キロ(ただし、標準バッテリーは3セル構成)と、実は横幅以外でWindNetbook U100とMB100で大きな差はない。横幅が長い分、WindNetbook U100のキーピッチは17.5ミリとなっている。

明るい液晶ディスプレイと打ちやすいキーボード

 液晶ディスプレイのサイズは8.9型ワイドで最大解像度は1024×600ドットと、スペックはInspiron Mini 9などの先行するNetbookと同じ。バックライトに低消費電力のLEDを採用しているのもInspiron Mini 9と共通する。

 液晶パネルの輝度調整は8段階で、省電力設定を「バッテリの最大利用」にした場合のアイドル状態におけるシステム消費電力をオンラインソフトの「mobmeter」で測定したところ、最小輝度で8.17アンペア、中間輝度(下から4レベル)で 8.66アンペア、最大輝度で9.46アンペアとなった(ただし、これは試作評価機の測定値であるため、量産出荷機では改善される可能性がある)。

 ここで紹介したように、キーピッチは15.9ミリとほぼ16ミリ確保されているが、これは、アルファベットキーのサイズで、それ以外の記号キーなどにおけるピッチは、実測で約10.5ミリと狭くなっている。ちなみに、Enterキーの幅は12〜13ミリだった。スペースキーの長さは約50ミリ。

 東芝の資料によると、キーストロークは1.5ミリとされているが、キーボード下にあるパネルがしっかりとしており、打鍵した指の力をそれほどたわむことなく受け止めてくれるので打ちやすい。狭いキーピッチに慣れれば、長文の入力もそれほど無理なく行える。ただ、評価作業においては、試作機のためか、キートップの刻印が視認しにくく、(タッチタイプが困難であるため)キーの位置を各印するのにやや手間取っている。

8.9型ワイドの液晶ディスプレイは明るく発色も鮮やかだ。最大解像度は1024×600ドットと、同じサイズのディスプレイを搭載するNetbookと同じ。バックライトにLEDを用いて省電力も考慮している(写真=左)。キーボードはアルファベットキーが均等ピッチで15.9ミリを確保している。ストロークは1.5ミリだが、打鍵したときのたわみは少なく打ちやすい(写真=右)

しっかりしたボディ。標準でBluetoothも搭載

 同じことはボディにもいえる。評価機は量産レベルではないと説明されていたが、それでも、ボディは片手で持ち上げでもたわむことなく、液晶ディスプレイのヒンジはどのような角度で止めてもぐらつくことがなかった。

 ボディに搭載されたインタフェースは左側面に1つのUSB 2.0、右側面にブリッジメディアスロット(SDメモリーカード、SDHCメモリーカード、MMC、メモリースティック、メモリースディックPROに対応)が1つと2つのUSB 2.0が用意されるほか、背面にはアナログRGBと100BASE-TX有線LANコネクタが搭載されている(記事掲載時、USB 2.0がeSATAと兼用と記述しました、誤りでした。おわびして訂正いたします)。できる。ネットワークは、この有線LANのほか、無線LANとしてIEEE 802.11 b/gをサポートするだけでなく、標準構成でBluetooth( Ver.2.1+EDR準拠)も有する(Inspiron Mini 9では、Bluetoothはオプション扱い)。

正面にはマイクとヘッドフォンの端子のみ(写真=左)で、背面にはバッテリーパックをはさんでアナログRGBと有線LANコネクタが用意される(写真=右)

左側面に搭載されたUSB 2.0はeSATAインタフェースとしても利用できる(写真=左)。右側面にはSDメモリーカード(SDHCにも対応)、メモリースティック(PROにも対応)、MMCを利用できるブリッジメディアスロットと2つのUSB 2.0が用意されている(写真=右)

 システム構成は、CPUがAtom N270、チップセットがIntel 945GSE Express、メモリ容量はDDR2-533が1Gバイトと、既存のNetbookと変わらない。最大メモリ容量もほかのNetbookと同様に1Gバイトとされている。メモリはオンボードではなく、1つだけ用意されたメモリスロットを利用している。

 データストレージはSSDではなく120Gバイトの5400prm、Serial ATA接続のHDDを採用する。東芝の資料によると、OS(Windows XP Home Edition Service Pack 3)を含む導入済みソフトウェアによって7.2Gバイトがすでに使われている。

底面からメモリスロットにアクセスできる。標準状態で1つしかないスロットには1Gバイトのメモリがすでに載っている。バッテリーが背面から飛び出しているが、これは大容量バッテリーではなく標準バッテリーだ。NB100に大容量バッテリーのオプションは用意されない(写真=左)。天板には光沢のあるブラック塗装が施され、大きなTOSHIBAのロゴをあしらっている。ACアダプタの重さはコードを含めて実測値で約320グラムと、このサイズのノートPC用としては重い(写真=右)


 NB100の実売予想価格は7万円代半ばと、すでに流通しているNetbookと比べて高くなる見込みだ。大手PCメーカー製として競合する日本HPのHP 2133 Mini-Note PCやデルのInspiron Mini 9と比べても高い。東芝の担当者は十分な数の台数を用意すると発言しており、台湾ベンダーや日本HPのHP 2133 Mini-Note PC のように、「購入したいのに製品が見つからない」という状況にはならないとしている。

 このような出荷台数の確保やユーザーのサポートといった、日本の市場に密着した「東芝のNetbook」という安心感と信頼感が、NB100が持つ最大の特徴といえるだろうか。少なくとも、ボディのつくりと液晶ディスプレイの見やすさ、キーボードの打鍵感は、「安心感と信頼感」をクリアしているように思えた。

本文でも何度か触れたように、液晶ディスプレイのサイズ、ボディのサイズと重さ、そして大手PCメーカーのNetbookと、NB100とInspiron Mini 9は、多くの共通項を持つ製品だ。受け入れられるためには「日本のPCメーカー」という特性を生かせることが必要になるだろう

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